面白くない・・・ことはないんだけどねぇ。でもねぇ・・・という、なんともびみょーな感じです。
専業主夫の主人公のところに舞い込んでくる謎を、13歳の娘と会話しながら解いていくという日常ミステリの連作集。3つの中編(かな?)と間に挟まれる2つの短編。
この主人公の知識量がスゴイ。旅行会社勤務時代に培った知識を駆使して、謎を解いていく様はホレボレしちゃう。しちゃうんだけど、あまりにも深い知識過ぎてウンチクが長すぎ!なんて、不謹慎なことも思っちゃったり。読んでいると、最初はほぅほぅ、なるほどー!と感嘆するものの、だんだんと読むのが億劫になってくる。謎解きには必要な知識で説明だとは思うものの、それに冗長さを感じてしまって・・・。もっと分かりやすく、もっと手短に!と、つい突っ込みを入れたくもなりました。時々、主人公の”上から目線”みたいなものも感じてしまって、親しみがもてなかったりもしちゃいました。まぁ、それは私の狭量さゆえなのでしょうけどね。
だからなのか、間に挟まれる短編の方が好きでした。くどくどしたところが無く、手短にスッキリという印象で、とんとんとテンポ良く読めたような気がします。特に、最初の「銀座のビスマルク」が良かったです。新社長の想いにホロリとさせられたりもしました。
なんだか辛口気味になっちゃいましたが、主人公のある意味マニアックな知識量を駆使しての謎解き、微妙な年頃の娘と父親との交流など、魅力を感じる部分も多かったんですよ。特に博識ぶりは半端じゃなく凄いので、それは本当に感嘆しきりでした。だって、ビスクドールにブルマに万年筆に花言葉などなど、普通ならどれか一つに絞るでしょう!と言いたくなる分野ばかりなのに、どれについても造詣が深い。まさに広ーく深ぁーーーーくですよ。こんな人、本当にいるの!?というリアリティの無さを感じなかったといえば嘘になるけど。・・・って、また辛口になっちゃった;;;辛口ついでにもうひとつ(笑)奥様の登場が最後にちょっとだけってのが残念だったなぁ、とも思ったり。欲を言えば、どの章にもそれなりの重さで登場して欲しかったな、なんてことを思いました。
2008年07月16日
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確かに、もうちょっと早く登場させても良かったですよね。
もう!心配させないでよ~~ッ。と思っちゃいましたもん(笑)
TB&コメントまでありがとうございます。こちらからもコメントを付けたかったんですが、ログインしないとできないみたいで^^;すみません;;;
最初は「なるほど~♪」と思いながら読んでた薀蓄も長くなるとちょっとねぇ;;;でした。
「天才たちの値段」は今度、読んでみようと思っています♪
>エビノートさん
奥さんがなかなか登場しなかったので、私もあれこれ余計な心配をしちゃいました^^;
もう少し早く登場させて欲しかったですね~!
デビュー作の評価が高いらしいので、わたしもなんとかがんばって読んでみようと思っています。
クドイ;;;って思ってしまいましたよね・・・。お仲間がいらっしゃって、ちょっとほっとしました^^;
デビュー作では違った感想が持てるといいなぁ~と思ってます。不安と期待が半々です(笑)