読み終わって、うーーん。となりました。なんか、「もうひとつ、こう・・・」という気分です。なんというか、もうひとつ盛り上がりに欠けたかなぁ・・・という気分。
25歳フリーターの風実(ふみ)が主人公。ボクサーの卵の恋人とも、いまひとつ盛り上がらない。このままフリーターを続けていていいのか、と不安を感じ始めた頃、18歳の弟が転がり込んできて「お母さんにゲイだとカミングアウトした」なんて爆弾発言をされてしまう。愚痴を聞いてもらっていた38歳の小池さんは、部長に昇進した途端、なんだかギクシャクしちゃって・・・。
30歳が目の端に入るようになった年頃の不安や焦りに、自分のあの頃を思い出しながら、重ね合わせながら読みました。そうだったなー、なんて懐かしく思ってしまうあたり、それなりに歳を重ねてしまった自分を実感したり。30歳は呆気なく訪れたけど、その前の29歳になった時が、「このままでいいんだろうか・・・」とかって、一番いろいろと考えたりしたんだよねぇ・・・なんて。今、こうして穏やかにあの頃を思い返せる自分に、少なからずホッとしていたりもします。
自分のことも大変なのに、転がり込んできた弟の心配もしなきゃいけない。最初は戸惑っていた風実も、弟に紹介されたゲイの店長と接するうちに応援する気持ちが大きくなっていく。恋人との関係、小池さんとの関係、そして母親や家を出た父親、職場の人との関係などなど。様々な人との出会いや別れを通して、成長していく風実。今を一生懸命に生きる姿に、共感と懐かしさを感じました。
生きていくっていうことは、様々な人と別れたり、出会ったりしていくものだ。風実のそんな最後の言葉に、私にも、素敵な人との出会いがあったり、不本意な別れに寂しい思いを味わったりしたなぁ、なんてことを懐かしく、嬉しく、切なく、思いました。
それでも、「いまひとつ・・・」と、そんなことを感じてしまうのは、風実の歳を越えてしまって久しいからなのかしらーん。うーむ。なんだかなー、ですねぇ(笑)
タイトルがこの寒い季節にぴったりでした。
風実の年齢は過ぎちゃいましたけど、これからって思ってます。
風実を通して人との出会いの大切さを感じた作品でした。
お~そうですね。この季節にぴったりのタイトルですね!
風実に負けないように頑張らなきゃ、ですね。