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な、長い;;;
後半に入ってから、思わずそんな言葉が口からこぼれそうでした。ちょっと引っ張りすぎ!いい加減、寄り道せずに核心に向かってくれぇーっという気持ちが読み進む程に強くなっていきました。読み始める前から、そこそこの厚さに、1ページの文字数もそこそこ多かったんでね、長いお話だとは分かっていたんだけども。ほんの最初の所で、読んでる方には原因が分かっていたので、余計にそう感じてしまったんでしょうねぇ。
人口3000人の町で、インフルエンザに似た病気が蔓延した。罹患者は増え続け、最悪の場合、死に至る。今までの対処法では効果がなく、成す術もない医師たち。そこに疫学の専門家チームがやってきて、原因解明に奔走し始める。新たなウィルスなのか、発生源は、感染経路は・・・。
読みながら、映画「アウトブレイク」を思い起こしました。ひとつのキッカケから、新たな病気が蔓延し、治療に翻弄される医師にパニックに陥る市民。疫学の専門家が原因究明に向けて翻弄される姿に、原因を知っている読み手としては、ついつい「ち、違うっ。そっちじゃなくて、それよ、それっ!」と、叫びたくなってしまったり。なかなか核心へ辿りつけない姿に、ギリギリと歯軋りしたくなるような焦燥感を味わいました。
疫学の専門家にその家族。保健所の職員、地元の医師、報道記者、謎の建物に住む子供に、動物愛護センターの職員達。登場人物が多すぎですよー。私には憶えきれん(笑)読みながら、どの団体の人だっけ?と、なかなか名前と一致しなくって困りました。様々な人が次々と語られ、目まぐるしく転換する場面々・・・。読みながら、どこに重点を置いて良いのか分からなくて困りました。
あら、なんだか辛口になっちゃたねぇ。でも、面白かったんだよー。だからこそ、気になるところが強く印象に残っちゃったのかな、と思うんだけど。
このお話って、もの凄くリアリティがあって、ってか、ありすぎなんですよね。実際に、SARSや鳥インフルエンザから人への感染など、未知のウィルスへの恐怖にさらされている現在。読みながら、お話の中の出来事ではなくて、現実の出来事して捉えざるを得ないようなところがありました。そういうところが、凄く怖かったですね。いつか、そう遠くない将来、このお話のような事態に自分が直面するかもしれない。そういう気持ちは、どう楽観的に考えようとしても拭い去れるものではないし。もしかすると、今吸っている空気の中に、人間にとって有害な未知のウィルスが紛れ込んでるかもしれないんだよね。血がどっひゃーと流されるホラー映画よりも、もっともっと大きな恐怖を感じさせられました。そして、人間も自然界の仕組みの中の一つの固体である、そこから外れることは決してないんだ、ということを改めて感じさせられたお話でもありました。
そういえば、あのブルーはどうなったのでしょうね。ラストで語られることはなかったんだけど。彼がその後どうなったのか、気になるなぁ・・・。
そういえば、ブルーはどうなったんでしょうね?すっかり失念してました。
いや~最初に疑ったのが当たりだったってだけです。でも、途中で「あれ?勘違い?」って思わされたところもあったんですよ、実は^^;
ブルーって、本筋とは関係ないといえば関係ないんでしょうけど、どうなったのか、すっごく気になるんですよねぇ・・・。