源氏物語を源氏の君を通じて姉妹となった女たちの告白。という体裁の物語。
思わずタイトルに惹かれて手に取った。光源氏とまぐわった者同士ということで、姉妹(しすたあず)。そんな目線で書かれた本書。途中、女たちの独白調になったりして、そうきたか!そうなるか!と、なかなか面白く読みました。こういう読み方をすると、源氏との関係を女たちがどう捉えていたのかが分かって、とっても興味深かった。
それにしても、酒井さんてば、ばっさばっさと源氏の君を切りまくってくれちゃって!この本を読んだ後には、漫画「あさきゆめみし」(大和和紀)なんて普通に読めないよーって感じです(笑)
そうそう。最後の座談会も女子会のノリで楽しかったなぁ。
(2017.04 読了)
2017年05月07日
ついに、来た?(群ようこ)
親の老いをテーマにした短編集。
私にとっても身近で、そう遠くない将来訪れる問題なので、ちょっと不安も感じながら読み始めました。
再婚した母が出戻ったらどうも様子がおかしかったり、義父の様子がおかしいと訴えても夫は認めたがらなかったり、認知症の母を引き取ったら夫の親が・・・と、どのお話も女性が主人公。そして、どのお話も深刻なものばかり。でも、それが重苦しい雰囲気ではなく、ユーモアを交えて描いてあるので、ちょっと笑えたりする部分もあって、覚悟していたよりは穏やかに読めました。
戸惑いつつも、しょうがないか、と受け止めて、事態に向き合っていく。そんな姿を読んでいたら、ちょっと勇気を貰えたような気がします。もちろん、現実はそんなに甘くないんだろうとは思うけれど。来たるべきその日を、出来るだけ穏やかに迎えられたらいいなぁと思ったのでした。
・母、出戻る?
・義父、探す?
・母、歌う?
・長男、威張る?
・母、危うし?
・伯母たち、仲良く?
・母、見える?
・父、行きつ戻りつ?
(2017.04. 読了)
私にとっても身近で、そう遠くない将来訪れる問題なので、ちょっと不安も感じながら読み始めました。
再婚した母が出戻ったらどうも様子がおかしかったり、義父の様子がおかしいと訴えても夫は認めたがらなかったり、認知症の母を引き取ったら夫の親が・・・と、どのお話も女性が主人公。そして、どのお話も深刻なものばかり。でも、それが重苦しい雰囲気ではなく、ユーモアを交えて描いてあるので、ちょっと笑えたりする部分もあって、覚悟していたよりは穏やかに読めました。
戸惑いつつも、しょうがないか、と受け止めて、事態に向き合っていく。そんな姿を読んでいたら、ちょっと勇気を貰えたような気がします。もちろん、現実はそんなに甘くないんだろうとは思うけれど。来たるべきその日を、出来るだけ穏やかに迎えられたらいいなぁと思ったのでした。
・母、出戻る?
・義父、探す?
・母、歌う?
・長男、威張る?
・母、危うし?
・伯母たち、仲良く?
・母、見える?
・父、行きつ戻りつ?
(2017.04. 読了)
ツバキ文具店(小川糸)
鎌倉で代書屋として暮らす鳩子。お悔み状、絶縁状、ラブレター、天国からの手紙など、大切な人への手紙を依頼主に代わってしたため届ける日々。
毎日を丁寧に暮らす。そんな言葉浮かんだ小説でした。鳩子の元に舞い込む依頼は、楽しいものばかりではなく、逆に依頼主が上手く書けない手紙を依頼してくるのだから難しいものばかり。時には絶縁状だったり、離婚報告状だったりと気の重い物もある。そんな手紙を綴るには、やはり日々の暮らしぶりが大切なんだろうなぁと思わせる物語でした。
こんな依頼の手紙をどう書くの?というものも、鳩子が書き上げた手紙を読むと思わず拍手を送りたくなるものばかりでした。文章だけでなく、ペンや文字やその色、紙や封筒も、その手紙に合わせて選んで書く。見事!としか言いようがありませんでした。
最後、おばあちゃんの手紙には思わず涙腺が・・・。
読みながら、そういえば一時期ガラスペンに凝って、使ってことがあったなぁ…。あれ、どこに仕舞ったかな?長く文通していた彼女は、今頃どうしているのかな?元気かな?手紙を書いてみようかな、迷惑かな。と、あれこれと思い返したりもしました。
とても優しい気持ちになれる物語でした。
(2017.04 読了)
毎日を丁寧に暮らす。そんな言葉浮かんだ小説でした。鳩子の元に舞い込む依頼は、楽しいものばかりではなく、逆に依頼主が上手く書けない手紙を依頼してくるのだから難しいものばかり。時には絶縁状だったり、離婚報告状だったりと気の重い物もある。そんな手紙を綴るには、やはり日々の暮らしぶりが大切なんだろうなぁと思わせる物語でした。
こんな依頼の手紙をどう書くの?というものも、鳩子が書き上げた手紙を読むと思わず拍手を送りたくなるものばかりでした。文章だけでなく、ペンや文字やその色、紙や封筒も、その手紙に合わせて選んで書く。見事!としか言いようがありませんでした。
最後、おばあちゃんの手紙には思わず涙腺が・・・。
読みながら、そういえば一時期ガラスペンに凝って、使ってことがあったなぁ…。あれ、どこに仕舞ったかな?長く文通していた彼女は、今頃どうしているのかな?元気かな?手紙を書いてみようかな、迷惑かな。と、あれこれと思い返したりもしました。
とても優しい気持ちになれる物語でした。
(2017.04 読了)