タイトル通り”オヤツ”をテーマにした33の物語。ショート・ショート集。取り上げられているオヤツは、たい焼きにかき氷にまんじゅうにソフトクリームと素朴な昔ながらのものが多いかな。
オヤツを囲んで、男女、母娘、父娘、女同士の会話が進む。簡単なト書きが付いているものもあるけれど、ほとんどが会話の応酬だけで話が進められる。その何気ない日常の会話から、関係や背景がだんだんと見えてくる感じが、ちょっとしたミステリーを読んでいるようで、ワクワクしたりドキドキしたり。言葉の選び方が絶妙で、思わず「う、上手いっ」と唸りたくなるようなものばかり。特に最後の一言が効いていましたね~。そのオヤツの写真が付いていたのも良かったな~。うっわー美味しそう、と食欲をそそられました。
短いお話ばかりなので、就寝前に数章ずつ読んでいくのもいいかも。ただ、甘いものが食べたくなるという危険性が大だけど(笑)
残念ながら、マドレーヌは無かったようです(笑)