職場の貸本ルートから回ってきました。自分では買わないなぁ・・・きっと。でも、坂木さん、大崎さんという好きな作家さんが入ってたので嬉しかった。
なーんと!「現実逃避の旅」(爆)のお供に連れて行ったのに1行も読まなかったんですよねぇ(笑)いや~、3日間の旅で文庫本を1ページも開かなかったのは初めてじゃなかろうか。さすがに、新聞は朝刊・夕刊共に目を通したけど。ここまで活字に触れなかったってのには、自分でもビックリ。ということで、4日、5日くらいかけて読みました(笑)それがよかったのか、短編集だというのに最後まで面白く読めた。既読作家さんは、坂木さん、大崎さんだけだったんだけど、それ以外の作家さんのお話も良かったです。他の作品を読んでみたくなりました。一番好きだったのは、やっぱり大崎さん。そして、坂木さんのも良かった。ちょっと変り種で笹生陽子さんのも面白かったなぁ。
・長い片想い(坂木司)
SFなのかな。さすが坂木さん!と言いたくなる短編でした。幽霊の女の子に頼まれて、バレンタインのケーキ作りをすることになった少年のお話。
この少年が良いですね~。お菓子作りなんてしたこともないのに、いくら幽霊とは言え、頼まれたからってケーキを作ってあげたりするんだもん。いい子だな~と感心しながら読みました。・・・すっかり、おばちゃん目線だわ;;;最後はほっこり出来つつ、ちょっと切ない。
・プリウスの双子(前川麻子)
うるう年生まれの男子小学生。生まれてすぐに亡くなった双子の弟がいることを知ったときから、何事も”二つ”に拘るようになった。
曜子ちゃんの「大事なものは一つなの。一つしかないから大事なの。」がいいですね。本当にその通りです。
・北風のマント(大崎梢)
坂木さんに続いて、さすが大崎さん!と唸った作品。”片想い”を描きつつ、しっかりミステリです。「イソップ物語」ですって!おまけに、「ライラの冒険」「守り人シリーズ」ときて「科挙の試験にのぞむ貧しい村の希望の星」とか出てきたら、テンションが上がらない訳がありません。ニマニマとちーと怪しい人になりながらの読書になりました。あいかわらず本好きの心をくすぐるのが上手いです~。
・キッキに(安藤由希)
最初はそうでもないのに、読みながらだんだんとハマっていく感じでした。ファンタジー系かなと思ってたら、うわっドロドロ系!?みたいな。意外な展開に目が離せなかった。
・さつきさん(草野たき)
これも、そうくるのか!という展開に唸らされた。人間って、見た目だけじゃ分からないし、全てを見せている訳でもないってとこかな。最初はそうでもなかったんだけど、最後は「なかなか面白かったなぁ」と読み終わりました。
・おまえたちが信じてる世界のライフはゼロだから(笹生陽子)
なんつーかですね、”妄想男子大暴走”って感じ。森見登美彦さんが描く”男子”やら”妄想”やらを連想しましたねぇ(笑)この短編集の中では、タイトルからして毛色が違ってるのがアリアリですねぇ。でも、面白かった。こういう”片想い”もアリですね。ぶぶぶぶっと笑いながらの読書になりました。
ラベル:著者(アンソロジー) 読書