5つの犯罪を描いた短編集。
女児行方不明、内縁の夫の依頼殺人、ギャンブルの末の横領、集落内の村八分からの大量殺人、元野球選手による強盗殺人と、5つの事件それぞれがどこかで読んだような・・・と思っていたら、実際に起こった事件をベースに書かれたお話だったようで納得。
どのお話も、発端は些細なことで、そのちょっとしたことから犯罪に発展していく過程が描かれていて、なんともやるせない、切ない気持ちになりました。
特に集落内の村八分からの大量殺人を描いた「万屋善次郎」はね、加害者に心からの同情を禁じえない。もちろん、殺人を肯定する気持ちは一切ないけれど、そういう行動に走らせたのは、被害者の村人たちにも原因がある訳で。もっと違うカタチで不快感を伝えるとか、やりようはあっただろうに・・・と思えてなりません。まぁ、それは、閉鎖的な村だけではなく、もう少し小さなコミュニティ単位で言うと、職場内でも、似たような人間関係の軋轢は起こったりするのだけれど、ね。ただ、殺人にまで発展してしまうとね。やっぱり、もうちょっとどうにか出来なかったのだろうかと思ってしまいますね。人間もだけれど、巻き込まれてしまった犬も可愛そうでした。
どのお話も、結末がハッキリ書かれてなかったりもして、スッキリと終われるものがなくて、もやもやが残るものばかり。読み進める毎に、心の中にそのもやもやが積もっていって、どうしよう・・・という気持ちになったんですが、最後の「白球白蛇伝」でなんとか救われた感がありました。親が犯罪者になっても、その子供には罪はないのだから。思わずね、涙腺が緩んでしまった。
些細な発端で犯罪に発展していく。こんなお話を読むと、自分もいつ何時、そうなるか分からない、そんな怖さも感じた1冊でした。
・青田Y字路
・曼珠姫午睡
・百家楽餓鬼
・万屋善次郎
・白球白蛇伝
(2017.02 読了)
2017年02月22日
あきない世傳 金と銀(三)奔流篇(髙田郁)
シリーズ3作目。
五鈴屋の四代目徳兵衛の後添えとなった幸だったが、その徳兵衛が不慮の事故で亡くなり、弟の惣次が幸を娶ることを条件に五代目を継ぐと宣言。幸の決断は・・・。
ちょ、惣次!何やっての!?そうじーーーーっ!ばかばかばかばかばかーーーっ!!!
と、叫びたくなる3巻でした。
ということで、思いっきりネタバレしてます。未読の方はご注意ください。
*****
ネタバレ注意
*****
前巻を読んだ時に、幸の気持ちは!?と思いはしたものの、惣次なら幸の商才も買ってるみたいだし、何よりちゃんと幸への想いもあるから大丈夫だと思っていたんだよね。きっと、良い夫婦になって、二人で五鈴屋を守り立てていってくれるんだと、そう思ってたんだけどなぁ・・・。だから、物語としては、商売上の難題が降りかかってきたり、それこそ、大火に見舞われたりとか、そういう苦労を二人で乗り越えていく、そんなお話になるのかなと思ってたんだけど。そんな読者の思いをあざ笑うかのような展開に言葉を失くしてしまいました。
最初は良かったんだよね。惣次も幸にメロメロ惚れてて、ちゃんと立場を守ってくれたり、幸のアイディアも素直に受け入れたりして。それが、だんだんと不穏な空気が流れてきて・・・。あ~ヤダヤダ。肝のちっさなオトコだよ。全くさぁ。五鈴屋を大きくしたいなら、幸の商才に嫉妬するんじゃなくて、上手く利用(言葉は悪いけど)すればいいじゃないの!旦那なら、もっと大きな心を持てや!せっかく好感度上がってたのに、だだ下がりじゃないかーっ!まさか、コイツも”あほぼん”だったとはーっ!きーっ!と、ムカムカぷんすかしつつ読了しました。
最後はちょっと溜飲を下げましたが、良かったよ・・・とは言えない事態。これからどんな展開になるのか全く読めません。ただ、まだまだ困難は続きそうですね。幸には、その名前の通り、本当に幸せになって欲しいんだけどなぁ・・・。
(2017.02.19 読了)
五鈴屋の四代目徳兵衛の後添えとなった幸だったが、その徳兵衛が不慮の事故で亡くなり、弟の惣次が幸を娶ることを条件に五代目を継ぐと宣言。幸の決断は・・・。
ちょ、惣次!何やっての!?そうじーーーーっ!ばかばかばかばかばかーーーっ!!!
と、叫びたくなる3巻でした。
ということで、思いっきりネタバレしてます。未読の方はご注意ください。
*****
ネタバレ注意
*****
前巻を読んだ時に、幸の気持ちは!?と思いはしたものの、惣次なら幸の商才も買ってるみたいだし、何よりちゃんと幸への想いもあるから大丈夫だと思っていたんだよね。きっと、良い夫婦になって、二人で五鈴屋を守り立てていってくれるんだと、そう思ってたんだけどなぁ・・・。だから、物語としては、商売上の難題が降りかかってきたり、それこそ、大火に見舞われたりとか、そういう苦労を二人で乗り越えていく、そんなお話になるのかなと思ってたんだけど。そんな読者の思いをあざ笑うかのような展開に言葉を失くしてしまいました。
最初は良かったんだよね。惣次も幸にメロメロ惚れてて、ちゃんと立場を守ってくれたり、幸のアイディアも素直に受け入れたりして。それが、だんだんと不穏な空気が流れてきて・・・。あ~ヤダヤダ。肝のちっさなオトコだよ。全くさぁ。五鈴屋を大きくしたいなら、幸の商才に嫉妬するんじゃなくて、上手く利用(言葉は悪いけど)すればいいじゃないの!旦那なら、もっと大きな心を持てや!せっかく好感度上がってたのに、だだ下がりじゃないかーっ!まさか、コイツも”あほぼん”だったとはーっ!きーっ!と、ムカムカぷんすかしつつ読了しました。
最後はちょっと溜飲を下げましたが、良かったよ・・・とは言えない事態。これからどんな展開になるのか全く読めません。ただ、まだまだ困難は続きそうですね。幸には、その名前の通り、本当に幸せになって欲しいんだけどなぁ・・・。
(2017.02.19 読了)
◆2017年1月の読書
さて、ようやく1月のまとめ記事に辿りつきましたよ・・・。な、長かった;;;いろいろあった。あり過ぎた・・・。
ということで、今年はアレコレ落ち着かない一年になりそうな予感に慄いておりますが、なんとか、ここまで辿りつけてホッとしております。
1.シャルロットの憂鬱(近藤史恵)★★★
2.コンビニ人間(村田沙耶香)★★★★
3.我ら荒野の七重奏(加納朋子)★★★★★
4.本バスめぐりん。(大崎梢)★★★★★
5.七月に流れる花(恩田陸)★★★★
6.八月は冷たい城(恩田陸)★★★★
7.サブマリン(伊坂幸太郎)★★★★
8.みかづき(森絵都)★★★★★
9.手のひらの京(綿矢りさ)★★★
10.花咲小路三丁目のナイト(小路幸也)★★★★
11.神仙の告白 僕僕先生 旅路の果てに(仁木英之)★★★★
2017年1月の読書は11冊。5つ★は3冊。
なんとか2桁に乗せた・・・という感じですが。まぁ、でもね、面白い本ばかりで、かなり充実した1ヶ月だったと思います。1月がこんな感じだと、幸先良くって嬉しい♪
小説以外でも、頑張った1ヶ月でした(笑)
◆七つの大罪(鈴木央)
職場の同僚から、どどーんと回ってきたまま放置すること・・・約1年^_^;これはいかん!とお正月休み、箱根駅伝をTV観戦しながら、読みまくりました!23巻まで一気読み。読み終わった後の達成感といったら、もうね、言葉に出来ませんよ~(笑)でも、まだ完結してないんですよね・・・。ま、今後は1冊ずつ回ってくるので、すぐに読めると思うので大丈夫。うん、大丈夫!←言聞かせ中(笑)
◆おまつり万歳(たかぎなおこ)
楽しい!お祭り行きたい!もうね、それに尽きる1冊でした。お祭りもだけど、食がね、やっぱりね、そそられますよねぇ(笑)
◆7SEEDS 33巻(田村由美)
新巻さん・・・。そうだよね、仲間が次々といなくなる中、一人ずっと生き延びてきたんだもんね・・・。と、改めて新巻さんの辿った道を思い返した巻でした。そして、花ちゃんと嵐がなかなか会えなくてねぇ・・・。困難ばかりが立ちはだかる。早く会わせてよー!とジタバタしちゃいました。でも、そろそろクライマックスに向かってるのかな、という印象です。
・・・ってなことを、ちょっと前の巻を読んだときにも言ったような気がするけど^_^;
ということで、新しい一年が始まりました。
お正月は、いつものようにニューイヤー駅伝から箱根駅伝と駅伝三昧な3日間。特にニューイヤー駅伝では、久しぶりに地元宮崎の旭化成が優勝だったので、家族で大興奮でした。いや~ドキドキしたよ~。箱根駅伝は、今年も青学がダントツでして。凄いなぁと思う反面、観てる方としては、もうちょっと競合いとかあればなぁ・・・とかね、そんなことも思っちゃったりもしたのでした。
そんなこんななお正月も終り、落ち着いてきたかなぁと思った矢先、伯母が他界。不調を訴えて病院を受診してから1ヶ月という短い闘病でした。あっという間で、覚悟とかね、そんなものも感じることが出来ないまま・・・。ビックリしすぎて、いまだに実感が湧かない、そんな感じです。
そして、2月は穏かに過ぎると思いきや・・・。
(2017.02.22)
ということで、今年はアレコレ落ち着かない一年になりそうな予感に慄いておりますが、なんとか、ここまで辿りつけてホッとしております。
1.シャルロットの憂鬱(近藤史恵)★★★
2.コンビニ人間(村田沙耶香)★★★★
3.我ら荒野の七重奏(加納朋子)★★★★★
4.本バスめぐりん。(大崎梢)★★★★★
5.七月に流れる花(恩田陸)★★★★
6.八月は冷たい城(恩田陸)★★★★
7.サブマリン(伊坂幸太郎)★★★★
8.みかづき(森絵都)★★★★★
9.手のひらの京(綿矢りさ)★★★
10.花咲小路三丁目のナイト(小路幸也)★★★★
11.神仙の告白 僕僕先生 旅路の果てに(仁木英之)★★★★
2017年1月の読書は11冊。5つ★は3冊。
なんとか2桁に乗せた・・・という感じですが。まぁ、でもね、面白い本ばかりで、かなり充実した1ヶ月だったと思います。1月がこんな感じだと、幸先良くって嬉しい♪
小説以外でも、頑張った1ヶ月でした(笑)
◆七つの大罪(鈴木央)
職場の同僚から、どどーんと回ってきたまま放置すること・・・約1年^_^;これはいかん!とお正月休み、箱根駅伝をTV観戦しながら、読みまくりました!23巻まで一気読み。読み終わった後の達成感といったら、もうね、言葉に出来ませんよ~(笑)でも、まだ完結してないんですよね・・・。ま、今後は1冊ずつ回ってくるので、すぐに読めると思うので大丈夫。うん、大丈夫!←言聞かせ中(笑)
◆おまつり万歳(たかぎなおこ)
楽しい!お祭り行きたい!もうね、それに尽きる1冊でした。お祭りもだけど、食がね、やっぱりね、そそられますよねぇ(笑)
◆7SEEDS 33巻(田村由美)
新巻さん・・・。そうだよね、仲間が次々といなくなる中、一人ずっと生き延びてきたんだもんね・・・。と、改めて新巻さんの辿った道を思い返した巻でした。そして、花ちゃんと嵐がなかなか会えなくてねぇ・・・。困難ばかりが立ちはだかる。早く会わせてよー!とジタバタしちゃいました。でも、そろそろクライマックスに向かってるのかな、という印象です。
・・・ってなことを、ちょっと前の巻を読んだときにも言ったような気がするけど^_^;
ということで、新しい一年が始まりました。
お正月は、いつものようにニューイヤー駅伝から箱根駅伝と駅伝三昧な3日間。特にニューイヤー駅伝では、久しぶりに地元宮崎の旭化成が優勝だったので、家族で大興奮でした。いや~ドキドキしたよ~。箱根駅伝は、今年も青学がダントツでして。凄いなぁと思う反面、観てる方としては、もうちょっと競合いとかあればなぁ・・・とかね、そんなことも思っちゃったりもしたのでした。
そんなこんななお正月も終り、落ち着いてきたかなぁと思った矢先、伯母が他界。不調を訴えて病院を受診してから1ヶ月という短い闘病でした。あっという間で、覚悟とかね、そんなものも感じることが出来ないまま・・・。ビックリしすぎて、いまだに実感が湧かない、そんな感じです。
そして、2月は穏かに過ぎると思いきや・・・。
(2017.02.22)
ラベル:読書記録
神仙の告白 僕僕先生 旅路の果てに(仁木英之)
シリーズ10作目。
劉欣を失い、長安で過ごしていた王弁と僕僕。突然、王弁が眠りに落ちてしまい、王弁を助けるために僕僕は薬丹の材料を探しに行くが・・・。
いよいよ、いよいよ、いよいよだー!と、そんな言葉が口からポロリとこぼれちゃうくらい、ホントのホントにクライマックスを向けて物語が進んでいると感じた巻でした。シリーズ何作目だったか、このシリーズは終わるんだろうか?もし終りを迎えるとしたらどんなラストにするつもりなんだろうか?と思ったことがあったんですよね。それくらい、王弁と僕僕の旅が、ずーっと続きそうな印象を受けたんですが、とうとうその時がやってくるんだ!という気持ちになりました。
旅の終りを感じるとともに、僕僕の想いが明かされた巻でもありました。ちょっと前に、現代に生まれ変わった王弁と僕僕の物語を短編で読んではいたものの、僕僕がきちんと言葉にするとは!とビックリしつつ、ちょっとね、なんかね、ウヘヘヘとなってしまったのでした。
それ以外でも嬉しかったのは、かつての旅の仲間だった薄妃が合流したこと。そして、僕僕捕獲の為に動き出した神仙たちの顔ぶれが、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、関羽と、どこかで聞いた名前ばかりだったのも、ちょっとテンション上がりました。まぁ、ここでその名前が出てくるって!と、突っ込みたい気持ちもあるといえばあるけどね(笑)
なんにしろ、王弁、早く目覚めろーっ!と叫びつつ、次巻を待ちたいと思います。どんな結末が待ってるんでしょうか・・・。
(2017.01 読了)
劉欣を失い、長安で過ごしていた王弁と僕僕。突然、王弁が眠りに落ちてしまい、王弁を助けるために僕僕は薬丹の材料を探しに行くが・・・。
いよいよ、いよいよ、いよいよだー!と、そんな言葉が口からポロリとこぼれちゃうくらい、ホントのホントにクライマックスを向けて物語が進んでいると感じた巻でした。シリーズ何作目だったか、このシリーズは終わるんだろうか?もし終りを迎えるとしたらどんなラストにするつもりなんだろうか?と思ったことがあったんですよね。それくらい、王弁と僕僕の旅が、ずーっと続きそうな印象を受けたんですが、とうとうその時がやってくるんだ!という気持ちになりました。
旅の終りを感じるとともに、僕僕の想いが明かされた巻でもありました。ちょっと前に、現代に生まれ変わった王弁と僕僕の物語を短編で読んではいたものの、僕僕がきちんと言葉にするとは!とビックリしつつ、ちょっとね、なんかね、ウヘヘヘとなってしまったのでした。
それ以外でも嬉しかったのは、かつての旅の仲間だった薄妃が合流したこと。そして、僕僕捕獲の為に動き出した神仙たちの顔ぶれが、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、関羽と、どこかで聞いた名前ばかりだったのも、ちょっとテンション上がりました。まぁ、ここでその名前が出てくるって!と、突っ込みたい気持ちもあるといえばあるけどね(笑)
なんにしろ、王弁、早く目覚めろーっ!と叫びつつ、次巻を待ちたいと思います。どんな結末が待ってるんでしょうか・・・。
(2017.01 読了)