シリーズ3作目。
今回はTVドラマ化もされて、その関係もあるのかないのか、お仕事よりも恋愛色の方が強いなぁと思いながら読みました。あ、でも、ミステリ要素もあったりして、これはこれで楽しめたんですけどね。
今回ようやく悦子が念願かなって、校閲部から雑誌の編集部に異動になれました。張り切る悦子。でも、なかなか理想通りにはいかず大変で。それでも、頑張る悦子には声援を送りつつ、校閲部に居た時の方がキラキラしてたような、と思ってしまいました。「やりたいことと、やれることは違う」んですよね。「好きだから自分に向いてる」訳ではないんですよね。誰でもそれを悟る日がやってくる。もちろん、やりたいことをやれてる人もいるし、好きなことが自分に向いてる人もいるんですけど。それは、極々、少数派だと思います。大抵の人は、いつか、気付いて、折り合いをつけていくものなんですよね。
・・・というようなことを、しみじみ思ったのでした。ちょっとハッとさせられたりもしたのでした。
それしても。貝塚くんの涙ぐましい努力に・・・。が、がんばれよ。と声援を送りつつ、報われる日が来るのかなとも思ったり。でも、いつか・・・なりそうな気はしないでもないですけどね。
なんだか、このシリーズは完結みたいですが、そういうことも含めて、その後の彼らに会えるといいなぁと願ってしまいます。
(2017.05 読了)
2017年05月28日
群青のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2(福田和代)
航空自衛隊の音楽隊を舞台にした青春ミステリ「碧空うのカノン」に続く2作目。
実は最近、3作目が発売されたのを知って「え?2巻を読んでない!」と慌てて手に取りました。今回も、音楽隊に所属する佳音が出会った日常の謎を描いた物語。あ、それにちょっと恋愛模様も・・・(笑)
と、思わず笑っちゃったのが、相変わらずも渡会くんの報われなさが・・・。佳音の鈍感ぶりに、これはかなり可哀想だなぁと思いつつ、微笑ましくてねぇ。でも、なんだかんだ言いながら、気づいてないだけで佳音も・・・と思わせる言葉があって、ニマニマしちゃいました。
最初の章のバスに隠していた大事な物が無くなって・・・というカラクリは、読んでてすぐにわかったので、やっぱりね、って感じでしたが、迷子のお話は全く予想外でビックリしました。子供を連れて外出すると、こういう事態にもなりかねないという事実に、ハッとさせられました。子供がある程度大きければいいでしょうけど、小さいうちは、こういうリスクもあるんだということ。私の姪は下の子も小学校高学年になったので、もしもの時でも何とかなるかなとは思うけれど、もう少し小さい頃だったら・・・と考えると、ゾッとしますね。今まで何事もなく過ごしてこれて良かったなぁと、しみじみと思ったのでした。
3巻では、どんな謎に遭遇するのかもですが、佳音と渡会の関係がどうなっていくのか、そっちも楽しみです。
(2017.05 読了)
実は最近、3作目が発売されたのを知って「え?2巻を読んでない!」と慌てて手に取りました。今回も、音楽隊に所属する佳音が出会った日常の謎を描いた物語。あ、それにちょっと恋愛模様も・・・(笑)
と、思わず笑っちゃったのが、相変わらずも渡会くんの報われなさが・・・。佳音の鈍感ぶりに、これはかなり可哀想だなぁと思いつつ、微笑ましくてねぇ。でも、なんだかんだ言いながら、気づいてないだけで佳音も・・・と思わせる言葉があって、ニマニマしちゃいました。
最初の章のバスに隠していた大事な物が無くなって・・・というカラクリは、読んでてすぐにわかったので、やっぱりね、って感じでしたが、迷子のお話は全く予想外でビックリしました。子供を連れて外出すると、こういう事態にもなりかねないという事実に、ハッとさせられました。子供がある程度大きければいいでしょうけど、小さいうちは、こういうリスクもあるんだということ。私の姪は下の子も小学校高学年になったので、もしもの時でも何とかなるかなとは思うけれど、もう少し小さい頃だったら・・・と考えると、ゾッとしますね。今まで何事もなく過ごしてこれて良かったなぁと、しみじみと思ったのでした。
3巻では、どんな謎に遭遇するのかもですが、佳音と渡会の関係がどうなっていくのか、そっちも楽しみです。
(2017.05 読了)
クローバーナイト(辻村深月)
裕は保育園に通う二人の子どものいる父親。ママ友の不倫疑惑、保活、お受験、お誕生会と次々と子育てにまつわる試練が訪れる。そんな新米パパの奮闘を描いた連作短編集。
保活の大変さは昨年も話題になったりしたので知ってましたが、私の想像を遥かに越えた大変さに慄いてしまいました。こんなに大変なら、そりゃ~愚痴りたくなるし、つい、強い口調で罵りたくなる訳だ、と納得。とはいえ、大変なのは保活だけじゃなくって、お受験にお誕生会・・・と、あれこもこれもとテンコ盛り。仕事しながら、こんなことに対応していかなくちゃいけない親の苦労って・・・。自分のことなら「面倒くさい・・・」で切って捨てられることでも、子どものことを考えるとね、そういう訳にもいかないだろうなぁと思うし。
・・・と、パパママの大変さを実感しつつ、辻村さんの作風が変わったなぁとしみじみ思った1冊でした。
いや、これはこれで面白かったんですけどね。でも、辻村作品と言えば、読みながら心のかさぶたをピリピリと剥がれるような、過去のあれこれを思い出して顔を顰めたくなっちゃうような、キリキリとイタイ・・・というような印象が強かったのでね。この前に読んだ「東京會舘とわたし」でも感じたんですが、やはり出産されたというのが大きいんでしょうか。それとも、父親目線だったからなんでしょうか。
そうそう。このお父さんが、多少の葛藤はあるにしても、本当に出来たお父さんでしたねぇ。まさに理想の父親、夫、という感じでした。問題が起こるのが、周りの家族ばかりだったというのもあるんでしょうが。あ、でも、最後は主人公家族の問題で、これはね、ちょっと、いや、かなり読んでてムカムカしました。どうなることかと思ったけど、最後はピシリと言ってくれてスッキリしました。
取り上げられていることは、かなりドロドロするし重いものばかりでしたが、主人公父親と家族のお蔭で、ほっこり優しい物語になってました。今までの辻村作品と比べると、心の負担が少なくって読みやすかったかな。まぁ、逆にいうと、ちょっと物足りなさも感じなくもないかな、とも思ったのでした。
いや、面白かったんですよ!面白かったんですけどね・・・。
(2017.05. 読了)
保活の大変さは昨年も話題になったりしたので知ってましたが、私の想像を遥かに越えた大変さに慄いてしまいました。こんなに大変なら、そりゃ~愚痴りたくなるし、つい、強い口調で罵りたくなる訳だ、と納得。とはいえ、大変なのは保活だけじゃなくって、お受験にお誕生会・・・と、あれこもこれもとテンコ盛り。仕事しながら、こんなことに対応していかなくちゃいけない親の苦労って・・・。自分のことなら「面倒くさい・・・」で切って捨てられることでも、子どものことを考えるとね、そういう訳にもいかないだろうなぁと思うし。
・・・と、パパママの大変さを実感しつつ、辻村さんの作風が変わったなぁとしみじみ思った1冊でした。
いや、これはこれで面白かったんですけどね。でも、辻村作品と言えば、読みながら心のかさぶたをピリピリと剥がれるような、過去のあれこれを思い出して顔を顰めたくなっちゃうような、キリキリとイタイ・・・というような印象が強かったのでね。この前に読んだ「東京會舘とわたし」でも感じたんですが、やはり出産されたというのが大きいんでしょうか。それとも、父親目線だったからなんでしょうか。
そうそう。このお父さんが、多少の葛藤はあるにしても、本当に出来たお父さんでしたねぇ。まさに理想の父親、夫、という感じでした。問題が起こるのが、周りの家族ばかりだったというのもあるんでしょうが。あ、でも、最後は主人公家族の問題で、これはね、ちょっと、いや、かなり読んでてムカムカしました。どうなることかと思ったけど、最後はピシリと言ってくれてスッキリしました。
取り上げられていることは、かなりドロドロするし重いものばかりでしたが、主人公父親と家族のお蔭で、ほっこり優しい物語になってました。今までの辻村作品と比べると、心の負担が少なくって読みやすかったかな。まぁ、逆にいうと、ちょっと物足りなさも感じなくもないかな、とも思ったのでした。
いや、面白かったんですよ!面白かったんですけどね・・・。
(2017.05. 読了)