2017年05月28日

校閲ガール トルネード(宮木あや子)

シリーズ3作目。

今回はTVドラマ化もされて、その関係もあるのかないのか、お仕事よりも恋愛色の方が強いなぁと思いながら読みました。あ、でも、ミステリ要素もあったりして、これはこれで楽しめたんですけどね。

今回ようやく悦子が念願かなって、校閲部から雑誌の編集部に異動になれました。張り切る悦子。でも、なかなか理想通りにはいかず大変で。それでも、頑張る悦子には声援を送りつつ、校閲部に居た時の方がキラキラしてたような、と思ってしまいました。「やりたいことと、やれることは違う」んですよね。「好きだから自分に向いてる」訳ではないんですよね。誰でもそれを悟る日がやってくる。もちろん、やりたいことをやれてる人もいるし、好きなことが自分に向いてる人もいるんですけど。それは、極々、少数派だと思います。大抵の人は、いつか、気付いて、折り合いをつけていくものなんですよね。
・・・というようなことを、しみじみ思ったのでした。ちょっとハッとさせられたりもしたのでした。

それしても。貝塚くんの涙ぐましい努力に・・・。が、がんばれよ。と声援を送りつつ、報われる日が来るのかなとも思ったり。でも、いつか・・・なりそうな気はしないでもないですけどね。

なんだか、このシリーズは完結みたいですが、そういうことも含めて、その後の彼らに会えるといいなぁと願ってしまいます。


(2017.05 読了)




校閲ガール トルネード
KADOKAWA
2016-10-27
宮木 あや子

Amazonアソシエイト by 校閲ガール トルネード の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ラベル:読書 著者(ま)
posted by すずな at 11:16| Comment(4) | TrackBack(2) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

群青のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2(福田和代)

航空自衛隊の音楽隊を舞台にした青春ミステリ「碧空うのカノン」に続く2作目。

実は最近、3作目が発売されたのを知って「え?2巻を読んでない!」と慌てて手に取りました。今回も、音楽隊に所属する佳音が出会った日常の謎を描いた物語。あ、それにちょっと恋愛模様も・・・(笑)

と、思わず笑っちゃったのが、相変わらずも渡会くんの報われなさが・・・。佳音の鈍感ぶりに、これはかなり可哀想だなぁと思いつつ、微笑ましくてねぇ。でも、なんだかんだ言いながら、気づいてないだけで佳音も・・・と思わせる言葉があって、ニマニマしちゃいました。

最初の章のバスに隠していた大事な物が無くなって・・・というカラクリは、読んでてすぐにわかったので、やっぱりね、って感じでしたが、迷子のお話は全く予想外でビックリしました。子供を連れて外出すると、こういう事態にもなりかねないという事実に、ハッとさせられました。子供がある程度大きければいいでしょうけど、小さいうちは、こういうリスクもあるんだということ。私の姪は下の子も小学校高学年になったので、もしもの時でも何とかなるかなとは思うけれど、もう少し小さい頃だったら・・・と考えると、ゾッとしますね。今まで何事もなく過ごしてこれて良かったなぁと、しみじみと思ったのでした。

3巻では、どんな謎に遭遇するのかもですが、佳音と渡会の関係がどうなっていくのか、そっちも楽しみです。


(2017.05 読了)







Amazonアソシエイト by 群青のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ラベル:著者(は) 読書
posted by すずな at 10:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クローバーナイト(辻村深月)

裕は保育園に通う二人の子どものいる父親。ママ友の不倫疑惑、保活、お受験、お誕生会と次々と子育てにまつわる試練が訪れる。そんな新米パパの奮闘を描いた連作短編集。

保活の大変さは昨年も話題になったりしたので知ってましたが、私の想像を遥かに越えた大変さに慄いてしまいました。こんなに大変なら、そりゃ~愚痴りたくなるし、つい、強い口調で罵りたくなる訳だ、と納得。とはいえ、大変なのは保活だけじゃなくって、お受験にお誕生会・・・と、あれこもこれもとテンコ盛り。仕事しながら、こんなことに対応していかなくちゃいけない親の苦労って・・・。自分のことなら「面倒くさい・・・」で切って捨てられることでも、子どものことを考えるとね、そういう訳にもいかないだろうなぁと思うし。

・・・と、パパママの大変さを実感しつつ、辻村さんの作風が変わったなぁとしみじみ思った1冊でした。

いや、これはこれで面白かったんですけどね。でも、辻村作品と言えば、読みながら心のかさぶたをピリピリと剥がれるような、過去のあれこれを思い出して顔を顰めたくなっちゃうような、キリキリとイタイ・・・というような印象が強かったのでね。この前に読んだ「東京會舘とわたし」でも感じたんですが、やはり出産されたというのが大きいんでしょうか。それとも、父親目線だったからなんでしょうか。

そうそう。このお父さんが、多少の葛藤はあるにしても、本当に出来たお父さんでしたねぇ。まさに理想の父親、夫、という感じでした。問題が起こるのが、周りの家族ばかりだったというのもあるんでしょうが。あ、でも、最後は主人公家族の問題で、これはね、ちょっと、いや、かなり読んでてムカムカしました。どうなることかと思ったけど、最後はピシリと言ってくれてスッキリしました。

取り上げられていることは、かなりドロドロするし重いものばかりでしたが、主人公父親と家族のお蔭で、ほっこり優しい物語になってました。今までの辻村作品と比べると、心の負担が少なくって読みやすかったかな。まぁ、逆にいうと、ちょっと物足りなさも感じなくもないかな、とも思ったのでした。

いや、面白かったんですよ!面白かったんですけどね・・・。


(2017.05. 読了)





クローバーナイト
光文社
辻村 深月

Amazonアソシエイト by クローバーナイト の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ラベル:著者(た) 読書
posted by すずな at 10:27| Comment(4) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。