そんな言葉を心中で発しながら読みました。という私は、新作が出るたびに、はまりまくって読んでいる、デビュー作からのファンだったりします。
玉岡さんって、こういう「女性の一代記」みたいなのがとってもお上手。この作品は、明治から大正を駆け抜けた兵庫の「鈴木商店」女主人鈴木よねを描いた物語です。
「鈴木商店」って、実はフィクションだと思って読んでたんですが、実在のお店なんですねぇ。それも、三井・三菱を凌いだすんごい総合商社だったようで。ネットでちょっと検索したら、元関連会社として名前があがってるのは誰でも知ってるような大会社ばっかりでびっくりしました。・・・無知ですみません;;;
まだ、上巻だけしか読んでないので、何とも言えないというか、今後どうなるの?って興味の方が大きくて、感想なんてあまり書けないような気もするんだけども。大企業に発展するだけあって、登場人物もどんどん多くなってきてますが、よね視点とはいえ、それぞれがキチンと
描かれています。なので、誰がどの人だっけ?と混乱することはなかったですね。
現代と違って、女性が”主人”としてやっていくのは並大抵の覚悟や度胸では出来なかったでしょうね。それをやってのけたよねは凄い。でも、そのよねの凄さだけじゃなくって、弱さ、脆さみたいなものも併せて描いてあって、「うわ、ちょっと凄すぎ」という敬遠したくなるような印象はそんなに持たない。もちろん、あの時代に女主人として会社を支えたんだから、それなりの芯の強さみたいなものは感じるけれど、普通の女性らしい女性という印象ですね。従業員の”母”という立場で会社を支えたという感じかな。
上巻では、倒産の危機に直面するものの、なんとか乗り切って今から大きく飛躍していくぞという感じかな。下巻で、どんな風に大きくなっていくのか、そして没落していくのか・・・が描かれるんでしょうね、きっと。
よねがどう生きていくのか、続きを早く読みたい。