2007年08月29日

烏金(西條奈加)

江戸を舞台にした人情物・・・かな。くぅーっ!こういうラストには弱いんだよなぁ。。。泣きながら読了しちゃったよ。

因業な金貸し婆お吟の元に押しかけて手伝いを始めた浅吉。その浅吉には、秘密の目的があった。浅吉の正体は?目的とは?

か弱い?お婆さんの家に転がり込んで、溜め込んでいるであろう金を・・・とくれば、いくら因業な金貸しのいけすかなお婆さん相手だとしても、なーんか小ずるいヤツって感じなんだろうけど、浅吉にはそんな印象は受けず。逆に、借金まみれになった客をどうにか立ち直らせようと、あれこれ知恵を絞り、指南していく姿には好感が持てる。これって、現代の経営指南みたいなもんよねぇ。

ちょっとずつ浅吉の正体が明かされていくんだけど、最後の最後まで本当の正体や目的が明かされない。私は「お妙がらみだな」と思ってたんだけどさ~。だからか、最初はね、借金にまみれた人達が浅吉の指南で借金を返済していく様子にワクワクしてたんだけど、なーんか途中からイマイチ感が漂ってきてたんだよねぇ。・・・ぶっちゃけ、ゴメス(「金春屋ゴメス」)の方が断然面白い!ん~これはハズレ?くらいに思ってて。うわー。ごめんなさいごめんなさいごめんなさーいっ!!平謝り(笑)
最後になって、一気に浅吉の正体や目的が明かされる。・・・もうね、涙涙なみだ・・・ですよ。「うわーそういうことか!あざぎぢぃぃぃ」とグシグシ涙声で名前を呼んじゃうよ、なイキオイで読了。はぁ~。面白かった。・・・ちょっと違うなぁ。心がほんわかとなるような良いお話を読ませてもらった、かな。

この著者さんはこれからも追っかけていきたいです。

烏金
ラベル:読書 著者(さ)
posted by すずな at 06:36| Comment(10) | TrackBack(6) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ゴメスの方がインパクトがあって、確かに面白いですよね~(笑)
でも、正統派の時代小説も西條さんは欠けるんだなぁ~と思ってちょっと嬉しくなっちゃいました。
ホロリときて、心あったまる内容で楽しんで読むことが出来ました~♪
すずなさんにも楽しんでいただけたようで、良かったです。
Posted by エビノート at 2007年08月29日 21:49
>エビノートさん
ゴメスがインパクトありすぎなんですよね(笑)
私も西條さんってSF要素の無いお話も書けるんだ~と思いました♪
こういうお話には弱いんですけど好きなので、今後も書いてもらえると嬉しいなぁ~と思います。
エビノートさんの記事を読まなければ、手に取るのはもっと先だったと思います。ありがとうございます♪
Posted by すずな@主 at 2007年08月30日 09:40
水をさす意見でゴメンなさい。
ゴメスも面白かったけど、自分はSF設定が苦手なので、こちらの方が肌に合いました。
ゴメスの新刊が出たら絶対に読むけど(笑)
Posted by しんちゃん at 2007年08月31日 18:47
>しんちゃん
お気遣いありがとうございます。ぜんぜん水をさす意見ではないと思いますよー。いろんな感想があって当然!なので、私の感想と違っていても全く気になりません。
SF設定が苦手な方には「きたきた♪これだよ!」な作品でしたよね、きっと。
次作がどんなお話になるのか楽しみですね~。順番でいくとSF設定かな?いや、ゴメスが2作続いたから次もこんな感じでしょうか?(笑)
Posted by すずな@主 at 2007年09月01日 11:54
最後まで浅吉の本当の正体が明かされないミステリー要素に引っ張られました。
気がつけば、みんな素敵なキャラクターたちでしたね。
人情ものの楽しさを味わえました。

トラバ、復旧してよかったです。
また起こったら早目のクレーム、心がけますね。
Posted by 藍色 at 2007年10月03日 03:10
>藍色さん
浅吉の正体は予想と違ってて驚かされました。泣かされました^^;
登場人物たちそれぞれが個性的で暖かくって・・・泣きながらも、最後は心がほんわかとなるお話でしたね。
Posted by すずな@主 at 2007年10月03日 06:36
おもしろかったですね~。わたしも浅吉の正体、予想してたのと違ってました。…すでにどんなのを予想してたのかも忘れたわけですが。
西條さんは書く作品どれも完成度が高くてすごいなぁと思います。今のところはずれないですし。これからもペースは遅くとも、じっくり書いていってもらいたいです!
Posted by まみみ at 2007年12月06日 14:09
>まみみさん
ぐいぐいと読ませる作品で面白かったですね。
自分の予想と違う展開だと、おぉっ♪と嬉しくなっちゃいます。
私も西條さんでハズレはないです~。どれも面白い。次作が待ち長いですね。
Posted by すずな@主 at 2007年12月06日 16:24
こんばんは☆ 読んだよー。
ほっこりと優しい物語でしたね。
中身はシビアなことにも触れているのに、読後感はすっきりするところも、西條さんの力を感じます。
Posted by あまね(香桑) at 2008年12月08日 23:51
>あまねちゃん
うん。シビアな面もあったけど、最後は優しい気持ちになれるお話だったね。お陰で号泣しちゃった^^;
Posted by すずな@主 at 2008年12月09日 14:29
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