次の日には別々の場所へ引っ越すことになっている男女。登場人物はこの二人だけ。二人が数ページずつ交互に語り手となって、それが会話のように続いていく。二人が少しずつ語っていくスピードで、色んなことがちょーーっとずつ小出しにされていく。それは、本当にちょっとずつなので、え?どういうこと?あ?それで?それって・・・と、次へ次へとページを繰る手が止まらない。
この男女。お互いに、とある男性が死んだのは相手が手を下したからだ、と思っていて、それを告白させるのが今夜の最終目的だと思っている。相手にどうやって告白させるのか。攻防戦の夜が始まる・・・。
ということは、どっちも犯人じゃないってことでしょう?誰が真犯人で、どういう展開が待ってるのかなーっ!と、のっけからワクワクさせられちゃいましたよ。話が進むにつれて、男性のこと、二人の関係のことが分かっていく。謎が解けたと思ったら、今度は別な謎が浮上してくる。すでに、男性の死が最重要問題では無くなって・・・。
夜、密室で繰り広げられる二人の行き詰るような心理戦。読みながら、こっちまで息苦しくなってきちゃいました。このお話は、内に向かっているのか、それとも外に向かっているのか、読みながら判断がつかなくって。この閉じた世界のまま終わるのかな、それとも・・・。想像すればするほど分からなくなっていってしまった。どんなラストになるんだろうって、すっごいドキドキした。
二人で出した結論。結局のところ、関係者にちゃんと確認を取らないと本当かどうかはわからないんだよね。でも、そうだろう、それが真実なんだろう、と二人がすんなり受け入れる。読んでるこっちも、同じように受け入れる。・・・何故か受け入れちゃったんだよねぇ(笑)不思議。でも、だからこそ、あのラストなんだもんね。
ふぅ~と、額の汗を掌で拭いたくなるラストでした。
真相はどうなんだろう~って余韻を残すところも恩田さんならではだなぁと感じました。
読みながら息苦しくなるくらいの緊張感でした。
ハッキリ真相が示されなかったところは、確かに恩田さんらしいですね~。あれこれ想像しちゃいます・・・。
次々と姿を現す謎。
会話で膨らむイマジネーションの行方から目が離せなくて、一気に読めました。
そうそう!次々と姿を現す謎にドキドキしちゃいましたねー。
私も、二人の会話だけでどんどん話が膨らんでいくのが面白くって、目が離せなかったです。