よくお邪魔させていただいている水無月・Rさんの「蒼のほとりで書に溺れ。」でレビューを読んで、興味が湧いて手にしました。この著者は全くの初読みだったので、予備知識は皆無。読み終わって気付いたんだけど、なーんと!「信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」(未読)でファンタジーノベル大賞を受賞されていました。不覚にも全く知らなかったんで、まさかこんなファンタジーだとは思いもせず・・・。
最初はちょっと読みにくかったんだよね。「吾妻鏡」や「金塊和歌集」からの引用文があり、鎌倉時代の香りが漂う文章。これはハズレ?と思いつつ読み進めると・・・。日本から中国へと広がる世界。もうね、ぐんぐんずんずん物語の世界に引き込まれていって、夢中で読んでしまいまいした。
第一部は鎌倉時代の日本が舞台。古事記に日本書紀、平家物語。書物に記された歴史に絡めて織り成される、壇ノ浦で入水した安徳天皇を巡る不思議な物語。
第二部は、な~んと!モンゴル・宋を舞台に、クビライ・カーンや南宋皇帝と交流を深めるマルコ・ポーロを主人公にした物語。もちろん、真の主人公は安徳天皇。彼に翻弄された異国の人々の物語といってもいいのかな。
そして、二度の蒙古来襲。神風による日本の勝利。それがこんな風に語られるとは・・・。お見事!と思わず唸ってしまいました。
最後は、安徳天皇の、そして歴史の波に揉まれ消えていった沢山の人々の、怨み、怒り、悲しみを想い、かなりグッときながら読みました。
まだ、あの壮大な物語の世界から完全に抜けきれないようで、なんだか夢現の中にいるようです。
面白かった。
すっごく面白かったんだけど、陳腐な言葉しか並べられないし、この気持ちを上手く文章にできない自分が悔しい。
それを乗り越えてしまえば、すっかり作品の世界に浸りきることが出来るんですけど。
本当に素敵な世界で、魅了されてしまいますね。
この話に繋がる『廃帝綺譚』もおススメですよ~♪
TB&コメント、ありがとうございました!
素晴らしく、美しい物語でしたよね。
物語の根底に流れる「貴種の怨念とその浄化」って、日本古典文学には結構多いテーマだと思うんですが、それを非常に美しい筆致で描いている・・・。しかも、現代の私たちにもわかりやすく。
こんな作家さんと出会えて、私はホントに嬉しいです。
他の作品も、どんどん読みたいですね♪
実は、1ページ読んだところで挫折しちゃいそうになりました^^;挫折しなくて良かったです。本当に素敵なお話でした。
実は『廃帝綺譚』も手元にあるんです~(^^)今から楽しみ♪
>水無月・Rさん
美しく哀しい物語でしたね。日本の長い歴史の奥深さ、そこにあった人々の暮らしを感じながら読みました。・・・ちょっと大袈裟?^^;
私もこんな作家さんと出会えて嬉しいです!
お恥ずかしい限りの、内容の薄さですが・・・よろしいんでしょうか?
私の拙文でよろしければ、是非お願いします~!!
ありがとうございます!早速、貼らせてもらっちゃいました(笑)
っていうか、すっごく、恥ずかしいです(^_^;)。
碌なレビューも書けない私のブログにリンクを・・・。光栄です!
こちらこそ、ありがとうございます!