予想外のラスト。え~そうくるの!?と意外なラストでした。面白かった。面白かったけど、タイトルの”ゲーム”というのは、なんだかシックリこないんだけど。これは”ゲーム”とは呼べないような気もするんだけどなぁ・・・。
瀬戸内海に浮かぶ「鷹の島」の人口は1600人。その島は「全員が平等」であるユートピア。職業は4年交代で抽選で決まり、ルールなど決めなければいけないことは、島民全員の投票によって多数決で決定する。収入も全て等分され、格差は生まれない。そんな島で生まれ育った耕太郎は、勧誘係として移住を希望した本土(島以外の日本)に住む人々を調査し接触する中で、本土で暮らす人々の感情に戸惑い、翻弄される。
競争のない社会ってどうなのか、ということを改めて考えさせられるお話でした。そして、本当の”平等”とは・・・ということも考えさせられる。”平等=みんな一緒”ではないんですよねぇ。そして、自分と他人は違うのが当たり前。それが個性。でも、その”個性”が無視される。私が島で暮らせる権利を手に入れたら・・・。やっぱり「鷹の島」じゃなく、ここで暮らすことを選ぶと思います。たしかに、この社会に不満がない訳ではないけれど・・・。
耕太郎の言動を読みながら、ちょっと自分を省みたりもした。私も、特に学生時代はこんな風だったなぁ・・・と。正直、読みながら痛い顔をしてたと思う。高校時代、先生から「潔癖」と書かれたことがあったんですよねぇ。それは誉め言葉だと思ってたんだけど、今になってみるとそうは思えない(笑)この歳になってやっと、正しいことが正しいとは限らないってことを憶えたからかな・・・。正義感ぶって容赦なく攻め立てて・・・そんな人には誰もついていかないよな、うん。
・・・大人になったなぁ、私(笑)
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はぁ~これでやっと「感想」が「読了」に追いついた(喜)プレッシャーから解放だよー♪今度から、感想を溜めないようにしよう!絶対に!・・・ま、出来るだけ、ね(笑)さぁ、他のブログ様を回るぞー。
2008年11月11日
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「ゲーム」ってタイトルはしっくりこないですよね;;;
脇役キャラは魅力的でしたね!
桂作品を読むのはこれが2作目なんですが、”らしい”作品なんですねぇ~。べるさんのコメントを読んで、他の作品も読んでみよう!と思いました(^^ゞ
今、私たちがいる場所って意外に悪くない??なんて思える内容で、ちょっと考えちゃいました。でも、やっぱり今の社会には不満も強いんですけどね(^_^;)
耕太郎が目指す第二の「鷹の島」ってどんな風になるんでしょうね~?
意外な展開でしたよね。あれ?そっち?と思わず呟いちゃいました(笑)
そうそう。今の社会もそれなりに・・・と見直し(?)ました。もちろん、不満は山ほどありますけどね^^;
第二の「鷹の島」も気になりますよね。続編とか書いてくれないかしら・・・。