季節風シリーズ第3弾。秋の9月~11月を描いた短編集。
前2作に比べてインパクトがちょっと弱いかな。秋らしく”しんみり”しちゃうようなお話が多かったけど、胸がぎゅぅぅぅっとなって思わず涙が溢れる・・・っていうお話はなかった。”泣く”を前提にして読んでたので、なんだか拍子抜けしちゃったというかなんというか(笑)
好きだったのは、「オニババと三人の盗賊」「サンマの煙」「ウイニングボール」「秘密基地に午後七時」かな。あとはそうですね、台風のお話の「風速四十米」も好きかな。お話自体はちょっと重い内容だったんだけど、台風がテーマだったので。南九州に住んでる私にとって、台風はお盆~9月の風物詩なんですよね。小学校の運動会では、「台風○○号」ってタイトルの競技があったです。今年は台風らしい台風は来なかったけれど、私が子供の頃って、ちょうど運動会の頃に台風がやってくることが多かったんですよね。なので、運動会前にやってきた台風から名づけた団技名。その年によって、台風13号だったり12号だったり14号だったり・・・(笑)
今回は”親の老い”について、そして、自分の年齢についても考えさせられるお話が多かったかな。私もよいお年頃(笑)だし、母子家庭で育ったし、母もよいお年頃なので、余計に印象深かったんでしょうけどね。”老いる”ということはこういうことなんだというのを、日々、目の前で見せられて、それを受け入れ、少しずつ覚悟をさせられているような今日この頃。親の老いを感じ、自分もそれ相応の歳を重ねているんだと気付かされている日々。将来への不安とか、責任とか、いろーんなもろもろ。それらを”見ない振り”することが、だんだん出来なくなってきているんですよね。やっぱりそろそろ、きちんと向き合って考えなきゃいけないよなーと、そんなことを改めて感じさせられた1冊でした。
**ツバメ記念日 季節風*春
**僕たちのミシシッピ・リバー 季節風*夏
**サンタ・エクスプレス 季節風*冬
2008年10月21日
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Weblog: 苗坊の徒然日記
Tracked: 2009-02-21 17:50
素敵な作品でした~^^
私も「オニババと3人の盗賊」が好きでした。
素直じゃないおばあちゃんが可愛らしかったです。
このシリーズ、どの作品も良いですよね~。
苗坊さんも「オニババ~」が好きだったんですね♪素直になれないおばあちゃんが可愛らしく、その気持ちが心に沁みましたね。