2007年12月12日

ワーキング・ホリデー(坂木司)

面白かった。
今まで読んだ坂木作品と比べて、ちょっと明るさが増した気がした・・・んだけど。スカッとした明るさというかね。読後感も暖かくって爽やか~な感じ。

設定も面白い。元ヤンキーでホスト。小学生の子供が転がり込んできたところで、転職して(させられて)宅配便の配達員。・・・ホストが宅配便の配達員だよ?そりゃ~ありかもしれないけど、ホストから力仕事への転職がすんなりいくところが凄い。凄いというか、一歩間違えれば無理がありすぎのような気が・・・。でも、そこで違和感を感じさせないところが凄いと思ったよ。

で。笑えるんだな、これが。ぶくくくくっと笑いを堪えながら、昼休みの会社の机の上で読む辛さ。周りを気にせず大笑いしたーーーいっ!と何度、思ったことか。楽しくってページを繰る手が止められない。先へ先へと読み進めたい衝動を押さえられない。でも、一方では読みたくない、という気持ちもあって。だって、最後は別れが待っているから。それが分かっているから、うはうは笑いながらも、一抹の寂しさを抱えながらの読書になりました。

最後は寂しく思いつつ、暖かい気持ちになれた作品だったなぁ。笑いあり、涙あり、ちょっと心にチクリときたりもあり、そして、ほのぼのほんわかもあり。この著者、いいですね。とっても好きです。他の作品も、がんがん読みたくなっちゃいます。・・・すでに、貪るように読んでるけど(笑)

それしにても、この息子!小学生のクセに家事を見事にこなし過ぎ!小学生の男の子にここまでやられちゃったら、大人の立つ瀬がないじゃんねぇ。坂木作品って、料理上手な男性がやたら出てくるよなぁ。

そうそう。他作品の影もチラリと見えて嬉しかったですね。新井クリーニング店に栄三郎。栄三郎さんのお名前が登場した時には、あまりの嬉しさに「えいざぶろぉーーっ!」と叫んでしまいました(笑)いつか、名前だけじゃ無くってご本人にも登場してほしいなぁ・・・と思うのは、読者のワガママなんでしょうかね。


ワーキング・ホリデー
ラベル:読書 著者(さ)
posted by すずな at 09:04| Comment(8) | TrackBack(8) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品は良かったですね~~。
非常に楽しくて、切なくもなりつつ、読後感のあったかいこと!
進くん、私んちに来て家事やってくれないかなぁ~(笑)
小学生とは思えないほどしっかりしてましたよね♪
ストーリーも良かったですが、他の作品とのリンクを発見してニヤリとしてしまいました。
こういうの楽しいですね。
でも、今度はちょっとだけでいいから栄三郎さんに直接登場してほしいですね!!
Posted by エビノート at 2007年12月13日 19:43
いいですよね~この作品。わたしも貪るように読みました(笑)すずなさんも言われるように、明るいテイストがよかったですね。
この料理上手な男性がよく出るってのは、坂木さんの周りに該当する男性がいるのかもしれないですね。と妄想するわたくしです。
あ、あとこちらのブログを拝見するまで、栄三郎さんのことはまるっきり見落としてました!あわわ。こんな調子で読み飛ばしてるところが多そうだわ……
Posted by まみみ at 2007年12月13日 22:41
コメント&TBありがとうございましたv
坂木さんの作品、これからチェックしていこうと思っているところなのですが、『ワーキング・ホリデー』、楽しそうなお話ですね。
栄三郎さんが出てくるとあっては是非読もうと思います☆
Posted by ぽっぽ at 2007年12月13日 23:14
>エビノートさん
あったかさを感じる読後感。なんか楽しくって、良かったぁー♪という気持ちになりましたね。
進くんには我が家にも来て欲しいっ(笑)
ほんの一言でも、他作品とのリンクは嬉しいですよね。是非ともシリーズ化してもらって、栄三郎さんにも登場願いたいものです。

>まみみさん
今までに読んだ作品に無い”明るさ”を感じられて、読後感がとっても良かったですね。
坂木さんの周りに料理上手な男性の影!その可能性は大ですね。う、羨ましいっ!(笑)
栄三郎さんはお名前だけが本当にチラっと登場でした。あのシリーズは、最近、読破したので気付けたのかも^^;そうじゃなかったら、絶対にスルーしていた自信があります(笑)

>ぽっぽさん
こちらこそ、TB&コメントありがとうございます!再訪いただけて嬉しいです♪
この作品は楽しかったですよ。おすすめです!是非、お手に取ってみられてください。
栄三郎さんは、お名前だけがチラリと出てくるだけです;;;ご期待には添えないかも^^;
Posted by すずな@主 at 2007年12月14日 10:40
爽やかでしたね。
すれ違うことがあっても二人の絆が確かにつながっていく感じがなんとも気持ちよい作品でした。
個性的でやさしい登場人物たちにも好感が持てました。
Posted by 藍色 at 2007年12月15日 01:51
>藍色さん
大和と進の二人に絆に、うるうるしたり、ほっこりしたりと、爽やかで楽しい作品でしたね。
他の登場人物たちも、それぞれいい味だしてましたね!
Posted by すずな@主 at 2007年12月15日 15:29
エッ!栄三郎って叫んでるってことは、そこにも他の作品への繋がりがあったのですか。クリーニングって事は後書きにもあった『切れない糸』ですよね。どこまで繋がるんだ坂木作品は。読みたくてたまらない私はもういいカモになってそうです。
Posted by たまねぎ at 2008年02月08日 20:54
>たまねぎさん
栄三郎さんはですね、「ひきこもり探偵シリーズ」に登場されるいぶし銀のようなおじいちゃんです。私のご贔屓キャラさんです(笑)
ホントにどこまで繋がっていくんでしょうね。まんまと乗せられている私も、いいカモのようです^^;
Posted by すずな@主 at 2008年02月09日 11:01
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