「菜の花食堂」のオーナーである靖子先生が月に二度開いていいる料理教室。主人公は派遣社員として働きながら料理教室で助手をしている優希。集まる生徒さんに関わるささやかな謎を靖子先生が紐解いていく・・・。
前から気になっていたんですが、なかなか手が出なくって・・・。今回、ようやく手にすることができました。もっと早く読めば良かったなぁという反省は、もうお約束のようなんだけど(笑)
「菜の花食堂」というタイトルなんだけど、お店としての食堂の様子はほとんど語られず、そこで開催される料理教室での出来事がメインでした。「自分が食べるためにこそ、おいしいものを作らなきゃ」という靖子先生のポリシーが物語全体に溢れている1冊で、登場するお料理の数々が心を癒してくれるような、そんなお話でした。
一番、印象的だったのは、助手の優希のお話「ケーキに罪はない」かな。靖子先生との出会いや前の職場や元同僚とのアレコレ。読みながら気持ちがずんずんと重くなってしまったんだけど、最後の先生に一言に胸いっぱいに暖かいものが溢れていきました。凛としたその一言が、かっこ良くて惚れ惚れ。ホント素敵な人だなぁ。
・・・と、靖子先生にベタ惚れしてたのに、最後の「チョコレートの願い」には、ちょっとビックリ。靖子先生にそんな過去があったなんて。娘さんとの関係にも驚きました。でも、家族だからこそ、こじれてしまうと中々、修正できないことってあるよなぁとも思ったり。優希の後押しも頼もしく、これから菜の花食堂や料理教室がどうなっていくのか、楽しみにもなってきました。
ということで、早速、シリーズ2作目も入手済みです。読めるのはちょっと先になりそうなんだけど、今月中には読みたいなぁ。
・はちみつはささやく
・茄子は覚えている
・ケーキに罪はない
・小豆は知っている
・ゴボウは主張する
・チョコレートの願い
(2017.05.05読了)