2018年01月31日

太陽と乙女(森見登美彦)

エッセイ集。

デビューから14年。あちこちで発表されたエッセイをまとめたもの、というこで、かなりのボリュームでした。読んでも読んでも終わらない・・・そんな気分を味わいましたよ。ご本人が、寝る前に読みたいところを少しずつ読むのが良い、と進められてた通り、これは一気に読むものではないなぁと思いました。・・・と言いつつ、一気に読みましたけど(笑)

森見さんが図書館にお勤めというのは知ってましたが、それが国会図書館だったとは!あ、東京の国会図書館に異動になったというのは知ってましたが、京都の図書館からの出向とか、そんな感じなんだろうと思ってたんですよね。なので、まさか!な新事実にビックリしてしまいました。

様々なエッセイが、これでもか、これでもか、と載っていて、モリミー節満載なエッセイもあれば、なかなかお堅い内容のものもあったり、精神的に参ってしまってた時のお話や奥様とのお話もあったして、読み応えがありました。てか、ありすぎました。最初にも書いてますが、終りが見えなくて、実はちょっとね、挫折しそうになったりもしましたもん・・・。元々、エッセイ集は苦手な方なので、読み終わったときは、私、頑張ったぁー!と達成感に包まれたりもして(笑)

笑ったり、ちょっとシンミリしたり、うむむむむむと唸ったり、と楽しいエッセイ集でした。


(2018.01 読了)




太陽と乙女
新潮社
森見 登美彦

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ラベル:読書 著者(ま)
posted by すずな at 12:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月30日

インフルエンス(近藤史恵)

作家である私は、ある日、興味を引く話があるので会って話を聞いて欲しい、という手紙を受け取る。最初は会うつもりはなかったが、手紙の中に気になることが書かれていて会う事に。そして、手紙の主である女性が語り出したには、大阪郊外の巨大団地で育った友梨、里子、真帆の三人の女性たちの物語だった・・・。

小学生時代の話から始まる3人の女性たちの物語は最初から不穏な空気をまとっていて、いやぁ~な感じなんだけど、途中で読むのを止められない。先が気になって、気になって、気になって、しょうがない。一気読みですよ。ガッツリ読んで、あぁ、久しぶりに読書に没頭したなぁという気分になりました。

友梨と里子、友梨と真帆の友情。そして、里子と真帆の関係。最初は確かに友情だったはずなのに、殺人事件と共に、それはカタチを替えていく。これを友情とは呼びたくないなぁと思うんだけど、彼女たちにしてみれば、これこそが友情の証となってしまったんですよね・・・。まぁ、彼女たちにしてみても、友情という単純な言葉では語れない複雑な感情が絡まりあっていると、多少の自覚はあったと思うんだけど。読みながら、そんなドロドロとした感情の波に飲み込まれ、絡み取られた、そんな気持ちになりました。

小中学生の頃で終わるのかと思いきや、まさか、大人になってからも、そんな”友情”に振り回されることにはなるとは・・・。彼女の行動は衝撃でした。そして、この世の人ではなくなっている女性というのが明かされて、またしても驚きが・・・。そんなぁ・・・という気分でした。切なかった。

清々しいラストにもならず、やるせない気持ちでいっぱいになりましたが、読書の充足感は抜群でした。そういう意味では、とても面白かった。



(2018.01 読了)




インフルエンス
文藝春秋
近藤 史恵

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ラベル:著者(か)
posted by すずな at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月28日

閉経記(伊東比呂美)

更年期を迎え、変化する身体、親の介護、偏屈な夫とのアメリカでの生活。そんな日々を語るエッセイ集。

今までの私なら絶対に手に取らなかったであろうタイトル(笑)
昨年秋に福岡に行ったんですが、ちょうど「BOOKUOKA」開催中でして。「福岡の書店員が選んだ激オシ文庫フェア」の中の1冊だったんですよね。何か1冊買おう!と思いつつ数冊を手に取ったんですが、「生欲(せいよく)」というタイトルで書かれた書店員さんの帯の文章に惹かれて思わず手に取ってしまいました。

閉経。女性なら、いつかはやってくるもの。私も、もうそう遠くない日にやってくるんだろうと思える歳になってきたので、気にならないと言えばウソになる。実際、体力の衰えは感じるし、本の文字の大きさも気になる今日この頃。伊藤さんのエッセイを読んで、そんなちょっと不安に感じる気持ちを吹き飛ばしたい、笑い飛ばしたい、そんな思いもあったんだろう思います。

・・・アメリカと熊本を行き来しての父親の介護って!もう、凄いわ、パワフルだわ、とのっけから驚かされました。まぁ、本人にしてみれば、しょうがないじゃない、やるしかないでしょ、って気持ちなんだとは思うんだけど・・・。そして、減らない体重の話やらなにやかにやが、本当に明け透けに書かれていて、読みながら、圧倒されつつ、何やら爽快な気持ちにもなりました。

連載されていたエッセイをまとめたもの、ということで、一つ一つが短かったのも良かったかな。ちょうど、電車でのお出かけ時に読んだので、細切れでも楽しめました。

介護されてた父親との別れのお話もあってシンミリしたりもしましたが、全体的にパワフルで、ふふふふと笑えるエピソードもあったりて、楽しく読むことが出来ました。私もその時がきたら、多少の悪あがきはしつつも、襲い掛かるアレコレを笑い飛ばしながら日々を送れるようにしたいなぁと思いました。


(2018.01 読了)





閉経記 (中公文庫)
中央公論新社
2017-06-22
伊藤 比呂美

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 15:17| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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