タイトルと可愛らしい装丁、そして「家にも学校にも居場所のない少年が出会った母娘と図書館トラックで未知の土地を駆け巡る」というあらすじに惹かれて手に取ったんですが、これがまぁ、なかなかハードな内容でした。
確かに「あらすじ」には嘘はなかったですよ。その通りと言えば、その通りなんだけど、でも、そんなサラッとしたものじゃなかった。12歳の少年ボビーは、家では父親とその恋人から虐待を受け、学校ではないじめにあっていて、そのいじめっ子への仕返しが警察沙汰になり、知り合った母娘の母親が働いている図書館トラックで逃走の旅に出る・・・というものだった。
これだけでも、かなり、ずずーんとくる内容なんだけど。実は、それだけじゃないんですよね。
家にも学校にも居場所がないボビーにサニーという友達が出来て、ボビーを救うためにある計画を立てる。まぁ、この計画がかなり無謀なもので、「ちょっとそれは止めてー!」と誰もが止めたくなるようなもの。なんたって、サニーが危険すぎるんですもん。命が危ない。読みながら、何度も、ひーっ;;;と叫びそうになった。案の定、その計画のせいで、せっかく出来た友人とも離れ離れになってしまう。ボビーには可哀相だけど、私がサニーの母親でも同じような行動を取ると思うよ・・・。
そして、自分で自分の身を守ろうといじめっ子たちへ反撃にでるんだけど、これがまたかなり・・・やりすぎでしょう;;;なくらいで。確かに、ボビーだって身の危険を感じてたとは思うんだけど。ちょっと腰が引けつつ続きを読みました。
悲しい結末を予想しつつのハラハラな逃亡劇でしたが、最後はちょっと救われるラストで良かったなぁと思いました。
いつか、みなで暮らせるといいなぁ・・・。
(2017.06.23 読了)