第29回小説推理新人賞受賞作。
ということで、この作品がデビュー作なんだよね。デビュー作とは到底、思えない。ホント凄いです!すっごく面白かった。ついつい惹き込まれて一気読みしちゃいました。この作品がデビュー作という驚きはもちろんですが、内容もなかなか衝撃的。
中学校の終業式。子供を亡くした女性教師が生徒に語りかける。その話言葉だけで綴られる文章。最初は普通のHRのようだったのが、だんだんと不穏な空気を漂わせていく。事故死だと思われた子供は、実は殺害されたのであって、そのクラスの生徒が犯人だというのだ。そして、衝撃の告白。もうね、この章だけで「うへー;;;」って感じでした。
連作短編集風とでもいうのか、担任教師、クラスの委員長、少年の母、少年、少年の家族と、事件に関わった人々の独白調の章が続く。独白なので、他者の入り込む隙間がない。だから、独り善がりで、だんだんと精神のバランスを崩していく様子が綴られていくんですよね。読みながら、どんどん彼らの世界に囚われていく自分がいました。
どの章もそれぞれ、最後が特に「うわ;;;」という展開なんですが、その中でも最後の章は思いもよらない展開で驚かされました。もうね、そうくるかーっ!と叫びたい気分。なんというかですね、最初から最後まで見事なくらい驚かされた作品でした。かなり暗い内容ではあるけれど、こういうのクセになりそうです・・・。
2009年03月07日
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とても、衝撃的な物語でしたねぇ!
どんどん過剰になっていく語り手たちの被害者意識、コミュニケーション不全、今の時代の暗部を抉り出すかのような展開。
でも、自分も言い訳や自己欺瞞をしている・・・ここまではひどくないけど、でも。
そういうところが、ひどく怖かったです。
本当に衝撃的な物語でした。現実でも起こったような事件に、関わった人々のリアリティが恐かったです。
たしかに、自分にもこういう所が無いとは言えないという部分が恐さを増してたような気がします。
>べるさん
自宅の冷蔵庫から牛乳パックを取ろうとして、びみょーに躊躇した自分がいました^^;アレは印象的で衝撃的でしたね。
次作も読んでみたいと思いますが、どうも図書館の予約に乗り遅れたような気が・・・^^;;;
第一印象は「怖い」と思った本です。
たしかに、現代社会、特に教育現場の様々な問題が詰まってましたね。
ホント「怖い」作品でした。
いや~読んでいるこちらも精神のバランスを崩しちゃいそうな感じの作品でした。うへ~っと思うのに、最後まで読まされちゃった感じです。巧いなぁ~。
本当にその通り!読んでるこちらもかなりダメージといいますか、影響を受けてしまう作品でしたね;;;でも、ついつい読み耽ってしまう・・・新人作家さんとは到底、思えませんね。
TBさせていただきました。本当に、噂どおりの作品でした。
衝撃的で、暗くて、でも読む手は止まらない。これがデビュー作だなんて信じられません。
他の作品も読んでみようと思います。
本当にデビュー作とは思えない作品でしたよね。
読んだ時の衝撃、あの暗さはいまだに忘れられません!
他作品もなかなかだと思いますが、私の中ではこのデビュー作を超えるものはないんですよね~;;;これを超える程の衝撃的な作品を書くのは、やっぱ難しいんでしょうね^^;