いやぁ、相変わらずな湊さんでした。
商店街に古くから続く仏具店の嫁である菜々子、食品メーカーの夫の転勤で社宅に越してきた光稀、港町の美しい自然に魅せられ移住してきた陶芸家のすみれ。3人は菜々子の娘で足の不自由な久美香が巻き込まれた火事をキッカケに、ボランティア基金「クララの翼」を立ち上げたが・・・。
久美香と光稀の娘である彩也子の友情を軸に語られる物語ですが、二人の小学生よりも、3人の女性たちや彼女たちを取り巻く人々のそれぞれのドロドロな負の感情が絡まりあっていく様は、読んでいてゾクゾクしました。と同時に、怖かったー。やっぱ、オンナって怖いわー、田舎町って怖いわーと思っちゃいましたね。自分も、同じオンナで、田舎町に住んでるんですけどね(笑)
湊さんって、こういう女性の感情とか、小さなコミュニティの閉塞感を描かせたら、ホント上手いですよねぇ。
ボランティア基金のことだけではなく、5年前の殺人事件、久美香の足のこと、そして、誘拐事件に火事。さまざまなことが繋がり、そして絡まりあって、一気に真相が明かされた後、それぞれが新たな人生を歩み始めていく。
・・・と、終わったかと思った矢先に、まさかの真相が待ち受けていました。うわ、そうきたか!まさか、そこもか!と、イヤぁな気持ちになって読了。もう、ホントにね読後感が・・・。そこが湊さんの魅力なんですけど、でも、このざらざらな気持ちをなんとかしてよーと、ちょっぴり愚痴りたい気分にもなったのでした。面白かったけどね。
(2016.02.13 読了)
2016年02月27日
君の膵臓をたべたい(住野よる)
タイトルが衝撃的なこの作品。でも、内容は切ない恋愛小説、という説明をどこかで読んで、手にしてみました。読む前に、今年の本屋大賞にノミネートされたりもして、期待がますます増しての読書。・・・だったからなのかどうかのか、期待が大きすぎたのかな、という感じでした。
地味で友達のいない主人公が、クラスで人気者の少女が余命幾ばくもないことを知ってしまう。それ以来、彼女に振り回される日々を送ることになるが・・・。
まぁ、ある意味、ありふれたお話だったといえば、ありふれた難病もののお話。病気が白血病じゃなく、膵臓が悪く毎日の注射が必要な病気っていうだけ。それ以外は、ちょっと”二番煎じ”的な印象は否めないかなぁ・・・。
途中、二人で旅行に行くんですが、旅行先が明言はされてないけど、福岡だと思われるんですよね。なので、土地的に馴染みがあるのもあって、あれこれ想像もしやすかったりで、そのエピソードは好きだったかな。
それにしても、まさかの展開にはビックリ。確かに、伏線は張ってあったけどさぁ。どうしても、「ここまできて、それはないんじゃないのぉ!?」と思ってしまいます。もちろん、人生なんて何が起こるか分からないと言われればそれまでなんだけど。でもね、そこは二番煎じでも良かったのになぁと思ってしまいました。
あと、主人公の名前が最後まで出てこなくって、ずーっと【】書きで、相手の心情(?)が当てはめてあったんですけどね。もうさぁ、ぶっちゃけ読みにくい!そういう表現にした意図は分からなくも無いけれど、私的には、読み難いということでマイナスポイントでした。
・・・と、なんだかんだと辛口感想になってしまったのですが、ラスト部分では涙腺が多少は緩んだりもしたのでした。でも、そこまで胸に突き刺さるような、そういう感情にまではならなかったかな。ちょっとね、期待が大きすぎました。残念。
(2016.02.10 読了)
地味で友達のいない主人公が、クラスで人気者の少女が余命幾ばくもないことを知ってしまう。それ以来、彼女に振り回される日々を送ることになるが・・・。
まぁ、ある意味、ありふれたお話だったといえば、ありふれた難病もののお話。病気が白血病じゃなく、膵臓が悪く毎日の注射が必要な病気っていうだけ。それ以外は、ちょっと”二番煎じ”的な印象は否めないかなぁ・・・。
途中、二人で旅行に行くんですが、旅行先が明言はされてないけど、福岡だと思われるんですよね。なので、土地的に馴染みがあるのもあって、あれこれ想像もしやすかったりで、そのエピソードは好きだったかな。
それにしても、まさかの展開にはビックリ。確かに、伏線は張ってあったけどさぁ。どうしても、「ここまできて、それはないんじゃないのぉ!?」と思ってしまいます。もちろん、人生なんて何が起こるか分からないと言われればそれまでなんだけど。でもね、そこは二番煎じでも良かったのになぁと思ってしまいました。
あと、主人公の名前が最後まで出てこなくって、ずーっと【】書きで、相手の心情(?)が当てはめてあったんですけどね。もうさぁ、ぶっちゃけ読みにくい!そういう表現にした意図は分からなくも無いけれど、私的には、読み難いということでマイナスポイントでした。
・・・と、なんだかんだと辛口感想になってしまったのですが、ラスト部分では涙腺が多少は緩んだりもしたのでした。でも、そこまで胸に突き刺さるような、そういう感情にまではならなかったかな。ちょっとね、期待が大きすぎました。残念。
(2016.02.10 読了)
倒れるときは前のめり(有川浩)
著者初のエッセイ集。
有川浩さんは現在、私的一押し作家さんで、雑誌掲載の短編もほぼ追いかけてるんですが、エッセイに関しては違ってまして。ほとんど読んでないんじゃないかなぁと思います。web上で読めたものは、ある程度、読んでると思いますが、紙媒体はほとんど読んでないんですよねぇ。なので、ちょっとワクワクしながら読みました。
デビューから現在までのエッセイということで、まぁ、バラエティに富んでいて読んでて”概ね”楽しかったです。本について、映画について、著者のふるさとである高知について、などなど。小説同様、厳しくも優しい視点で、ときに温かく、ときには鋭く、様々な事柄について語られてました。
最初の章「書くこと、読むこと、生きること」で印象に残ったのは、「けっこう」という言葉を使ってしまった痛恨の出来事について、かな。私も覚えがあって、これはイタイなぁと思いました。大好きなのに、あれこれ予防線を張っちゃって大好きと言えない。・・・というか、私は今でも大好きなバンドについては、「けっこう」という言葉を使ってでも、公言していないんだよなぁ・・・。まぁ、最近はそこまではないけど。でも、このブログでも、はっきり名前を出してはいない。他のミュージシャンのLIVEに行った時は、思いっきり書いてるのに・・・ね。
・・・あら。なんだか微妙に凹んできましたよ。えーと、これはやっぱり、今度からはハッキリ書こうかな。次のお楽しみは5月!おおっぴらにご報告できるかな。どうかなぁ。。。
本についての「この本大好き!」の章では、私の大好きな本が何冊も紹介されていて、それがまたね、とっても共感できるものも多くて、テンションがあがりまくりでした。「テンペスト」「天地明察」「偉大なる、しゅららぼん」に素ちゃんの「新婚物語」などなど。特にしゅららぼんでは同じようなこと思ったよー!と、なんだか嬉しかったのでした。あ!「後宮小説」も登場しました。好きだったんだけど、内容がすでにおぼろげで・・・。これは、いつか再読したいなぁと思ったのでした。そうそう!ジェフリー・ディーヴァーが登場したのも嬉しかった。ただ、紹介されていた「ロードサイド・クロス」は未読なんですよね。いつか読みたいなぁと、読みたいリストに追加したのでした。
児玉清さんについて触れられた文章がいくつかありました。読みながら、思わず涙腺が緩んじゃったりしたものもありました。それにしても、児玉さんって、有川さん個人だけでなく出版界にとっても本当に大切な存在だったのですね。そんなことを改めて感じたりもしました。そして、私も児玉さんのように、いくつになっても、柔らかい気持ちを持って様々な小説たちと向き合っていきたいものだなぁと、そんなことも思ったのでした。
その他のエッセイもそれぞれに味があって、楽しませてもらったのは本当なんですが、”概ね”楽しかった、という感想になってしまったのは、似たような記述が続いちゃうことがあったから、なんですよねぇ。様々な媒体で発表されているので、テーマが被ってしまったのもあったんでしょうし、この本自体が、今まで発表されたエッセイがまとめられてるというのもあったからなんでしょうけど。すごく大事なことで、出来るだけ沢山の人々の目に触れて欲しかったんだと思われる内容もありましたが、こうやってまとめられて、それを続けて読むとなると、ね。なかなか厳しいものがありました。
まぁ、これはね、この本の性格上、しょうがないことだとは思うんだけどね。
それぞれのエッセイについて、現在の有川さんのコメントが付けられているのも、なかなか面白かったです。
エッセイだけではなく、特別付録として「彼の本棚」と「ゆず、香る」の短編が2編収録されていました。どちらも既読。・・・なハズなんだけど、「彼の本棚」の記事を作ってなかったようで・・・。なんでなんだろう。。。
「彼の本棚」はね、これは続きが気になりますーっ!どうか、どうか、この後のお話をいつか書いてくださーい!と叫んでしまいます(笑)そういえば、私も彼女のように「趣味は読書」というと、似たような反応が返ってくることが多いです。凄いねぇ、って、何が凄いんだか!「いや、読書は”趣味”なので、スゴクナイデス。」と答えても、分かってくれる人は少ないです。知識を入れるために読んでるんじゃないのだよ。「趣味」とは「楽しむこと」なのです。だから、本を読むのは楽しいから、ただそれだけなんだよーっ!・・・というのを、すんなり受け入れてくれる人は、そう多くないんですよね・・・。
・書くこと、読むこと、生きること
・この本大好き!
・映画も黙っちゃいられない
・いとしい人、場所、ものごと
・ふるさと高知
・特別収録小説
「彼の本棚」
「ゆず、香る」
(2016.02.05 読了)
有川浩さんは現在、私的一押し作家さんで、雑誌掲載の短編もほぼ追いかけてるんですが、エッセイに関しては違ってまして。ほとんど読んでないんじゃないかなぁと思います。web上で読めたものは、ある程度、読んでると思いますが、紙媒体はほとんど読んでないんですよねぇ。なので、ちょっとワクワクしながら読みました。
デビューから現在までのエッセイということで、まぁ、バラエティに富んでいて読んでて”概ね”楽しかったです。本について、映画について、著者のふるさとである高知について、などなど。小説同様、厳しくも優しい視点で、ときに温かく、ときには鋭く、様々な事柄について語られてました。
最初の章「書くこと、読むこと、生きること」で印象に残ったのは、「けっこう」という言葉を使ってしまった痛恨の出来事について、かな。私も覚えがあって、これはイタイなぁと思いました。大好きなのに、あれこれ予防線を張っちゃって大好きと言えない。・・・というか、私は今でも大好きなバンドについては、「けっこう」という言葉を使ってでも、公言していないんだよなぁ・・・。まぁ、最近はそこまではないけど。でも、このブログでも、はっきり名前を出してはいない。他のミュージシャンのLIVEに行った時は、思いっきり書いてるのに・・・ね。
・・・あら。なんだか微妙に凹んできましたよ。えーと、これはやっぱり、今度からはハッキリ書こうかな。次のお楽しみは5月!おおっぴらにご報告できるかな。どうかなぁ。。。
本についての「この本大好き!」の章では、私の大好きな本が何冊も紹介されていて、それがまたね、とっても共感できるものも多くて、テンションがあがりまくりでした。「テンペスト」「天地明察」「偉大なる、しゅららぼん」に素ちゃんの「新婚物語」などなど。特にしゅららぼんでは同じようなこと思ったよー!と、なんだか嬉しかったのでした。あ!「後宮小説」も登場しました。好きだったんだけど、内容がすでにおぼろげで・・・。これは、いつか再読したいなぁと思ったのでした。そうそう!ジェフリー・ディーヴァーが登場したのも嬉しかった。ただ、紹介されていた「ロードサイド・クロス」は未読なんですよね。いつか読みたいなぁと、読みたいリストに追加したのでした。
児玉清さんについて触れられた文章がいくつかありました。読みながら、思わず涙腺が緩んじゃったりしたものもありました。それにしても、児玉さんって、有川さん個人だけでなく出版界にとっても本当に大切な存在だったのですね。そんなことを改めて感じたりもしました。そして、私も児玉さんのように、いくつになっても、柔らかい気持ちを持って様々な小説たちと向き合っていきたいものだなぁと、そんなことも思ったのでした。
その他のエッセイもそれぞれに味があって、楽しませてもらったのは本当なんですが、”概ね”楽しかった、という感想になってしまったのは、似たような記述が続いちゃうことがあったから、なんですよねぇ。様々な媒体で発表されているので、テーマが被ってしまったのもあったんでしょうし、この本自体が、今まで発表されたエッセイがまとめられてるというのもあったからなんでしょうけど。すごく大事なことで、出来るだけ沢山の人々の目に触れて欲しかったんだと思われる内容もありましたが、こうやってまとめられて、それを続けて読むとなると、ね。なかなか厳しいものがありました。
まぁ、これはね、この本の性格上、しょうがないことだとは思うんだけどね。
それぞれのエッセイについて、現在の有川さんのコメントが付けられているのも、なかなか面白かったです。
エッセイだけではなく、特別付録として「彼の本棚」と「ゆず、香る」の短編が2編収録されていました。どちらも既読。・・・なハズなんだけど、「彼の本棚」の記事を作ってなかったようで・・・。なんでなんだろう。。。
「彼の本棚」はね、これは続きが気になりますーっ!どうか、どうか、この後のお話をいつか書いてくださーい!と叫んでしまいます(笑)そういえば、私も彼女のように「趣味は読書」というと、似たような反応が返ってくることが多いです。凄いねぇ、って、何が凄いんだか!「いや、読書は”趣味”なので、スゴクナイデス。」と答えても、分かってくれる人は少ないです。知識を入れるために読んでるんじゃないのだよ。「趣味」とは「楽しむこと」なのです。だから、本を読むのは楽しいから、ただそれだけなんだよーっ!・・・というのを、すんなり受け入れてくれる人は、そう多くないんですよね・・・。
・書くこと、読むこと、生きること
・この本大好き!
・映画も黙っちゃいられない
・いとしい人、場所、ものごと
・ふるさと高知
・特別収録小説
「彼の本棚」
「ゆず、香る」
(2016.02.05 読了)