重松作品って情に訴えてきてボロボロと泣いてしまうのが多いので、読めない時はちょっと読めないんですよね。読みながら気力を使い果すことも多いし。でも、時々むっしょーに読みたくなる。ということで、なんとなしに重松作品が読みたくなって、図書館の本棚を眺めていたらこのタイトルが目に付いた。この作品は最近、永作さんと南原さんで映画化されましたね。TVでチラッと映った「ドレッサーを前にして泣きじゃくる永作さん」が印象に残ってて、つい手に取ってしまった。
長編だと思ってたら短編で、短編かぁ~意外だなぁ~と思ったら、なーんと連作短編集だったという(笑)最初の4編では短編だと思ってたら、最後の3編「その日の前に」「その日」「その日のあとで」で、ほぼ全てが繋がっていた。この構成からして2編目の「朝日のあたる家」も繋がりがあるんだと思うんだけど、私には分からなかったんですよねぇ。どうだったんでしょう?
どの作品も「死」と向かい合い、受け入れ、自分なりに「死」を消化していく人々を描いている。読みながら、自分だったらどうするだろう、どう受け入れるだろう、と考えずにはいられなかった。残していく夫も子供もいないし、老いた母親はいるけれど、幸いにして妹がいるし。何かやりかけていることもないから、夢の途中って訳でもない。・・・あれ、もしかして心残りはないかもなぁ~なんて思っちゃった。きっと、ここに登場する人々よりも、「しょうがないか。」と自分の死を淡々と受け入れるんじゃないのかな、と思う。それってどうよ?って気もしないでもないけど。・・・うーん。もっと一生懸命、生きなきゃ!と、今の自分に喝をいれたくなったり(笑)
同じ主人公で描かれる「その日の前に」「その日」「その日のあとで」は、もちろん一番、ぐっときたお話でした。読みながら、どうしても永作さんの表情が浮かんで困ったけど。・・・映画、観ようかなぁ。でも、号泣しそうだしなぁ・・・。やっぱ一人の部屋でDVDで観よう、と余計なことまで考えたり(笑)この3編以外では「ヒア・カムズ・ザ・サン」かな、やっぱり。母一人子一人ではなかったけれど、母子家庭の長女として育ったからね。トシくん、がんばれっ!しゃっきっとせんかいっ!と、ついつい発破をかけたくなりました(笑)その後、しっかり頑張っているトシくんの姿を垣間見れて、ほっとした。お母さんも安心できたでしょう。
覚悟していたほどボロボロと泣くことはなかったけれど、心に沁みる作品でした。
2008年11月06日
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『その日のまえに』/重松清 △
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Weblog: 蒼のほとりで書に溺れ。
Tracked: 2008-11-07 22:22
その日のまえに〔重松清〕
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その日のまえに 重松清
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Tracked: 2008-11-24 00:18
号泣ではないけど、ボタボタ泣いてしまいました。自分の未練の深さが、苦しくて。
もし「その日」を知ってしまったら、多分私は泣き喚いて、何の準備もできないような気がします。
たぶん、多くの人が「その日」を受け入れるのに時間が必要なんだと思います。自分が「しょうがないか。」と淡々と受け入れそうだと思ったのには、自分自身でもちょっと意外でした。
そうなんです。私も同じ立場なのでちょっときました。トシくんに発破をかけながら、そうなった時の自分に発破をかけてるようでした。
切ないですよね。
辛い、でもあったかい素敵な作品でした。
重松さんの作品はとてもリアルだから、どうしても自分に置き換えて考えてしまいます。
でも、考え付かないですね。
もしも自分が…と思っても、この作品のお母さんのように気丈には振舞えないと思います。
映画、公開されますよね。
気にはなっているのですが・・・。
観るかどうかは考え中です。
切ないお話でした。でも、死がテーマの割にはあったかいお話でもありましたね。
もしも自分だったら・・・と考えずにはいられませんでしたね。私も気丈には振舞えないと思います・・・。
映画は私もどうしようかな、と。でも、たぶん観ないような気もします。ちょっと気力がもたなさそうです^^;