オール讀物2016年7月号掲載。八咫烏シリーズ外伝。
「玉依姫」を読んだ時に、ネットの波をあれこれ彷徨っていたんですが、その時に外伝が書かれていることを知り愕然!これは読みたい!と思ったものの、すでに時遅し。雑誌ということもあって入手できず。図書館に通う度にチェックしてたんですが、いつも貸出中で・・・。今回、ようやく手に取ることができました。
ということで、家に持ち帰り、わくわくしながら読み始めました。
・・・せ、切ない。。。
タイトルから予想はしていたものの、とてもとても切ないお話でした。
端午の節句の催し事を発端とした真赭の薄の縁談話。雪哉が頸草院で頑張って(暗躍して?)いる頃のお話で、主要人物たちが続々と登場して、読みながらテンションが上がりました。ただ、雪哉の結婚観には、ちょっとねぇ・・・と思わずにはいられない。まぁ、立場やアレコレ考えると、そうなってしまうのかもしれないけれど。いつか、恋に身を焦がす雪哉の姿を見てみたいものだ、と、そんなことも思ったり。・・・したけど、これは望みが薄そうだし、本当にキャラじゃないような気がするなぁ(笑)
なんか話が逸れましたが。
タイトルの”しのぶひと”については、「玉依姫」でね、真赭の薄が登場してたんですよね。もしやこれは・・・と、ちょっとだけ期待もしたのでした。そうだったらいいなぁ・・・。次巻あたりで真相が分かるといいな。そして、どうか・・・と願わずにはいられません。
(2016.11.5 読了)
2016年11月09日
海の見える理髪店(荻原浩)
第155回直木賞受賞作。短編集。
読みたいなぁと思いながら、なかなか手が出ずにいるうちに直木賞を獲ってしまった。そうなると、もうね、別に良いや。という天邪鬼が働いたんですが、そこを見透かすように職場の同僚がぐいぐいと押し付けてきました(笑)
借りたからには読まねば、ということで、手にした本でした。
長編だと思ってたら短編集で、連作短編集かと思ったら、それぞれ独立したお話だったということで、何だか2段落ちみたいだなぁと思いながら読了。タイトルから”海の見える理髪店”を舞台に、そこに訪れる客と店主の交流を描いたものかと思ったんですけどね。2編目を読んだ時に、あれ?もしかして全く違うお話なの!?という驚きと、ちょっぴり残念だなぁという気持ちを味わいました。とはいえ、それぞれが、切なかったり、苦しかったり、ちょっとホロリとしたりと楽しめる家族小説でした。
・海の見える理髪店
タイトル作。伝説の床屋とある事情から最初で最後の予約を入れた僕との特別な時間。
床屋が髪を切りながら話す彼のこれまでの人生。なかなか波乱万丈の人生を送ってきたんだなぁと床屋の話を読みつつ、これがどういうオチになるのかと思っていたら・・・。これは気付けよー!と思わず自分に突っ込みを入れてしまった;;;なんで気付けなかったのか、自分でも分からないけど、お陰で「うわっ!」と驚かされたので良し、という感じでしょうか。・・・負け惜しみのようですが;;;その後、ちょっとしんみりとしてしまたのでした。
・いつか来た道
画家の母から逃れて16年。弟に言われて母の住む家を訪れた私は・・・。
母と娘って多かれ少なかれ、こういう複雑な感情ってあるんだろうなぁと思いつつ読みました。私にも確実にある。奥底に隠しているドロドロとしたものもあるけど、母の”老い”を目の当たりにすると、それが薄れる瞬間があるのも事実で。この”私”の感情の移ろいが理解できるというか、共感できるというか・・・。
・遠くから来た手紙
仕事ばかりの夫と何かと干渉してくる義母に反発して子どもを連れて実家に帰った祥子。その夜から不思議なメールが届き始める。
これはね、展開も真相も、そうだろう、そうくるよね、という感じでして。意外性はなかったかなー。
・空は今日もスカイ
親の離婚で母親の実家で暮らすことになった茜。ある日、家出をして海を目指して歩き出したが・・・。
茜の出会った男の子が・・・。最後、警察に保護された時には、茜たちと一緒に「違うよ、違うって!!」と思わず本当に叫びだしそうになりました。どうか、警察が真実に気付いて対処してくれてますように。祈らずにはいられないお話でした。
・時のない時計
父の形見の時計を修理する為に訪れた時計屋で・・・。
記念の時間で時計を止めているという時計屋さんには、さすが職業柄すごいことを考えるなぁと思ってたんだけど。だんだんと雲行きが怪しくなっていって、最後はゾッとしました。怖かったなぁ・・・。
・成人式
中学生の娘を亡くした夫婦。ある日、死んだ娘宛に成人式の着物のカタログが届き・・・。
もうね、これはね、切ないお話でした。「なぜ、あの時・・・」という後悔は何年経っても消えないだろうし、ましてや、それが娘の死に関することなら余計に、ね。でも、夫婦2人で、何とかそれを乗り越えようとする姿に、色んな感情が胸に迫ってくるお話でした。この2人が少しでも穏かな日々を送ることができますようにと祈らずにはいられない。
(2016.11 読了)
読みたいなぁと思いながら、なかなか手が出ずにいるうちに直木賞を獲ってしまった。そうなると、もうね、別に良いや。という天邪鬼が働いたんですが、そこを見透かすように職場の同僚がぐいぐいと押し付けてきました(笑)
借りたからには読まねば、ということで、手にした本でした。
長編だと思ってたら短編集で、連作短編集かと思ったら、それぞれ独立したお話だったということで、何だか2段落ちみたいだなぁと思いながら読了。タイトルから”海の見える理髪店”を舞台に、そこに訪れる客と店主の交流を描いたものかと思ったんですけどね。2編目を読んだ時に、あれ?もしかして全く違うお話なの!?という驚きと、ちょっぴり残念だなぁという気持ちを味わいました。とはいえ、それぞれが、切なかったり、苦しかったり、ちょっとホロリとしたりと楽しめる家族小説でした。
・海の見える理髪店
タイトル作。伝説の床屋とある事情から最初で最後の予約を入れた僕との特別な時間。
床屋が髪を切りながら話す彼のこれまでの人生。なかなか波乱万丈の人生を送ってきたんだなぁと床屋の話を読みつつ、これがどういうオチになるのかと思っていたら・・・。これは気付けよー!と思わず自分に突っ込みを入れてしまった;;;なんで気付けなかったのか、自分でも分からないけど、お陰で「うわっ!」と驚かされたので良し、という感じでしょうか。・・・負け惜しみのようですが;;;その後、ちょっとしんみりとしてしまたのでした。
・いつか来た道
画家の母から逃れて16年。弟に言われて母の住む家を訪れた私は・・・。
母と娘って多かれ少なかれ、こういう複雑な感情ってあるんだろうなぁと思いつつ読みました。私にも確実にある。奥底に隠しているドロドロとしたものもあるけど、母の”老い”を目の当たりにすると、それが薄れる瞬間があるのも事実で。この”私”の感情の移ろいが理解できるというか、共感できるというか・・・。
・遠くから来た手紙
仕事ばかりの夫と何かと干渉してくる義母に反発して子どもを連れて実家に帰った祥子。その夜から不思議なメールが届き始める。
これはね、展開も真相も、そうだろう、そうくるよね、という感じでして。意外性はなかったかなー。
・空は今日もスカイ
親の離婚で母親の実家で暮らすことになった茜。ある日、家出をして海を目指して歩き出したが・・・。
茜の出会った男の子が・・・。最後、警察に保護された時には、茜たちと一緒に「違うよ、違うって!!」と思わず本当に叫びだしそうになりました。どうか、警察が真実に気付いて対処してくれてますように。祈らずにはいられないお話でした。
・時のない時計
父の形見の時計を修理する為に訪れた時計屋で・・・。
記念の時間で時計を止めているという時計屋さんには、さすが職業柄すごいことを考えるなぁと思ってたんだけど。だんだんと雲行きが怪しくなっていって、最後はゾッとしました。怖かったなぁ・・・。
・成人式
中学生の娘を亡くした夫婦。ある日、死んだ娘宛に成人式の着物のカタログが届き・・・。
もうね、これはね、切ないお話でした。「なぜ、あの時・・・」という後悔は何年経っても消えないだろうし、ましてや、それが娘の死に関することなら余計に、ね。でも、夫婦2人で、何とかそれを乗り越えようとする姿に、色んな感情が胸に迫ってくるお話でした。この2人が少しでも穏かな日々を送ることができますようにと祈らずにはいられない。
(2016.11 読了)
◆2016年10月の読書
1.ままならないから私とあなた(朝井リョウ)★★★★
2.【文庫X】★★★★★
3.天晴れアヒルバス(山本幸久)★★★
4.メビウス・ファクトリー (三崎亜記)★★★
5.デトロイト美術館の奇跡(原田マハ)★★★★
6.桜風堂ものがたり(村山早紀)★★★★★
7.わたしの容れもの(角田光代)★★★
8.わたしの隣の王国(七河迦南)★★★
9.夜に啼く鳥は(千早茜)★★★★
10.明るい夜に出かけて(佐藤多佳子)★★★★
2016年10月の読書は10冊。5つ★は2冊。
2016年合計91冊。月平均9冊。
これでようやく、月毎のまとめ記事は追いつきました(喜)あとは、出来るだけ読了記事のUPをやりたいところ。10月は特に幸せな読書が出来た月だったからなぁ。感想を書きたい本が目白押しでございます。特に、村山さんは確実に年間ベスト10に入ると思うので、これだけでも早く書きたい!
あとですね、念願の【文庫X】も入手して読了しました!私の住む地域では取り扱っている書店はないんですけど、姪のお陰で別府に行く用事が出来まして。その時に当時、大分県内で唯一取り扱っていた「明林堂書店JR別府店」にて購入♪大分からの帰りの電車内で一気に読了しました。自分では絶対に手に取らないだろう1冊で、かなり読み応えがありました。まんまと踊らされた感が無きにしも非ずですが(笑)、これは読めて良かった1冊でした。感想記事は、12月に”ご開帳”ということらしいので、その後にUPしたいと思います。
それにしても、10月は怒涛の1ヶ月でした。仕事はね、まぁ、相変わらず新人ちゃんに地味ぃに気力を削られつつ何とか乗り切りましたけど。プライベートで忙しくしてましたよ。週末、家にいることがなかったというか・・・。まぁ、自分で考えなしに予定を入れちゃった結果なんで、自業自得なんですけどねぇ(笑)
まずは小学生の姪の運動会。その後、上の姪の部活の関係で大分へストーカー(笑)葉加瀬太郎さんのコンサート。職場の女子会。西本智美さんとイルミナート・フィルのコンサート。またまた姪っ子のストーカーで大雨の中、山の方へと晴天の中、街の方へ。・・・って、姪関係が多いかな^_^;それも含めて、芸術の秋、食欲の秋を満喫したね、という1ヶ月でした。読書の秋だけは満喫とは言えないところが、ちょっと微妙な感じだけど^_^;
(2016.11.09)
2.【文庫X】★★★★★
3.天晴れアヒルバス(山本幸久)★★★
4.メビウス・ファクトリー (三崎亜記)★★★
5.デトロイト美術館の奇跡(原田マハ)★★★★
6.桜風堂ものがたり(村山早紀)★★★★★
7.わたしの容れもの(角田光代)★★★
8.わたしの隣の王国(七河迦南)★★★
9.夜に啼く鳥は(千早茜)★★★★
10.明るい夜に出かけて(佐藤多佳子)★★★★
2016年10月の読書は10冊。5つ★は2冊。
2016年合計91冊。月平均9冊。
これでようやく、月毎のまとめ記事は追いつきました(喜)あとは、出来るだけ読了記事のUPをやりたいところ。10月は特に幸せな読書が出来た月だったからなぁ。感想を書きたい本が目白押しでございます。特に、村山さんは確実に年間ベスト10に入ると思うので、これだけでも早く書きたい!
あとですね、念願の【文庫X】も入手して読了しました!私の住む地域では取り扱っている書店はないんですけど、姪のお陰で別府に行く用事が出来まして。その時に当時、大分県内で唯一取り扱っていた「明林堂書店JR別府店」にて購入♪大分からの帰りの電車内で一気に読了しました。自分では絶対に手に取らないだろう1冊で、かなり読み応えがありました。まんまと踊らされた感が無きにしも非ずですが(笑)、これは読めて良かった1冊でした。感想記事は、12月に”ご開帳”ということらしいので、その後にUPしたいと思います。
それにしても、10月は怒涛の1ヶ月でした。仕事はね、まぁ、相変わらず新人ちゃんに地味ぃに気力を削られつつ何とか乗り切りましたけど。プライベートで忙しくしてましたよ。週末、家にいることがなかったというか・・・。まぁ、自分で考えなしに予定を入れちゃった結果なんで、自業自得なんですけどねぇ(笑)
まずは小学生の姪の運動会。その後、上の姪の部活の関係で大分へストーカー(笑)葉加瀬太郎さんのコンサート。職場の女子会。西本智美さんとイルミナート・フィルのコンサート。またまた姪っ子のストーカーで大雨の中、山の方へと晴天の中、街の方へ。・・・って、姪関係が多いかな^_^;それも含めて、芸術の秋、食欲の秋を満喫したね、という1ヶ月でした。読書の秋だけは満喫とは言えないところが、ちょっと微妙な感じだけど^_^;
(2016.11.09)
ラベル:読書記録