な・・・にーーーっ!?
最後の最後に驚きの事実が明かされて、これが叫ばずにはいられようか!でした。まったくもう、「くぅーっ、そうきたか!」でしたよ、ホントに。
駒子シリーズ3作目の本書は、今までのシリーズと違って駒子視点ではないお話もあった。2編の中編からなり、1編目は今まで通り駒子目線の「スペース」。そして、2編目が「スペース」と対をなすような内容で、別の人物目線での「バック・スペース」。表裏一体という感じの2編の構成もさることながら、内容でも驚かされてびっくり!の1冊でした。
最初の「スペース」は今までと同じように、「日常の謎」を駒子が瀬尾さんに語り(綴り)、それを瀬尾さんが見事に謎解きちゃうというもの。あいかわらずの、ほのぼの温かさ溢れる作品でした。おまけに、最後には嬉しい展開にもなって、ニマニマと怪しい人になっちゃったのは言うまでもありませーん(笑)
ただ、あの手紙がねぇ;;;思った以上に長くって、実は途中から飽き飽きしながら読んだのでした。もう少し長かったら、挫折してたかもしれません。・・・スミマセン;;;だって、これは駒子が書いた手紙じゃないでしょう、ってのはすぐに分かっちゃったし、日常のあれこれがダラダラと綴られているだけだったんだもん。正直、ちょっと退屈というかなんというか、そんな気持ちになっちゃいましたよ。
そして2編目の「バック・スペース」は、「スペース」の中で綴られていた手紙の主目線で語られる、真相の物語という体裁。駒子目線ではない、短大の人間模様、駒子の人柄には、目新しさもあり、人によってこんなに印象が違うのだなぁと興味深かった。おまけに、この物語はですね、今までのような「謎解き」ではなく、「恋愛小説」だったんですよね。
ミステリじゃないのかぁ。なーんだ、ツマラン;;;と思いつつも、物語に惹き込まれて読んでたんですが、最後の最後でとっても驚かされました!瀬尾さんの過去がこんなところで明かされるとはねぇ。予想外の展開に唸っちゃいましたよ。本当にビックリ。普段、こんな展開だと「ご都合主義過ぎる!」と文句タラタラつける私ですが、何故かそんな気持ちにはならなかったんですよねぇ。「あぁ、そんな偶然もあるよなぁ・・・」なんて、そんな風に思えちゃったのは自分でもホント不思議です。この作品が醸し出す雰囲気のせいなのかもしれませんが、私も相当にご都合主義っていうか、自分本位な読者だよなぁと、改めて実感した次第です、ハイ。
それにしてもですよ。そうすると、1編目の瀬尾さんの鮮やかな謎解きは・・・ねぇ。「瀬尾さんってば、ずるーいっ!」と口を尖らせて抗議したくなっちゃったんですが(笑)それとも、その時は気付いてなかったんでしょうか。いや、あの瀬尾さんに限って、気付いてないってことはないよねぇ・・・。やっぱり、瀬尾さんってばずるいよー!
【駒子シリーズ】
・ななつのこ
・魔法飛行
・ななつのこものがたり
2009年06月17日
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スペース 加納朋子
Excerpt: スペース オススメ! 大晦日、駒子は母に頼まれ、買い物をしていた。 そこで会ったのは、神出鬼没の瀬尾さん。 駒子は後に、瀬尾さんに16通の分厚い封筒を手渡す。 それから、一つの謎ときが始まる。 「..
Weblog: 苗坊の徒然日記
Tracked: 2009-07-05 11:26
大好きなんです。駒子シリーズ。
瀬尾さんとの関係がもどかしさも感じつつ好きで。
第3弾は集大成なんですよね、きっと。
2作目から10年以上たっての続編だったので、もういろいろ忘れかけていたのですが、やっぱり良いです。
「バックスペース」の瀬尾さんのところはやられましたね。
私も唸りました。
2人の関係は気になるところですが、
「ななつのこものがたり」の子どもに語っているのは駒子ですよね。
旦那様は誰なんでしょうね^m^
この「駒子シリーズ」を読むと、ほんわか暖かい気持ちになりますね~。私も好きです!
「バックスペース」の最後は、やっぱり唸っちゃいますよねぇ。驚きの事実でした。
「ななつのこものがたり」のお母さんは駒子でしょう!そしてお父さんはやっぱり・・・なハズ!と信じてます~(^.^)