雑誌の編集者として働く朝美と、急死した伯母・冬子の高校時代を交互に描いた物語。80年代を高校生として過ごした伯母の、高校から大学のいわゆる”青春時代”の物語が良かった。モドカシイ恋に、彼女の心情に、ついつい自分のあの頃を重ねてしまい、ちょっと恥ずかしく、ちょっと懐かしく、そして、ちょっとほろ苦い。ぎゅーっと心を掴まれるような、切ない想いが心にいっぱいに溢れるような、そんな気持ちを味わいました。時たま、涙腺を緩ませるくらいに・・・。
冬子の恋。朝美の仕事とちょびっと恋。二人それぞれの物語・・・と思いきや、その二つのお話がラストになって交錯する。途中で、「あれ?これって・・・」とうっすらとは気付くものの、私の予測とはちょっと違ったラストでした。そして、途中までは緩やかに穏やかに進む純愛小説に浸っていたんですが、最後はなんだかバタバタとお話が進んでしまって・・・。後半になって、それまでの雰囲気が無くなってしまったのはちょっと残念だなーと感じてしまいました。おまけに、上手くいきすぎというか出来すぎたお話という印象も・・・まぁ、無きにしも非ず。そして、それが真相なんだろうけど、「事実です」ではなく「想像では・・・」という描き方にちょっと違和感といいますか、なんといいますか・・・。曖昧にぼかされた感じで終わるのも有りだとは思うんだけど、どうもシックリこないような、そんな気分。でも、その一方で、このラストで良かったんだよ、という気持ちもあるんですよね。矛盾してると思いますが・・・。
え~と、ちょっと辛口気味になったような気もしないではないんですが。決して、ツマラナカッタとかガックリ;;;という訳ではありません。読後感は良かったのです。だからこその愚痴だと思ってもらえると・・・。読了後、80年代風の表紙を眺めながら、はぁ~素敵な純愛小説を読んだなーと、しばし冬子の青春時代に浸りました。
朝美のお仕事部分も面白かったですが、最後のあの部分は本音を言えば、ちゃんと確かめるとこまで書いて欲しかったですね~
未来に繋がるような終わり方だったのは満足なんですけど。
私も冬子さんのような一生ものの恋は出来なかったんですが^^;、自分の”あの頃”を懐かしく思い返しながらの読書になりました。
ラストは「あれ?ここで終わるの?」って思っちゃいますよね;;;ちょっと残念でした。
でも、読後感が良かったのは、エビノートさんのおっしゃるように未来に繋がる終わり方だったからなんでしょうね~。