2017年05月07日

アンソロジー「隠す」<アミの会(仮)>

11人の人気女性作家さんたちが「隠す」をテーマに書き下ろした短編集。

いやいや、なんとも豪華な顔ぶれ。この顔ぶれを見ただけで、面白くないはずがない!と自信をもって言える短編集。なので、読む前からワクワクしながら読みましたが、その期待を裏切らない面白さでした。これだけの作家さんたちですからね、まぁバラエティにも富んでいて、本当に飽きない。飽きさせない。次はどんなお話かな・・・と思いながら読めて、あっという間に読了しました。

個人的には、久しぶりに光原さんと松尾さんのお話が読めたのが嬉しかった。あと、全ての作品に共通するものが隠されているんですが、それはね、まぁ、数話読めば分かるかなと思います。



・理由(柴田よしき)
・自宅警備員の憂鬱(永嶋恵美)
・誰にも言えない(松尾由美)
・撫桜亭奇譚(福田和代)
・骨になるまで(新津きよみ)
・アリババと四十の死体 まだ折れていない剣(光原百合)
・バースディブーケをあなたに(大崎梢)
・甘い生活(近藤史恵)
・水彩画(松村比呂美)
・少年少女秘密基地(加納朋子)
・心残り(篠田真由美)




(2017.03 読了)





アンソロジー 隠す
文藝春秋
大崎 梢

Amazonアソシエイト by アンソロジー 隠す の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

posted by すずな at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

剣と紅(高殿円)

某公営放送の大河ドラマの主人公として注目を集めている井伊直虎の生涯を描いた歴史エンターテイメント。

昨年話題になった大河ドラマは早々にリタイアしたんですが、今年は今のところ面白く、毎週楽しみに見ています。昨年のはね、ちょっと合わなかったですよね、軽すぎて。セリフの中に「女子会」という言葉が出た瞬間に見るのを止めました。そういうノリは大河ドラマではいらない、他の時代劇でやってください。という気分なんですよね、個人的にはね。まぁ、そういう意味では今年の大河も軽めではあるんだけど、それでも次も観たい!と思わせてくれる何かはあります。

・・・って、余計な話が長くなりました;;;

戦国時代は好きですが、この直虎については、ほとんどというより全く知らなくて。知らないままドラマを見ても良かったんですが、どういう生涯を送ったのかどうしても気になってしまって、この小説を手に取りました。

まぁ、ちょっとファンタジー要素もあるにはあるんですけど、最後まで面白く一気に読みました。男たちが次々と亡くなる中、女で城主にならなければならなかった直虎の人生。許嫁とも添えることはなく、その子供の後見人として井伊家存続の為に生きていく。生半可なことでは出来なかったと思うし、直虎の胸中を思うと切なく堪らない気持ちになります。

でも、やっぱり女は強いなぁとそんなことを思ったりもしたのでした。直虎にしても、直政の母にしても、結局、女たちが腹を据えて決断しなければ井伊家は滅亡していた訳ですから。

それにしても、政次がイヤなやつでしたねぇ。ドラマの方では、報われない想いと切ない表情に「まーさーつーぐー!」といつも胸を痛めているんですけど。こっちの政次は同情の余地なしって感じでした(笑)

直政の生涯を描いたお話もあるようなので、そっちも読んでみたいと思いました。


(2017.03 読了)




剣と紅
文藝春秋
高殿 円

Amazonアソシエイト by 剣と紅 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ラベル:著者(た) 読書
posted by すずな at 11:18| Comment(4) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

i(西加奈子)

アメリカ人の父と日本人の母に養子として迎えられたシリア人のアイの物語。

中学校の入学式の翌日、数学教師が言った「この世界にアイは存在しません。」その言葉はアイに衝撃を与え、彼女の胸にずっと居座ることになる・・・。

うーん、感想が難しい。この胸の感情を言葉に出来ないもどかしさと、自分のボキャブラリーに貧困さに凹みます。。。

主人公アイの「自分探しの旅」の物語。
養子として引き取られ恵まれた生活を送っている自分。どうして、大勢の孤児の中から自分が選ばれたのか。幼い頃から聞かされた母の言葉もあり、罪悪感も感じながら育ったアイ。数学教師の言葉で、それが増していく。両親の愛を一身に浴び、友人にも出会ったのに、埋められない孤独やモヤモヤとした気持ちが、じわじわと伝わってきて、やるせない気持ちになりました。

様々な経験を重ね、心の隙間を埋める人と出会い、どうかこれから心穏やかに人生を過ごせますようにと願わずにはいられませんでした。



(2017.03 読了)





i(アイ)
ポプラ社
西 加奈子

Amazonアソシエイト by i(アイ) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ラベル:読書 著者(な)
posted by すずな at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。