この作品、某国営放送でドラマ化してもらいたいですねぇ。それも、日曜8時枠で。1年間、じぃーーっくりとこの世界を堪能したいものです。女の一代記でもあるし、歴史的観点からも面白いと思うんだけどなぁ。
上巻以上に、読み応えがありました。ますます大きくなる「鈴木商店」。その頂点に立つお家さんと呼ばれる、よね。よねを中心に、常に国の為、人の為に何が出来るかを考えながら突き進む家族や従業員達。歴史小説としても面白く、それ以上に様々な人が交錯する人間ドラマとして、夢中になって読みました。よねと一緒になって、笑い、悩み、戸惑い、泣きました。
お家さんだけではなく、よねの側に仕えた珠喜、鈴木商店を大きくしていった金子や田川に、若くして頭角を現す拓海と、よねを取り巻く多くの人々も、またこの物語に華を添えています。それぞれのドラマが面白く、一体この後、どうなるんだろう?とワクワクドキドキしながら読みました。特に珠喜と拓海のドラマには涙しました。そんなぁ・・・、あ~良かった、・・・えぇっ!?と、何か起こるたびに一喜一憂させられたのでした。よねと同じくらい、珠喜も数奇な運命を辿った女性だと言えるでしょうね。
後半の米騒動から鈴木商店焼き討ちまでの流れは、薄ら寒いものを感じずにはいられなかったですね。メディアの力って怖い、ということを改めて感じた出来事でした。メディアに関わる人々は、「影響力が尋常ではない」ということをシッカリと頭に刻んで、真実の報道を、どちらかに偏ることの無い報道を心がけて欲しいと、心から願わずにはいられませんでした。そして、報道に踊らされることなく、自分で物事をキチンと見極める力も必要なんだということも痛感させられました。
鈴木商店の焼き討ちについては、他の方も作品を書かれているようなので、そちらも読んでみたいです。・・・いつかね(笑)