「君たちに明日はない」に続くシリーズ2作目。
前作よりも面白かった!!
5つの短編からなり、リストラ請負会社で働く真介が、デパート、保険会社、消費者金融会社、ホテルなどのリストラ対象社員の面接を繰り返す。真介の心情と、リストラ対象者の心情のどちらも描かれ、内容的にも前作とそう変わらない感じ。でも、断然、前作よりも面白かった。
特に面白かったのは「二億の女」かな。年間2億円を売り上げるデパート外商部の営業ウーマン。リストラ対象者として面接するものの、彼女はリストラさせないようにとの指示をもらっている真介。ところが、その彼女が辞めると言い出して・・・。冷静沈着が売りの真介なのに、内心の慌てっぷりがね~面白かった。おまけに、直接的に「会社はあなたを辞めさせるつもりはない」って言えない辛さ。言えたらもっと楽だったろうに。ってか、そういう人も、やっぱり建前だけでも面接ってしなきゃいけないんでしょうか。
そして、ついホロリと泣けたのは表題作の「借金取りの王子」。この女上司がかっこいい!もう、同性の私でも惚れちゃいそうだ(笑)こんなカッコイイ女になりたいとは思うけど、でもシンドイだろうなぁ・・・と思うと躊躇しちゃいます。
どのお話にも、前作で登場した陽子が登場して、二人の仲がどんどん深まっていってるような様子も窺える。そして、最後の章「人にやさしく」はリストラ話ではなく二人がメインのお話だった。真介は結婚を考えているのに、陽子はやっぱり8歳の年の差が気になる。そんな時、真介が勤める会社の社長と会って心が揺れ始める陽子。ち、ちょっ、社長っ!陽子の前に現れるんじゃないっ!どっか行っちゃえっ!こらーっ、真介がんばらなきゃ!と、ついつい真介に肩入れしちゃいました(笑)
この作品は続編が書かれているよう。又、真介&陽子に会うのが楽しみです~♪
2008年09月15日
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【垣根涼介】借金取りの王子
Excerpt: 『君たちに明日はない』の続編である。笑いあり涙ありの連作五話。必殺リストラ請負人・村上真介は今日も行く! 新潮社 2007/9/20 発行 今回真介ら「日本ヒューマンリアクト(株)」の面々が乗り..
Weblog: higeruの大活字読書録
Tracked: 2008-09-15 19:46
あら、そうなんですかぁ~。近いうちに読めるかなぁ、って楽しみにしてたんですけど・・・。残念!気長に待ちたいと思います。