この著者は現役医師で、彼が発表する作品は、どれもが現代の医療現場で起こっている問題を扱っているようです。広く問題提起する為に「小説」という形を取っていると、先日、出演されていたTV番組でもおっしゃっていました。この作品は、今まで発表された作品の中でもっとも正面から問題提起をしているように感じました。私が女性だからかもしれませんが、一番、ガツンと胸に響いた作品でもありました。
この1冊の本の中で、様々な問題提起をしながら、それを見事に書き尽くしているのでは、と思いました。どれもが現代が抱える問題で、それぞれ別物でありながら、本当は密接に繋がっているのだなと、初めて気付いたような気がします。現在、これらの問題は同じテーブルで語られていないように感じるんですが、どうなんでしょう。
5人の妊婦が描かれ、それぞれが、不妊治療の末の妊娠、望んでいなかった妊娠、そして、途中で明らかになる障害児妊娠など、どれ一つとして同じ妊娠はない。同じはずがない。それが当たり前なんだと突きつけられたような気がします。そして、繰り返し訴えるのは「安全な出産なんてないんだ」ということ。どの出産も、それはそれは危険で、命を落とすことも不思議ではないのだ、と。不妊治療に対する問題提起と共に、その思いがヒシヒシと伝わってくる作品でもありました。
この作品で語られる刑事事件は実際に起こった事件をモチーフに描かれているようです。(Wikipedia)
「子供を産みたい」と願う切実な思いが胸に痛い。子供が産めないのなら、自分の遺伝子を持つ子供を誕生させたいと思う気持ちが芽生えることも当然ではないかと思う。それが可能なんだから。タレント夫婦が選択したことで大きな社会問題となった代理母。現在の司法では「実子」としては認められない。本人たちが望めば「実子」でいいんじゃないのかな、と思うんだけどなぁ・・・。そんな簡単な問題ではないのかなぁ・・・。
この作品の主人公は曾根崎理恵。「医学のたまご」の薫くんと同じ苗字。だから、最初の所でピンとくる。”たまご”って、そういう意味もあったのか!海堂作品はどれもこれもが繋がってるんだよねぇ。作品が増えた分、人物がかなり入り組んできたんだよね。・・・だれか、人物相関図を作ってください(笑)
これまでの作品の中で一番だったんじゃないでしょうか?
5人それぞれの対応で見えてくる、制度と医療の問題。すごくひきつけられました。
>だれか、人物相関図…
ついでに、タイムスケジュールも(笑
私も今までの作品の中で一番、好きでした。
5人の妊婦さんが、それぞれ現在の医療制度の問題を抱えているような描かれ方でしたね。
あ~そうそう!タイムスケジュールも欲しいですね(笑)
実際に起こった事件をモチーフに描かれた作品だったんですね。そんなことも知らなかった、無関心でいた自分をちょっと反省。
他人事じゃない問題提起をしていたこの作品、いろいろと考えさせられることが多かったです。
人物相関図、タイムスケジュール、確かに欲しいですよね~。誰が誰だかそろそろ自信がなくなってきちゃいました(^_^;)
女性としては切っても切れない問題で、いろいろと考えさせられる作品でしたね。
どの作品も何かしらリンクしていて、時間や人間関係が複雑になってきましたよねぇ;;;誰か分かりやすく作ってくれないかなぁ・・・と、他力本願なことを思っています(笑)
負けない相関図をっ!!
誰か作ってくださーい、ですね(笑)
うぎゃ~、またやっちゃった。『医学のたまご』今日読み始めました・・・そしてすぐに気がつきました(泣)。
私も、人物や時間の相関図、欲しいです。
なんだか固有名詞が出てくるたびに「どっかに出てたか?」と貧弱な記憶を手繰っては、混沌を彷徨うはめになってるんです~!
大丈夫です~。この作品と「医学のたまご」では内容的に特に重要な関連は無かったので。・・・たぶんですけど^^;
相関図、本当に欲しいですよねぇ。私も関係ない人まで「もしや、この人も?」とか疑ってしまって、読むのに支障が・・・(^^ゞ