途中まで、というかラスト近くまで、淡々と読んでたんだよね~。部下の自殺を機にうつ病になり、退職し離婚して故郷である福岡に帰ってきた男性と、肺がんの再発に怯える幼馴染の友人あっちゃんとの日々が綴られているこのお話。もちろん、その日々が何の変哲も無い毎日ってことじゃなく、あっちゃんの老人たちとの交流や家出に離婚騒動(は、大袈裟かな)。主人公のせいちゃんもうつ病や花粉症と付き合いつつ、あっちゃんを巡る女性達との調整役?もやらなくちゃならない。失業中の身としては先々のことが不安だし。でも、まぁ、何と言いますか、私の苦手とする内容というかね。こういう淡々とした日々を綴ったお話は、あまり得意ではないのよね。そんなこともあって、うーむ、この感想は書けんぞ、どうしたもんかい、と思いながら読んでいたのも事実(笑)
あ、でもね。男性二人の会話がずぅーーっと博多弁なんですよ。福岡在住の友人達のお陰で、馴染みがないわけではないので、イントネーションもなんとなーく掴みながら読めたんだよね。土地名も全く知らないわけではなく、お~、あ~あれか~と想像できるぐらいは馴染みがあるもんだから、なんかすんごい親近感を抱きつつ読めた。でも、「感想、書けんぞ」の気持ちには変わりはなかったんだけど・・・。
ところが、ラストにきてガラリと意識が変わった。
あっちゃんの独白。あれがね~キマシタね。あれほどの怒りを溜め込んで、それでいてあんな日々を送ってきたのか!と。そう思ったら泣けてきちゃって・・・。あそこを読みながら、かなりウルウルきちゃいましたよ。そして、その感情の高ぶりのままラストへ。小学校。太陽の塔には受けたけど(笑)これはもうね、どうしても実物を見に行かねば!とも思っちゃったよ。あ~話が逸れましたが。太陽の塔を見ながら今までの30数年に思いを馳せる二人。二つ並んだレンガ。ふと、この作品のタイトルを思い出す。もうね、溢れる涙を堪えることが出来ませんでした。嬉しかったのか、哀しかったのか。私はどっちで泣いてしまったんでしょうね。。。
本を閉じて、ふぅ~っと息を吐く。
な~んだ。私だって、こういう作品で泣けるじゃないか。・・・ちょっとホッとした。どうして泣けたのか分かってないところが、”いま一歩”って感じだけどね(笑)
将来に「夢」を感じられなくなったとき、現実と向き合わなければならない。そう思うと、面倒なことが沢山ある事実。
でも、戻ることはできないから、やっぱり前に進むしかないんだと、あらためて知らされる本でした。
コメント、TBありがとう (^^)
こういう人生を、私は現によく見ているので、よく書けているとは思うのです。
ただ、この、物語展開に男性にとっての御都合主義みたいなものを感じると……。(--;
なんかね、ビミョーでした。
私も感想は難しかったです。
あっちゃんの独白、衝撃でしたね。
どうして泣けたのか分かってなくても泣けたことに価値があります…って、上手く言えないんですけど。
いっぱいのコメント、TBありがとうございます。
ひっそり計画してたのに先手を打たれて…うれしかったです!(笑)。
主人公が同年代だと色々と重なる部分もあって、現実とタブらせたりっていうのもありますよね。
前向きに受け止められてらっしゃるということは、よいタイミングで読まれたのでしょうね~。
>あまねちゃん
あら、そうなんだ^^;
見知ったタイトルだったんで手に取ったのでした。こういう人生を今のところあまり見てないので、逆に良かったのかもね・・・。
著者が男性の時って、「男性にとってのご都合主義」って感じる内容が多いと思うのは私の気のせいでしょうか(笑)
>藍色さん
お褒めの言葉?ありがとうございます。ちょっとほっとしました~(笑)
あっちゃんの独白に飲まれちゃったような感があります。
こちらこそ、TB&コメントありがとうございます。先手を打てて嬉しいでーす(笑)