リストラされた主人公が死期の迫った故郷の父親を見舞った帰り道。家に待っているのは引篭もりの息子と離婚を迫る妻。「死んでもいい」フト思った瞬間、静かに現われたオデッセイ。運転するのは5年前に交通事故で亡くなった男性。そして、助手席には彼と一緒に命を落とした小学2年生の息子が乗っていた。二人の幽霊との不思議なドライブが始まる・・・。
彼にとって大事な場所(日)に連れて行ってくれるワゴン車。この時が分かれ道だったのか!特に特筆すべきことの無かったはずのあの日が、そして、あの言葉が、本当はとても大切なものだったのか!突きつけられる真実に愕然とし、なんとかしようともがく主人公。でも、過去は変えられない。変わらない。
涙がじわじわと思い出したように滲む。切なかったです。彼の気持ちが、チュウさんの気持ちが痛かった。親になった時、初めて解る親の気持ち。子供を見守りながら、自分の子供時代を思い返し親を想う。・・・私は経験できないかもしれないな、と思いつつ読みました。なんだか、ちょっと寂しいなぁと思っちゃった。そんな風に思ったのは初めてかも。
大切な分岐点って、「あの時!」と思えるほど大きな出来事ではないのかもしれませんね。ほんの些細なこと。だから、何気なく過ごして、そこが大切な瞬間なんだって気付けないのかもしれないですね。だからこそ、過去を悔やむのではなく、現実に目を背けず、正面から向き合うことが大切なんだろうなぁ、と思いました。
またまた失礼致します。
重松さんの作品は、読むときに気合を入れないと読めないです。
あまりにもリアルで、切なくて。でも、それがいいんですよね。
この作品も、人生の分岐点に立っていて、多少は変わったのかもしれないけど、思いっきりハッピーエンドになっていないのがいいのかなとも思います。
最後、ちょっと前向きだったのに救われました。
いつもありがとうございます!とっても嬉しいです♪
重松作品って、そうですよね。読むのに気力が必要というか・・・。リアル過ぎて胸に迫るものがありますが、ついつい手に取ってしまいます。
ラストががらりと変化してるんじゃなくって、これから変えていくんだよ、未来は変えられるんだよと、そんなメッセージを貰ったような気がします。ちょっと嬉しいラストでしたね。