2007年10月30日

空をつかむまで(関口尚)

うーむ。なんかね~、中学3年生の男の子が主人公のお話なんだけど、主人公が中学生ってのがシックリこないんだよね。高校生なら、すんなり受け入れられたんだろうと思うんだけど・・・。読みながら、何度も「中学生だったよね?高校生じゃなかったよね?」って確認しちゃったよ。内容的になのか、交わされる会話からなのか、まぁ、そんなところのあれこれ全部でなんだろうけど、”中学生”ってのがピンとこなかったんだよねぇ・・・。

膝を痛めてサッカーを辞めた優太。所属する将棋部顧問の陰謀(大袈裟?)で、水泳部員にもさせられ、部員のモー太郎、姫と共に市町村合併を記念したトライアスロン大会へ出場することに・・・。

ちょっと、先生っ!そこまでしていいのかっ!?と言いたくなるくらいの強引さ。・・・ということは、”著者”の強引さでもある訳で、まずそこに引く。そんなん横暴すぎるわ、と思うのに少年達が従うんだよなぁ・・・なんで?あ、そうか。だから中学生なのかな。これが、高校生なら、絶対に先生の思い通りにはいかないだろうし・・・。そうか、そういうことか。今、ちょっと納得(笑)
でもね~、トライアスロンの合宿に行くんだけど、先生は彼女(これも先生)の家庭の事情とやらで、合宿所になっている民宿に少年達を送り届けて帰るんだよ。中学生の合宿で先生不在ってどうよ?そりゃ、先生がいたら鶴じいとの出会いとか無かった訳で、その為の布石なんだろうけどさ~。でも、中学生でそれは、めっちゃ不自然。先生ってば無責任過ぎだよねぇ。

・・・と、本筋とあまり関係ないところばかりが目に付いてしまって、もともとのお話自体を楽しめなかったような気がする。イジメにひきこもり。友人関係に家庭環境に恋愛事情。もうね、苦難が多すぎ。壁が大きすぎ。中学生にしては大人すぎ。そして、お~収まるところに収まって良かった、良かった、となりそうなところで大事件。・・・そこまでするのか;;;でも、だからこそのラストではありました。少年の成長物語、スポーツにかけた青春ではなく、”友情物語”だったんだなぁ。あのラストの為に、彼の為に、いろんな布石が打ってありました。最後に、あ~なるほど、と思い出されたところがいくつもありました。

なんか、すんごい辛口な感想なんだけど、実はラストではちょっと涙ぐんでしまったり・・・えへへへへ。あの卒業式のシーンはかなりキマシタ。友達って素晴しい!少年達に感化されて、思わずそんなことを叫びたくなりました。

空をつかむまで
ラベル:読書 著者(さ)
posted by すずな at 07:05| Comment(4) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すずなさんが気になった部分、あぁそうだったって思い出しました。気になって尾を引いちゃったんですね。
三人の個性のぶつかり合いと成長していく姿が素敵で、卒業式は感動でした。
Posted by 藍色 at 2007年11月24日 01:24
>藍色さん
こんな辛口の記事にTB&コメントありがとうございます!これはちょっと;;;と送るのを遠慮してたんですが、もらえると嬉しいものですね。ちょっとテンションあがりました(笑)

そうなんです。最後まで気になってしまって;;;失敗でした。でも、卒業式では感動してウルウルきてしまいました(^^ゞ
Posted by すずな@主 at 2007年11月24日 10:17
はじめまして。この本を検索していて、ここに流れ着いた者でbuudyといいます。

ぼくも最初、主人公が中学生という設定になじめませんでした。
やっぱり大人っぽすぎますよね。
でもラストの卒業式の場面は泣けました~。「旅立ちの日に」っていうのが良かったです。

あと、よろしければ、相互リンクお願いします。
Posted by buudy at 2007年12月31日 13:11
>buudyさん
初めまして。コメントどうもありがとうございます。
これが中学生じゃなく高校生ならスンナリ受け入れられたんでしょうけどねぇ^^;
でも、ラストの卒業式はぐっときましたね。

商用・アダルト・スパムサイト以外からのTB&リンクは歓迎いたします~。
Posted by すずな@主 at 2008年01月01日 02:25
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空をつかむまで 関口尚
Excerpt: 装画は、こころ美保子。装丁は今井秀之。 2002年、「プリズムの夏」で第15回小説すばる新人賞を受賞デビュー。主な作品「あなたの石」「そのままの光」など。 主人公で語り手の長谷川優太は美里中学の三年..
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