2006年の東京で暮らす幼馴染で同僚の安斎と三都。ある日、目が覚めると心だけが1968年の小学校5年生のタイムスリップしていた。そして、一晩寝ると元の2006年の世界に。また一晩寝ると1968年に・・・。一晩ごとに、現在と過去を行き来する二人。不思議な体験に戸惑いながらも、3億円強奪事件が原因で一家心中してしまった同級生の里美ちゃんを救うこと、そして3億円を奪うことを決意する。
過去で、大人の心を持ったイッチ(三都)が交わすおじいさんとの会話がね。うるうるっとさせられました。年の功というのか、このおじいさんがすっごくいい味だしてまして。孫を見守る温かい眼差しといっぱいの愛情が伝わってくるエピソード。本当に素敵なおじいさんだな~と思いました。そして、お姉さんの潤子さんも、これまた素敵な人でした。弟への愛情、信頼が伝わってきて泣かされちゃいました。
二人が過去を行き来するようになると、二人が意識して無くても影響が出て過去を変えてしまう。些細な変化なんだけど、現代に帰るとやっぱりどこかしらに変化というか歪が起こってしまっていて。里美ちゃんが死んだ過去を変えて良いのか、それが現代にどういう影響を与えてしまうのか、思い悩む二人。それでも、やらなければならないと決意する。イッチは里美ちゃんを救いたいと願い、タケちゃんは里美ちゃんを救いたいのはもちろんのこと、3億円がどうしても必要だったのだ。
もうね、途中から、これってどういう結末になるんだろう?どんな風に、里美ちゃんを救うんだろう、3億円を奪うんだろう、現在はどう変わってしまうんだろう、ってドキドキしっぱなしでた。わくわく♪のドキドキじゃなくって、はらはらのドキドキの方が近いかな。読みながら、自分の心臓がばくばく音を立てていくのが分かるくらい緊張しちゃったよー(笑)
いよいよクライマックスっ!!
・・・あ、あれぇ;;;なんか、えらい簡単に・・・というか、呆気ない幕切れに気が抜けた(笑)だって、気付いたら3億円強奪事件が終わってたんだもん。あまりの軽さに気が抜けた。と、腑抜け状態で読んだ衝撃のラスト。あまりの切なさと、友を想う深い愛情に、グッと熱いものが突き上げてきました。
過去はイッチ(三都)が、現代はタケちゃん(安斎)が語る構成でして。最初の方は、どっちがどっちかコンガラガッテしまって、慣れるまでとっても苦労したんだよね。どうして、二人が交互に、それも過去と現代をそれぞれが担当するのか・・・。何か意味があるのかな?と思っていたら、これだったのかっ!という感じでして。それが分かった時は、もう涙腺がね。ぶわーっときて止められなかった。泣けた。
そして、読み終わった後、また最初の章を読まずにはいられませんでした。
あー。早く読みたいなあ。本を読む時間が欲しいなあ……。
あら、そうだったんだ!是非、お読みくだされ。
私は「3億円事件」に惹かれて手に取ってしまいました(笑)
ごめーん!ちょっと雲隠れしてた(笑)
・・・や、実はここ数日ここの管理画面が重くって;;;
読み始めるまでは例の曲が頭の中をグルグル~♪回転しておりました(笑)