2008年01月06日

東京バンドワゴン(小路幸也)

ぬわーっ、なんてことっ!
一行目を読んだ瞬間、心の中で叫んでしまいました。タイトルから想像していたのと全く違ってるようじゃないですかっ。うっわぁーっ、すんごく私好みの気がする。そんなニオイがプンプンするっ。

最初の思い通り、めちゃくちゃ私好みのお話でした。タイトルからね、勝手に音楽ものだと思っていた。10代の若者達がバンドを組んでわたわたおたおたするような内容かな・・・なんてことを想像してたんだよねぇ。コメディ物。で、なんだかイマイチ読む気が起きなくって。でも、「桜庭一樹読書日記 少年になり、本を買うのだ。」を読んで、やっぱり読んでみようかなという気になった。とはいえ、”ベストセラー”という言葉に図書館から借りてきてもなかなか手が出ず(私的にハズレが多い;;;)、実は返却期限までに読みきらず延長したりもしたりして・・・。
そんなこんなを激しく後悔。どうしてもっと早く読まなかったんだろう;;;最近、”本に呼ばれる”というか、そういう直感が衰えてきたような気がしてしょうがない。

東京の下町にある明治18年創業の「東亰バンドワゴン」という名前の古本屋さんが舞台。ここで暮らす四世代の家族の四季を描いた物語。語り手は、2年前に76歳で亡くなったサチさん。店主勘一の奥様。

もうね、この語りがね、すっごくいいのですよ。優しくって温かくって。ふんわりとみんなを包み込むように語ってくれるサチさん。このサチさんの家族だけあって、ここで暮らすみんなが優しくって温かい。ちょっと変わってるけどね(笑)

この家族に持ち込まれるちょっとした事件や謎。古本屋さんらしく紐解かれていくものもあれば、古本屋さんじゃなくってもいいものもある。でも、どれもちょっとツンと切なくなりつつ、最後は温かい気持ちになって終われるものばかり。愛情が一杯に詰まったお話。こういうのに弱いんだよねぇ。こういう人情モノは大好き。ということで、読みながらついつい涙腺が緩くなってしまいました。うるうるしたり、うえぇぇぇとなったり。特に夏の物語には号泣でした。じいちゃん達が素敵じゃないですか!やっぱ、歳を重ねた方々には敵いませんね。宮じい(空の中)といい、栄三郎(ひきこもり探偵)といい、私はどうもね、こういう”いぶし銀”のような人に弱いようです(笑)

この作品、続編も出てるらしいのよねぇ。もうもう、早く読みたくってしょうがありませんっ!

・・・ということで、2008年も読みたい欲求に時間が追いつかない一年になりそうです;;;


**シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン
**スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン


東京バンドワゴン
ラベル:読書 著者(さ)
posted by すずな at 21:40| Comment(10) | TrackBack(8) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
すご~く温かい作品でしたね。このシリーズは大好きです。
TBの件ですが、コメント欄にアドレスを下さい。記事内にリンクを貼りまーす。ちょっと目立つけど(笑)
Posted by しんちゃん at 2008年01月07日 20:11
またそんな面白そうな本を探してきて!
心の中のいずれ読みたい本リストに加えておきますです。
Posted by あまね(香桑) at 2008年01月07日 21:24
>しんちゃん
心がほっこりなるような作品でした。もっと早く読むんだったと後悔しました。続編が楽しみです♪
TBの件、ありがとうございます。お手数をおかけするのは何ですので、わざわざリンクはいいですよー!コメント欄に記事のURLを貼り付けさせてもらことにします(^^)お気遣いありがとうございます。

>あまねちゃん
えへへへ。
これ、タイトルから想像してたのと違ってて、その意外性も面白さにプラスされた感じかな。最近、ベストセラーも2種類あるんだと分かってきた(笑)
Posted by すずな@主 at 2008年01月08日 11:26
大家族の賑やかな様子が、すっごく良いですよね~。食事の風景がとても楽しそうで、羨ましい♪
家族の大黒柱である勘一さんが、魅力的でした。やっぱりいぶし銀の魅力ですよね~♪
Posted by エビノート at 2008年01月08日 22:16
私も最初は売れない、もしくはアマチュアのバンドがワゴン車に乗ってライブに飛び回る青春小説を想像していました。読んだら、ぜんぜん違いましたが。
しかし、じいちゃん建ちはいい味出してますよね。是非とも長生きしてほしいもんです。
Posted by たまねぎ at 2008年01月08日 23:32
>エビノートさん
わいわいがやがやとした大家族の食卓風景が楽しそうでしたよね~。
じいちゃん達が素敵でした♪

>たまねぎさん
おぉ、同じですね~。私もそんな小説を想像してました(笑)
じいちゃん達はカッコ良かったです!これからも、あの大家族をまとめていって欲しいですね。
Posted by すずな@主 at 2008年01月09日 06:46
こんにちは~。
確かに題名だけ見ると、音楽のことについてかな?って思いますよね。わたしはたしか帯かなんかでそれを訂正したんですけど。続編も楽しいので、ぜひ読んでみてください♪
この作品はどうやら作家の出世作のようなので、どんどん続きがでるのかな?と思ってます。なので次回作を楽しみにしてます^^
Posted by まみみ at 2008年01月13日 13:20
>まみみさん
あ~帯ですか!私は図書館で借りたので帯が付いて無くって・・・。帯も重要なんですね~(^^)
続編が益々、楽しみです♪
この設定では続編が書きやすいと思うので、どんどん出ればいいですね~。
Posted by すずな@主 at 2008年01月13日 16:24
こんばんわ~^^
今更ながら読みました。
もっと早く読んでいれば良かったです~うわ~。
とても好きな作品です!
語りがおばあちゃんなのがいいですよね^^
ふんわりとした雰囲気が出ていて騒がしい堀田家と帳尻が合っていると言いますか^^
どんどんこのシリーズは読んでいこうと思います!
Posted by 苗坊 at 2010年09月19日 00:26
>苗坊さん
私も「もっと早く読めば良かったーっ!」と叫んじゃいました。
サチさんの語りが優しくってホントいいですよね~!続編もがんがん読んじゃってくださーい!!
Posted by すずな at 2010年09月20日 12:40
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