不覚にもボロボロと泣いてしまった~。
職場の貸本ルートから回ってきた本。ということは、自分好みではない可能性も多い訳でして。そこまで期待せずに読み始めたんですが、これがまた私のツボにモロにはまってしまいました!薄い本なので一気に読めるんですが、読み終わるのが勿体無いと感じるくらい。
連作短編集。元々は児童書として発表された作品に加筆修正後、文庫本として出版されたもの。なので、主人公が子供っていう作品が多いのが特徴かな。
駅前商店街の赤い鳥居が並んでいるあたり。夕方になると、そこに稲穂の紋の看板、明るい灯をぽっかりともしたコンビニ「たそがれ堂」が現れる。レジには銀髪に金色の瞳をしたお兄さんが立ち、大事な探し物をしている人が迷い込み、必ずその探し物が見つかるという不思議なコンビニ。
最初の表題作「コンビニたそがれ堂」から、心をぐっと掴まれました。猫ちゃんが出てくるって言うのも私的にはポイントが高い(笑)小学生の男の子の大事な探し物。ちょっと切ないながらも、最後にはにっこりと微笑めるお話で、一気にこの世界に引き込まれました。
特にお気に入りは「桜の声」。途中でティッシュを探したくらい、ボロボロと泣きまくり;;;ラジオの声が時空を越えて、過去や未来へと届けられ、そこに居る人々に勇気や元気を湧き上がらせる。なんて素敵なお話なんでしょう!私も桜子さんの声に励まされたくなりました。そして、「ケツメイシノサクラ」を聴きたくなっちゃいましたよ~。
全体的に、最初は切ないながらも、最後は温かく優しい物語になるものばかりなんですが、その中で「あんず」はちょっと異色かな。猫ちゃんのお話なんですが、これは最後がとっても切ないのです。他のお話のように微笑んで終われず、ぎゅぅぅぅっと心臓が絞られるような、そんな思いで終わった物語でした。
私もいつか、コンビニ「たそがれ堂」に辿り付けるといいなぁ、行きたいなぁ、と思っちゃいます。でも、どうしても見つけたい大事な探し物っていうのが・・・すぐに思い至らないから今のところは無理かな(笑)
・コンビニたそがれ堂
・手をつないで
・桜の声
・あんず
・あるテレビの物語
・エンディング~たそがれ堂
2009年06月11日
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Tracked: 2015-05-31 11:22
年始早々、この本で号泣しました。ほんと、もう、ぼろぼろ。(^^;;
あんずのキャンディと首輪の代金が「5円」というだけでも、泣いちゃいましたもん。
桜の声といい、2冊目のほうの魔法の振り子といい、コンビニのおにーさんは頑張って働いている大人の女性に優しいところもポイントが高いです。
私、今あるもので、いつか失くしたら探しに行きたくなるものならあるなぁ。
…すっかり出遅れてすみませぬ;;;
年明け1冊目がこれってなかなかですなぁ。やっぱ、泣いちゃうよね。くるよね。かなり。うんうん。
働く女性に優しいコンビニのおにーさんかぁ。私も会いたいなぁ…。
私は今あるもので失くしたら探しに行きたいもの…うーん、ぱっと思いつかないなぁ^^;うーん、うーん…。
今さらですがシリーズを読み始めました。今まで気にはなっていたのですが読むまでに至らず激しく後悔しました^^;どのお話も素晴らしくて、村山さんの人柄もあるのかななんて思ったり。
「桜の声」素敵なお話でした。こんなことが実際にあって、困っている人や苦しんでいる人の支えになっていたのだとしたら、とても素敵なことですよね。
今2冊目まで読み終えているので3冊目も早く手に取ってコンビニのおにいさんに逢いたいなと思います^m^
いえいえ!コメント、TBありがとうございます!
「桜の声」じーんとくるお話ですよねぇ。歌の力というのも感じられるお話でした。
それ以外のお話も素敵で沁みますよね~。続編の記事も楽しみにしています♪