2008年03月16日

東京・自然農園物語(山田健)

タイトル通り、東京で農業をする話です(笑)

安アパートに住む4人の住人が、亡くなった大家さんの遺言で東京都心にある4000坪の農地を相続することになったところから始まる物語。相続の条件は、大家さんと同じような有機農業を5年間やること。コピーライター、ヤクザ、ホステス、学生という農業のど素人が、果たして5年間も農業が出来るのか・・・。

「さわやかな農業ファンタジー」と謳われてますが、”さやわか”かどうかは置いといて、ファンタジーってのは・・・。これってファンタジーなのかしら(笑)宝探しのように、ちょっとずつご褒美が出てはくるけど、そこまで現実離れした突拍子も無い展開にはならなかったような気がするけどなぁ。

まずは自分達の糞尿から下肥を作るところから始まったど素人農業。あ~でもないこ~でもないと多少の戸惑いはあるものの、そんな大きな失敗はしない。そこそこ、なんとか形になっていくところがイマイチ現実味に欠けるところではありました。農業なんて、自然相手だし、そんな簡単なもんじゃないよなぁ・・・と思っちゃった。でも、それも”ファンタジー”だと思えば・・・そうか!その為の”ファンタジー”なのか!(笑)

畑での野菜作りは、なかなか思うようにいかないものの、雑木林や果樹園などなど、大家さんからの大きな宝が残されていたことに気付いた4人。そこから収穫されたものを無人販売で売るようになり、だんだんと地域住民の方々との交流を深めていく。

最初はそれぞれが、色んな思惑で始めた農業。でも、だんだんと農業の楽しさを知っていく4人。なんだか、読みながらこっちまで楽しくなっていました~。人はこうやって、ずっと昔から自然と付き合ってきたんだよなぁ・・・というようなことも改めて気付かされた、なんてことを言うとあまりにも優等生的お言葉になっちゃうけどね(笑)

”農業”がメインであって、それぞれの日常は描かれてなかったりするので、登場人物のキャラがぼんやりとしか見えないのは、ちょっと物足りない感じではあります。が、読みながら、自分も就農体験をしているようで、それなりに楽しく読めました。面白かった。


東京・自然農園物語
posted by すずな at 11:08| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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東京・自然農園物語  山田健
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