2017年01月22日

八月は冷たい城(恩田陸)

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。参加させられる理由は知っていたものの、「みどりおとこ」に対する疑念も含め様々な思いを抱えたまま城に到着すると、そこには一緒に過ごす少年と同じ数の首から折られたひまわりの花が並べられていて・・・。

女の子が主人公の「七月に流れる花」と対になった作品。七月~の記事でも書きましたが、こちらの八月~が下巻(または後編)みたいな感じかな。時期的には七月~と同じなんだけど、こちらにはその七月~のネタバレが思いっきり書かれてるんですよね・・・。

七月~も訳が分からずドキドキして怖かったけど、八月の方が断然、怖かった!血まみれとか、鎌持ってとか、食べちゃうとか、もうね、ぎぇぇぇっ!やーめーてーっ!!と叫びだしたくなりましたよ。これ、子供向けの作品なんだけど、大丈夫なの?私だったら、トラウマになっちゃうよ、トイレ行けなくなっちゃうよーぅ!な、レベルなんですけど・・・。七月~は子供向けのミステリーって感じでしたが、こちらは大人向けホラーって感じでした。あ、だからって、ミステリー要素が無いってことではなくて。そちらもバッチリ。そういう部分は、すごく楽しませてもらいました。

もちろん、夏流城で過ごすという意味はもちろん、あれこれの真相が分かった時には、とても切なく、やるせない思いにもなりました。特に幸正の気持ちを思うと・・・ね。言葉が出ませんね。
子供向けにしては、本当に切なく辛いお話だよなぁと思いますが、胸にグッと迫ってきて、読み応えのあるお話だと思いました。


(2017.01.10 読了)







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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 15:45| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

七月に流れる花(恩田陸)

坂道と石段と石垣が多い街「夏流(かなし)」六月という半端な時期に転校してきたミチルは、夏休みに「夏流城(かなしろ)」で5人の少女たちと一緒に過ごさなければならなくなる。その共同生活の意味は・・・。

本作の主人公は女の子で、男の子が主人公の「八月は冷たい城」と対になっています。対というより、上下巻と言った方が良いような気がしますが。どちらも読了した私から言わせて貰うと、七月→八月という流れで読んだ方が良いんじゃないかなぁと思います。まぁ、どちらから読んでも楽しめるとは思いますが。

「夏の人」「みどりおとこ」そして、お城で過ごす意味などなど、転校して来たばかりのミチルには分からないことばかり。そんなミチル目線で書かれた物語なので、読んでるこちらも分からないことが多く、不穏さが”増し増し”な感じで読み進めました。鐘が一度鳴ったら食堂に集合。三度鳴ったら、夜中でも何をしていても、とにかくお地蔵様にお参りすること。そんな合図も含めて、その真相が分かった時には、そうきたか!そういうことだったのか!と唸らされました。と同時に、なんとも切なくやるせない気持ちになりました。ミチルは、それを知らずにお城で過ごしていたけれど、他の4人の少女たちは知っていた訳で。それを思うと何とも言葉が出てこない・・・。


それにしても、ちょっと引っかかったこともあったんだけど。夏休み限定みたいに書かれていたけれど、子供たちが集められるのは、本来なら夏休みだけじゃないような気が・・・。他の時期だったら、どうなるんだろ。そして、もしかして夏休み中に帰れない場合もあると思うんだけど、そういう時はどうなるんだろう。そんな疑問が残りました。


とはいえ、物語としては、とても楽しめました!



(2017.01.08 読了)





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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 15:44| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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