”死”を扱うお話なんだけど、そこまで暗く救いようのなさというのは感じられなかったなぁ。人間臭さというか、そういう俗世間的なものはあまり感じず、上品で洗練されたという印象を受けました。もちろん、内容的にはモロ人間臭いんだけど、主人公が死神だからか、それらが淡々語られることで美的?なものに変わった・・・というかね。
死神の千葉の仕事は、選ばれた人間に死を与えていいのかどうか1週間調査し、「可」とするか「見送り」とするか決めるというもの。とはいっても、ほとんどは「可」となるのだが・・・。
死神ゆえに世間知らずで、その発想や言葉に笑わされる。絶妙なタイミングで挟み込まれるその言葉達。こういうところ、伊坂さんってば上手いよな~。心で喝采を送りながら読んだ。ひとつひとつのお話が独立している・・・と思わせておいて最後の章で、見事に繋がっていく。その伏線の妙。うわ。こ、これは!えーっ!?そういうことなのかぁ!と唸らされる。時間の経過とか、登場人物達の絡まり具合とか。もうお見事です。
伊坂作品に共通しているものといえば「音楽」。著者が「音楽」をどういう位置付けにしているのか、どれほど愛しているのか、色んな作品を読むたびに伝わってくる。この作品もそうだけど、「オーデュポンの祈り」もそうだった。そういうところも、私が伊坂作品に惹かれる魅力のひとつなのかもしれないなぁ。
伏線の仕込み方、伊坂さんさすがですよね。
最後には「そう来たかー!」でした。
いつもながらですが(笑)
TB&コメント、ありがとうございました。
こちらからも、TBをお返ししますね♪
「ミュージック」を愛する死神。
人間に同情も畏怖もない、飄々と軽やかにわたっていく死神がよかったですよね!
そして、ストーリー構成の見事さと、使われている言葉の含蓄の深さ。
伊坂さんの作品は、読んでてホントに「スッゴイな~」と感心しますよね。
伊坂さんの作品には音楽が登場するものが多いですよね~。
『アヒルと鴨のコインロッカー』にも音楽が印象的に使われてました♪
聴いてみたい~と思いつつ、聴いてないんですけど(^_^;)
千葉のずれた言葉、でもその中には真理かも!と思うものもあって深いなぁ~と唸ってしまったりでした。
語り口は淡々としているのに、会話になるとおかしくなっちゃう千葉さんのギャップが笑えました。
最後の章、見事でしたね。
伊坂さんの音楽への愛、いろんな作品から伝わってきて惹かれますよね。
すずなさんの頭に、今回どんな曲が流れたのかちょっと知りたい気もします(失礼?)。
複線の張り方、ストーリー展開と、伊坂さんには唸らされることが多いですよね~。
そういうところにハマってしまってます^^;
>水無月・Rさん
素敵な本を紹介いただいてありがとうございました♪
今までイメージしていた死神と違って、飄々と淡々としていたところが良かったです。それに加えて死神から発せられる言葉の数々のとっぴさ&含蓄の深さも魅力でした。
>エビノートさん
「アヒルと~」はボブ・ディランでしたっけ?いや、ディランは「ラッシュ・ライフ」だったかな?”魅力のひとつ”と言いつつうろ覚えな私です^^;
千葉の言葉に笑いつつも大きく頷かされましたね。
>藍色さん
あの素っ頓狂な言葉に、それを発する絶妙なタイミングにすっかり千葉ファンになってしまいました(笑)
頭の中に流れ音楽ですか・・・。いや、全然失礼じゃないんですけど~。今回は印象的な特定のタイトルはなかったんで、流れなかったような気がします^^;強いて言えばバッハ?(笑)