このお話は、先日「小学五年生」で重松作品初読みだった時に、よくお邪魔させてもらっている「粋な提案」の藍色さんにご紹介いただきました。
姉・和泉恵美ちゃんと7歳歳下の弟・文彦。そして、その姉弟が小中学生だった時、彼らを取り巻いていた友人たちのお話。章ごとに主人公が変わり、時間が行ったり来たりする。その度に、恵美ちゃんが小学校五年生だったり、中学生だったり、はては、大学生や社会人になって登場する。
小学生の高学年になるつれ、感じるようになる”友だち”との関係の難しさ。特に女子は集団の恐さを感じる。
ってか、私は感じたし、経験もしちゃったよなぁ・・・。ちょうど小学六年生の3学期だったからすぐに中学生になって、クラスメイトとの微妙な関係もそれで終わりを告げたんだけど。でも、あの頃の気持ちは今でも忘れられないし、その後の人間関係を築く時には、あの体験がかなり影響を及ぼしていたと思う。過去形じゃなく、現在進行形かなぁ・・・。
あ、話が逸れた(笑)
この作品に登場する小学生、中学生達は、みんな”友だち”との関係に悩み、傷つき、そして、なんとか答えを見つけていく。頑張れ~負けるな~と心で応援しながら読んだ。女の子も男の子も、悩み所は一緒なんだな~と思ったし、どの子の”思い”も自分でも思い当たるものがあって、自分と重ねたりもしてしまった。
そして。
最後の章を読み始めたら涙が止まらなくなって、最後には号泣してました。その前の章でもグスグス泣いていたから、余計に泣けてしまったんだろうけど・・・。
最後の章を読み始めたところで、”きみ”と語りかけていた人物の正体が分かって、いくつもの章を通して感じていたその優しい眼差しの訳に納得した。そして、タイトルの意味。「あ~そういうことか。」いろんな小中学生が主人公として描かれていたけれど、本当の主人公は恵美ちゃんだったんだなぁ、と。そして、絶対に最後は由香ちゃんが主人公のお話だと思ってたのに、結局、由香ちゃんがお話の主人公になることはなくって、「なんで!?」って思ってたんだけどね。それも、そういうことだったのか・・・、と。
本当の”友だち”って・・・と悩んでいる小中学生に読ませたいなぁ~。あの頃の自分に読ませたいな~と思いました。
ブンちゃんとモトくんの関係が良かったです。
自分はどう思われてるんだろう、とか。
輪の中にいないと不安、とか。
でも今思えば、すごく小さな世界にいただけの話。
近所から地区になって、地域になって、全国になって、世界になって…
そうすると、また仲間が違ってくるんだよね。
「守る」だけじゃないと。
とても、よい本でした。
喜んでいただけてよかったです。
あちこちに思い当たることがあって、小学生や中学生だった頃のことが甦ってきたりしました。最後で泣けましたね。とても感動しました。
普段の記事で、あまりお役に立てていないので、この作品を気に入ってもらえて、とってもうれしいです。
どの人物にもちょっとずつ共感できて、苦笑いしたり、少し心が痛かったりしながら、”あの頃”が思い出されるお話でしたね。
私もブンちゃんとモトくんの関係が好きでした!
>juzjiさん
そうですね。あの頃だからこそ、いろいろと思い悩んだんでしょうね。あの頃のこと、いろいろと思い出した作品でした。
良いお話でしたね。
>藍色さん
こちらこそ、良いお話を紹介くださって、ありがとうございました。
最後は、ボロボロと泣いてしまいました^^;
実は、藍色さんの記事を参考に、本を選ばせてもらってることって多いんですよー。大変、お世話になってます(笑)
>実は、藍色さんの記事を参考に…
え、そうなんですか?(当惑)。
時代劇ほとんど読めてませんし、ほかの方と重なることも多いので、気づけませんでした(恥)。
リンクの件、こちらこそありがとうございます。
ふふふ。実は、この重松さんも藍色さんのところでお名前を拝見しなければ、作品を手にとることはなかった作家さんなんですよ~。