「季節風」シリーズ第4弾。12~2月の「冬」を描いた12編の短編集。
寒い冬の物語なのに、ほっこり温まるお話が多かった。前3作品も、意外な印象のものが多かったんですが、今回は特に意外でした。でも、厳しい寒さを感じる季節だからこそ、こういうお話をとっても嬉しく感じました。
12月から2月ってイベントが多いな~と改めて感じたり。クリスマス、年末年始、節分に受験にバレンタインデー。それらのイベントにまつわる、ほっこり温かい、優しい物語の数々。今回は、死にまつわるお話が殆ど無かったのも特徴でした。
好きだったのは、生真面目な高校生ならではの不器用さが切ない友人関係になってしまう様子を描いた「あっつあつの、ほっくほく」。焼き芋とおじさんの暖かさが沁みる。自分のあの頃を思い出さずにはいられないお話で、ちょっと痛かったりもしました。
あとは展開が見えていたけど、それでも思わずうるうるしてしまった「サンタ・エクスプレス」。そして、意外な、本当に「えぇーっ!?」と叫んでしまいそうになったくらいに意外なラストだった「ネコはコタツで」。このラストに驚かされたけど、にっこり微笑めるお話になったので嬉しかった。それと、なんとなーくですが、「冬の散歩道」も好き。
お父さんの悲哀を描いているのに、ついつい「ぶぶぶ。」と笑っちゃう「ごまめ」「バレンタイン・デビュー」も良かったなぁ。こういうお父さんは好きです~。
なんだか、12編どれもが好きだったような(笑)この冬バージョンで季節が一巡り。”春”も好きでしたが、4作品の中ではこの”冬”が一番好きかも。
**ツバメ記念日 季節風*春
**僕たちのミシシッピ・リバー 季節風*夏
**少しだけ欠けた月 季節風*秋
2009年01月24日
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サンタ・エクスプレス 季節風*冬 重松清
Excerpt: サンタ・エクスプレス―季節風 冬 「あっつあつの、ほっくほく」仕事で女性初の管理職となった。しかし、古い考えを持つ同僚や上司に苦労する日々。私は、高校のときによくよった「カオルのおじさん」の石焼いもを..
Weblog: 苗坊の徒然日記
Tracked: 2009-04-05 12:51
表題作、良かったですね~。
お母さん、やりますね。
「ごまめ」「バレンタイン・デビュー」のお父さんはおばかでしたね~。
まあ、家族を愛しているからこそなんだと思いますけども。
表題作にはうるうるっとさせられちゃいましたね~。
オタオタするお父さんもなんだかとっても可愛かったですね。そうそう。家族への「愛」故のオタオタなので、とっても微笑ましくおもえたんでしょうね。