伊坂さんが大学生の時に生まれて初めて書いた短編をリメイクしたもの。
クリスマスにある男を尾行する探偵。その探偵にはクリスマスに苦い過去がある。尾行途中で出会った謎の男と話すうちに、その苦い過去の思い出が違う様相を示してきて・・・。
本当は12月、それもクリスマス前に読みたかったんですが叶わず。年明けに読むという、ちょっと残念な読書でした。でも!内容は、もちろん残念ではなく(笑)絵本だと思って読んでたら、思ってた以上にボリュームがあって読み応えがありました。
そう、読み応えがあったんですよね。「絵本」という体裁ですが、この文字数や内容だと小さい子供にはちょっと難しいかもなぁと思いました。これは大人向けの「絵本」ですね。
伊坂さんらしくミステリー要素もあって面白かったです。
探偵の尾行相手、その人物に纏わる過去の出来事が、謎の男の語りによって印象が変わっていく。真実が解き明かされていく。その見事さに、思わず引き込まれて、おぉ~!と感嘆の声を上げてしまいました。
素敵なクリスマスの物語でした。
(2018.01 読了)