最初の数編は、ちょっと怖くもありながら切なさの方が強い感じだったんだけど、だんだんと気持ちの悪い怖さが募ってきて、最後はまた、怖いながらも切なく心の奥がジーンとくる・・・と、この一冊で気持ちがひと回りしたような感じでした。
・お母さまのロシアのスープ
だんだんと、少しずつ謎解きしていって、最後の最後にぐいっと真相を見せられたようなお話でした。「ん?」「あ・・・れ?」「ってことはさぁ・・・」「おぉ!やっぱりっ!」という感じで、最後は拍手したくなった。内容的には、そんな拍手するようなものではないんだけどね。
・コール
これも展開がですね~唸りましたね。お見事!という感じです。ちょっと涙ぐみたくなるくらい切ないお話でした。
・押入れのちよ
表題作。切ないお話ではあるんだけど、主人公と幽霊との交流がほのぼの~としてて、読みながら微笑んでしまった。暖かいんだけど、哀しいお話。荻原さんらしい作品だな~と思った。
・老猫
これはねぇ~~;;;ドキドキというよりも、背筋ぞわぞわぞわわわって感じでしたね。怖いよ。思わず、うちの猫の顔を覗き込んで「こうならないでねぇ;;;」と哀願したくなった。
・殺意のレシピ
最初から、そういうストーリーなんだろうなぁと、予測出来てしまったんで・・・。
・介護の鬼
読みながら、とーっても気持ち悪くなってきた。こういう悪意はちょっと苦手;;;最後に笑う作品なんだろうけど、こういうブラック・ユーモアにはちょっと笑えないのよね・・・。
・予期せぬ訪問者
おたおたっぷりが笑える。
・木下闇
これはホラーというより、ミステリーなのかな。この作品を読みながら、先日読んだ「千年樹」を思い出してしまった。あの楠とは別ものよねぇ・・・ねぇ。
・しんちゃんの自転車
なんとなーく表題作の「押入れのちよ」と同じ匂いのする作品。切ないというかね、心の奥がツーンとくるようなお話でした。
この短編集のイメージを決定付けてくれたのが、ちよでしたね。
ちよは可愛かったですね。さすがに表題作だけあるなーという感じでした。
どきどきしたり、ぞわぞわしたり、ふふふふとなったりで、楽しく読める短編集でしたねー。
初めまして。
TB&コメントありがとうございます!
表紙のちよ、私のイメージとも違います~^^;表紙はちょっと怖いですよね;;;もう少し、ほんわかと可愛いイメージです。
「木下闇」は、死んだ妹が姉を呼んで・・・という怖さが印象に残っています。