2016年04月12日

あきない世傳 金と銀 源流篇(髙田郁)

みをつくし料理帖シリーズ」の髙田さんの新シリーズ。
今度は大阪を舞台にした女の子が頑張るお話。

学者のことしてうまれた幸(さち)だったが、家族の死により九つで大阪の呉服商に奉公へ出される。一生を鍋の底を磨いて過ごす女衆となったが、番頭の治兵衛に才を認められ・・・。

シリーズ1作目ということでプロローグかな、という印象。みをつくし~では、ぐしぐしと泣きながらの読書三昧だったんだけど、今回はそんなことはなく。まぁ、幸に降りかかるのは過酷な運命といえばそうなんだけど、なんででしょう・・・グッと胸を打つ感じではなかったかな。ぶっちゃけ、ちょっと期待はずれ感も感じてしまいましたが、次作以降に期待、でしょうか。

幸に商才がある、番頭さんにも気に入られている、というのは、もう描かれていることなので、その道に進んでいくんだろうと分かる。この後、次々とどんな困難か襲い掛かるのか、そして、それをどうやって乗り越えて、道を切り開いて行くのか、髙田さんが、それをどう描くのか、期待しつつ待ちたいと思います。


で、ちょっとネタバレをば。











このラストだと、なんだか女癖の悪い若主人と娶わせられそうな感じなんだけど、それはどうかなぁ・・・。それだと、あまりにも分かり易すぎるような気がしないでもないんだけど。個人的には智蔵に助けを求めるんじゃないかな、とも思うんだけど。でも、それは現代の感覚で、江戸時代の感覚では難しいのかもしれませんねぇ・・・。




(2016.03.20 読了)





あきない世傳 金と銀 源流篇 (時代小説文庫)
角川春樹事務所
2016-02-12
髙田郁

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ラベル:著者(た) 読書
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2016年04月10日

孫と私の小さな歴史(佐藤愛子)

初孫である桃子ちゃんの誕生以来、友人たちに送られた扮装2ショット年賀状の記録。エッセイ集。

新聞広告で目にして、面白そう!と手に取ってみました。実は初読み作家さんで、小説を読む前にエッセイ集を読むのは初めての経験かも。

まぁ、よくぞここまでよくやったなぁ・・・と(笑)
桃子ちゃんが小さい時の「トトロ」や「カリブの海賊」なんかは微笑ましく見れるけど、思春期に入ってからの「赤ちゃん」や「どじょうすくい」には驚きです。こんな扮装に付き合った桃子ちゃんに拍手を送りたい。私なら拒否するだろうなぁと思う。まぁ、嫌々やってる部分もあるにはあったみたいだけど、それでも、毎年ちゃんと付き合った桃子ちゃんは凄いなぁと思いました。多少、諦めの境地にも至ってたようだけどさ。

ただ、手にする方としては、毎年「今年はどんな年賀状なんだろう?」と楽しみでしょうがなかっただろうなぁと思います。私も出来れば、一気に見るんじゃなくて、毎年1枚ずつ見たかったなぁと思ったのでした。






・きつね
・パンダ
・トトロ
・カリブの海賊
・幼稚園児
・インディアン
・カンフー
・ドラキュラ
・コギャル
・運動会
・赤ちゃん
・幽霊と三つ目小僧
・泥棒
・晒し首
・どじょうすくい
・メイドカフェ
・夫婦喧嘩
・ままごと
・大根踊り
・葬式





(2016.03.14 読了)






孫と私の小さな歴史
文藝春秋
佐藤 愛子

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ラベル:読書 読書(さ)
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2016年04月09日

やがて海へと届く(彩瀬まる)

東日本大震災で友人を亡くした主人公の喪失と再生を書いた物語。

旅先で東日本大震災に遭い、後に「暗い夜、星を数えて 3・11被災鉄道からの脱出東日本大震災」を記した彩瀬さんが書かれた、というのがね、なんかね、胸にズズンときました。本当は、そういう予備知識を持たずに読んだ方が良いのかなと思う気持ちもあるにはありますが、”知ってる”んだから、こればっかりはしょうがない。


地震の前日、同棲していた遠野くんに「最近忙しかったから、ちょっと息抜きに出かけてくるね」と伝えたまま行方がわからなくなったすみれ。あれから三年。すみれの友人だった真奈は、遠野くんからすみれと住んでいた部屋を引き払い、すみれの荷物を処分すると告げられる。すみれを亡きものとして扱う遠野くんに反発を覚える真奈だったが・・・。

たまたまだったんだけど、3月10日に読了という、すごいタイミングで読んでしまった。読み始める前に、どうしようかなと少し迷ったんだけど、このタイミングで読んで良かったと思いました。
・・・という言い方をしていいのかどうか、分からないけれど。


三年って短いようで長い。長いようで短い。その感じ方は人それぞれ。遺体が見つかったのならまだしも、行方不明のままなら、気持ちの整理もなかなかつかないのも分かる。遺体が見つかっていても、その死を受け入れられないことだってあるだろう。だから、真奈のことも遠野くんのことも、どちらも、そうなんだろうと思える。でも、それぞれの立場からしたら、「もういいかげんに・・・」と思うこともあるだろうし、「どうしてそんなことが・・・」と思ってしまうんだろうなぁと、ホント切ないなぁと思いながら読みました。

どっちが正しいとか、それは違うと思う、とは言えない。でも、生きるってことは前に進むってこと。すみれがいない時間がどんどん長くなり、自分だけが進んでいくということには、様々な思いや葛藤があるだろうけど、真奈には自分を大切に歩んで欲しい、読み進めるほどにそういう思いが募りました。なので、ラストには、あ~良かったなぁとホッとしました。

まぁ、そのラストの前に、衝撃的な展開があって驚いたけど。いやいや、ここでそういう試練はやめてよー!と思わずつぶやいてしまった。それがあったからこそ、あのラストを迎えられたのかもしれないけどね。

生きている人だけじゃなく、すみれのことも描いてあって、それも、なんというかね、上手く言えないけれど、読んでる立場として、ホッとしたというかね、なんでしょう、救われた、というのかな、そんな思いになりました。
うん、良かった。




(2016.03.10 読了)





やがて海へと届く
講談社
彩瀬 まる

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 14:51| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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