短編連作集と言えばいいのかな。
1919年に設立された「聖マリアナ学園」。この学園の100年の歴史の中で、正史として残されていない、所謂、抹消された珍事件を「読書クラブ」の歴代クラブ員達が「秘密のクラブ誌」に書き綴っている、という形式。なので、章毎に書き手が代わり、時代が移り変わる。章が進むごとに現代へ、最後には近未来へと時代が移り変わっていく。でも、書かれている文体はそのまま変わらないんだよね(笑)だから、現代のことが描かれていても、昭和初期の薫がそこはかとなーく漂う。まさに、これぞ桜庭作品!という感じです。
そして、まさに「女子高」。それも「名門お嬢様女子高」という感じで。「ごきげんよう」が似合う世界。毎年、「王子」が選ばれ、少女達はこぞってその王子に憧れ、甘い恋心を抱く。・・・私には全く縁のない世界です(笑)
最初の烏丸紅子のお話が一番好きというか、印象に残ったかな。アザミの知略?謀略?ぶりがお見事!というかね~。そして、やっぱり最終章ですね。この章がなければ、私的評価もそこまでなかったんだよね、実は。この1章で、”ふ~~ん”から、”良かった”に変わりました。
5つの事件が語られるんだけど、その5つに学園の起こりと、女子高としての学園の終わりが記される。それは、読書クラブの始まりであり、終わりの物語でもある。最後は、なんだかとっても寂しくなってしまって、ちょっとね、うるる~んと涙ぐんでしまいました。あ~終わりなんだなぁ・・・という感じで。でも、始まりでもあるのだな、という終わり方でしたね。最後の読書クラブ員の永遠も、いつかあの喫茶店のどこかに座るようになるのだろうな、と。
あ~相変らず、桜庭作品は感想が書きづらいです;;;
永遠の章はポイントが高かったよね。ここであの人が出てきたのも良かった。それにあの喫茶店に、新たな読書クラブが出来ていたのは、やっぱ桜庭さんは上手いなあと思いました。
最後の短編の主人公の名は、そういえば永遠でしたね。
永遠という言葉に深い意味が込められているような気がしてきました~。
永遠の少女性とか、永遠に続く読書クラブとか…深読みのしすぎ?(苦笑
そして最終章とのつながりも秀逸でした。
惜しげもなく閉じてしまう物語で寂しさもありましたけど、何か、始まりを感じられましたね。
感想、難しいですよね~。分かっていただける人がいてくださって嬉しい(笑)
最後の永遠の章は良かったですね。そうそう”あの人”の登場があってこそ、だったですね~。
>エビノートさん
時代は変わっても、少女たちは(基本的には)変わらない・・・ということなんでしょうね。
私も「永遠」という名前に、そういう意味があるんじゃないかな?と思いましたよー。
>藍色さん
アザミにはヤラレましたね~(笑)
こういうラストって、余韻に浸れて好きなんですよ~。
あの「どないやねんな……」の一言で、完全にわしづかみされました!(笑)
桜庭さん、上手いですよねー。
最終章で私も「よかった」ってなりました^^
烏丸紅子の章は、なかなか強烈な印象でしたよね。アザミに圧倒されたような気もしますが^^;
最後の章があって良かったですよね!
桜庭作品に、ホントにハートを鷲掴みされております(笑)。
自分のブログでは触れませんでしたが、アザミさんの知略はすごかったですねぇ。
「聖マリアナ消失事件」で老人(マリアナ)と両性具有のどぶ鼠が語り合っている場面で、思いっきり転んだ「自棄にがっしりとして固太りした子供」は、きっとアザミさんですよね。
アザミの知略に圧倒されました。すごすぎでした。
水無月・Rさんさんの推理、きっとそうだと思います。
王子とサムワンで盛り上げると思いきや、ずっと読書で一貫していましたね。それにしても、何故に南瓜。
お、お疲れ様。珍しく苦戦したようで^^;
・・・か、南瓜?う、うーん;;;なんだっけ?記憶があやふや。すんませーん^^;;;
真面目そうに見えて、南瓜の連呼にずっこけそうになったのです。
あ~なんかそういう名前だった!・・・ような気がする^^;
教えてくれてありがとう♪