2016年01月09日

◆2015年の読書まとめ

あけましておめでとうございます。
2015年は、その前の2014年以上にダメダメでしたが、今年2016年はちょっぴりだけでも、その”ダメダメ”を脱したいと思っていますので、どうぞ、どうぞ、宜しくお願いいたします。


・・・と、ヘタレな自分にカツを入れつつ、ようやく新年のご挨拶です。すっかり遅くなっちゃった;;;凹むのは簡単だけど、凹んでるだけじゃダメだ!と自分にビシビシ突っ込みながら、なんとかこの記事に辿り着きました、着けましたぁ。ホッ。

そんな訳で2015年のまとめでございます。

2015年に読了したのは109冊。月平均9冊。
もうね、この数字からして凹むよねー。2014年の137冊でも凹んでたのに、それよりも少ないって、おまけに月平均9冊って、1週間に2冊も読めてなかったりもしたってことでしょー。うわぁ、こんなこと前代未聞ですよーぅ;;;読みたかった本の半分も読めなかったし、新しい作家さんとの出会いもほとんどなかったなぁ・・・。

でも!読書しながら、泣いたり笑ったり怒ったり泣いたり、泣いたり・・・(相変わらず、泣くことが多かったなぁ;;;)も、出来た。読書の楽しさをいーーっぱい感じることが出来た。それは、すごくすごく幸せなこと。
さまざまなことに感謝しなければ、ね。


お、なんだか上手に言い訳出来たところで(笑)、2015年の10冊にいきたいと思います!


1.羊と鋼の森(宮下奈都)

宮下さんのエッセイとどちらにするか迷ったんだけど、こちらで。好きなことに正面からとことん向き合えば、何かしらのものは得られるんだと。”好き”を貫くことの大切さと難しさと貴さを教えてもらえた作品でした。そして、穏やかな読書の素晴らしさを教えてくれた宮下さんに心からのありがとうを。
もちろん、わくわくどきどきはらはらも楽しいし、そんな読書を絶対にやめられないけどね(笑)


2.六花落々(西條奈加)

日本で初めて雪の結晶を顕微鏡で観察し、それを一冊の本にまとめたのは下総古河藩主の土井利位。その御学問相手として雪の結晶集めに助力した小松尚七を描いた作品。これはすごく印象に残っているお話。冷凍庫のない江戸時代に雪の結晶を集め結晶図をまとめることの大変さは想像するだけでもうわー;;;と思いますが、それをやり遂げたことに喝采を送りたい。また、藩主、重臣、藩士として立場の違った三人の交流にも胸が熱くなりました。


3.武道館(朝井リョウ)

朝井さんの新刊としてこのタイトルを見た瞬間に、きた!と思った作品。その思いは外れることなく、すごく心に刺さる物語でした。この作品を読んでから、TVでニコニコ笑ってるアイドル達を見る度に、切なさでツーンとすることもあるけれど、がんばれ!と声援を送るようになったりもしたのでした。


4.空棺の烏(阿部智里)

シリーズ4作目。1作目を読んだ時には、まさかこんな風にシリーズ物として続編を読めることになるとは思わなかった。読む度に、思いもかけない方向に世界がどんどん広がっていって、今後、この八咫烏の世界がどうなっていくのか楽しみでしょうがない。


5.朝が来る(辻村深月)

不妊治療の末に養子縁組で息子を授かった夫婦と、その息子を産んでも育てられなかった母親の物語。どちらの気持ちも切なく胸に突き刺さった。どうなることかと思ったけれど、最後は夜明け・・・かな?という感じで終わってて良かった。


6.悟浄出立(万城目学)

今までの万城目作品とはちょっと趣が違った感のある、西遊記や三国志、史記などの中国古典文学を元に書かれた短編集。今までの万城目ワールドとは違ったけれど、西遊記や三国志など、全く範疇外なものじゃなかったのも幸いして楽しく読めました。この短編集を読んで、三国志を制覇したくなったんだけど、ちょっとしばらくは無理そうです。。。


7.物語のおわり(湊かなえ)

「空の彼方」という未完の短編から始まり、その短編が北海道を旅する人々の手に次々と渡っていくという連作短編集。立場や抱えている思いによって、同じ物語が違ったお話のように語られるのが興味深く面白かった。それぞれが想像する結末も随分と違ってたし。そこが読書の面白さでもあり、楽しいところなんだよなぁと改めて感じさせてくれた。
細々とながらも、このブログを続けていきたいという気持ちを思い出させてくれた作品でもありました。他のブログ様と交流がもうちょっと多く出来るようにがんばるー。


8.だれもが知ってる小さな国(有川浩)

佐藤さとるさんのコロボックル物語を継承した有川さんのコロボックル長編1作目。読み始める前はちょっぴり不安もあったけど、見事なリレーでした。作家さんって、ホントにすごいなぁ。こうやって、あらたなコロボックル物語に出会えたことに感謝。もう既に、新たなコロボックル物語が待ち遠しくってしょうがない。


9.おやじネコは縞模様(群ようこ)

ご近所の動物たちを温かい目線で描いたエッセイ集。特にタイトルにもなっている、野良猫のしまちゃんのエピソードがツボでした。わが家にも、このしまちゃんとそっくりな野良猫が通ってきてたんですが、冬に入ったころから姿を見せなくなってしまいました。無事でいて欲しいと願いつつ、心の中では覚悟はしているところです。。。


10.風のベーコンサンド 高原カフェ日誌(柴田よしき)

百合が原高原にあるカフェを舞台にしたお話。主人公と離婚調停中の夫とのやりとりは気分も重くさせましたが、カフェで登場するメニューに心(胃袋?)を掴まれ、温かい人々との交流には和まされました。続編があればいいのになぁ・・・。


◆次点
五十坂家の百年(斉木香津)
ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン(小路幸也)

次点が2作品って!という突込みつつ選べなかった(笑)なにせ毛色の違う2作品ですからね。重いミステリーと愛の溢れるホームドラマ。どっちも同じくらい印象的で面白かった。選べなかったのよーぅ。


◆選外
神さまたちの遊ぶ庭(宮下奈都)
図書室で暮らしたい(辻村深月)

そして、こちらも2作品。ベスト10内に同じ作家さんの作品は入れないというMyルールから外したもの。どちらもエッセイ集っていうのは偶然だけど、自分でもビックリ。どちらの作家さんも、優しくも厳しい目線で書かれた文章は胸を打ち、じわじわと心に沁みて涙腺が緩みました。







ふー。
これでようやく年越しできた気分です。既に今年読んだ分の記事が溜まってますが;;;とりあえずは、なんとかこの記事をUP出来たことに胸をなでおろしておりますです。

しばらくは、読んだ本の記事をリアルタイムでUP出来るようにして、その合間で過去に読んだ本の記事もUP出来ればなぁと思ってますが、どうなることやら(^-^;
ま、無理せず無理してがんばりますです。


こんなダメダメなワタクシですが、今年も、皆様と様々な本のお話をさせていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。




(2015.01.09)
ラベル:読書記録
posted by すずな at 15:58| Comment(6) | TrackBack(3) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

だれもが知ってる小さな国(有川浩)

待ちに待った有川さんの描く「コロボックル」長編。

正直、読み始める前は、どんなお話なんだろう~ワクワク!というよりも、佐藤版コロボックルとどうシンクロするんだろう、果たして出来るんだろうか~ドキドキ;;;の方が大きかったんですよね。有川さんが紡ぐお話は大好きだけど、佐藤さんが作り上げたコロボックル世界を壊さず、それでいて有川色を上手く溶け込ませることが出来るのかなぁと、今考えると、大変失礼な心配をしていました。

が!最初の数行を読んで、す、すみませーーーーんっ!と、心の中で凄いイキオイで謝罪しました。しまくりました。いやぁ~楽しかった。佐藤版コロボックルでありながら、有川版コロボックルでもありました。すごい、すごい、すごーいっ!と最初から最後まで大喝采を送りながら読みました。

佐藤さんのコロボックルシリーズ1巻の「だれも知らない小さな国」を受けてのこのタイトルからして嬉しいんですが、物語の出だしでまたまたテンションがあがる。うわぁ、コロボックルを読んでるんだなぁと思えて嬉しかった。そして、主人公は日本中を旅するはち屋(養蜂家)の息子ヒコ。この職業選択にも唸らされる。そうきたかぁ。有川さん、上手いなぁ・・・。

ヒコとヒメの出会い、そして、二人の家族とコロボックルの交流や二人の名前の由来。どれもこれもが優しく穏やかな流れの中でするりするりと語られ、私の中に入っていく。確かに有川節なんだけど、佐藤さんのコロボックル世界でもあるんですよね。佐藤さんが創った世界が有川さんに手渡され、また新たに紡ぎだされ、このコロボックル物語が益々大きく広がっていくのを感じられる、本当に素敵な物語でした。

ただ、ヒコとヒメが出会うミノルさんとのエピソードは楽しいものでもありましたが、途中で、オトナのニンゲンのイヤな部分も見えたりもして、手放しで喜べるものではありませんでした。でも、あ、これはヒコのお父さんたちもコロボックルのことをよーく知ってるんだな、守って来たんだなということが分かって、そういう意味では嬉しかった。


*****

ここからちょいとネタバレ気味。
未読の方はご注意を。

*****










そしてね、佐藤版のコロボックルの続きの物語ではあるものの、登場するのはせいたかさんが出会ったコロボックルの国に住むコロボックルじゃないんですね。この物語は、佐藤版とは違う有川版のコロボックルの国の物語。佐藤版でもちょっと登場したけれど、日本のいろんなところにコロボックルの国があるんだ!と改めて思い出させてくれました。そして、その国は日本のどこにあって、どんなコロボックル達がどんな暮らしをして、どんな風に人間と交流してるんだろうと、そんなことを考え始めたら、それだけでもうね、ワクワクが止まらなくなっちゃいました。いつか、せいたかさんと交流のある、あのコロボックル達との遭遇とかもあるのかしら。今後、どうなっていくのか、すごくすごーく楽しみです。



(2015.11 読了)







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posted by すずな at 14:26| Comment(6) | TrackBack(2) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

空棺の烏(阿部智里)

八咫烏シリーズ4作目。

山内衆として若宮を支えることを決めた雪哉が山内衆を養成するための「勁草院」に入る。15~17歳の少年たちが集められた全寮制の日々。雪哉は無事に卒業することが出来るのか・・・。


いやぁ、この4作目も面白かった!

少年たちが集まった全寮制の学校ということで、なんだか学園物っぽい感じで、今までとちょっと趣が違ってた。でも、そこも楽しくって良かったなぁ。雪哉がデキル子で、ある意味、策略家であることも分かってはいたけど、ここまで腹黒いとは!あ、誤解なきようにお断りしますが、褒めてますよ、もちろん。なんかね、「おまえはーっ!」と頭を拳固でぐりぐりしたくなっちゃいました(笑)

そして、学園物ですからね。なんだかんだありながら、素晴らしい仲間たちと出会い、絆を深められたのも良かったですね~。これから若宮を守るためにも信用できる仲間は大事だし、雪哉にはやんちゃ坊主たちのリーダーでいて欲しいという、おばちゃん目線での願望でもあります(笑)

とかなんとか、言いたい放題言っていたら、最後にまさかの展開が待ち受けていてビックリ!金烏について、またまた謎がひとつ紐解かれたという感じかな。若宮どうなるーっ!?とヤキモキもしちゃいますが、実はですね、そのどれもこれもが私の好みドンピシャ!って感じの展開で、読んでてわくわくどきどきが止まりませーん。どういう展開になっていくのか楽しみではありますが、次作は最後に明かされた”空棺”の真相についての物語のようですね。雪哉は登場しなさそうで、ちょっぴり残念ですが、どんな物語が待っているのか、今からすごーく楽しみです!



(2015.09.01 読了)





空棺の烏
文藝春秋
阿部 智里

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ラベル:読書 著者(あ)
posted by すずな at 13:53| Comment(4) | TrackBack(2) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

朝が来る(辻村深月)

不妊治療の末に養子縁組をして子供授かった夫婦と、子供を産んでも自分で育てられず手放さなければならなかった母親の物語。


最初の不妊治療の部分は読んでて、なかなか辛かった。って、結婚もせず、「子供が欲しい」と切実に願ったこともない私が、こういう言葉を綴っていいものかどうか迷いますが。でも、欲しくても自分の力ではどうしようもなく、何をやってもそれが実を結ばない、そんな辛さ、しんどさ、切なさは分かるつもりです。もちろん、想像でしかないですけど・・・。そして、辻村さんの文章から、それらの想いがすごくすごく伝わってきて胸が締め付けられました。

最後に夫婦が決断する養子縁組。夫婦二人の想いが一致しての選択にホッと胸をなでおろしました。どうかこのまま幸せな家庭を築けていけますようにと願いました。

そして、子供を産んでも育てられなかった母親。どうして妊娠したのか、そして、どうして自分で子供を育てられなかったのか。読んでてヒヤヒヤした。二人の無知さ、浅はかさ加減に呆れました。見た目はそれなりに大人でも、子供はやっぱり子供なんだなぁと。でも、そういう知識をキチンと伝えられなかった大人の責任でもあるのかな・・・。とか、中学生になった姪っ子のことが頭に浮かんで、ちょっと心配になったり、教えとくべきか、いやいや、それは親の役目だしとか、あれこれ考えたりもしました。

それにしても、出産後にそんな人生を歩んでいたとは・・・と、読み進めて絶句しました。でも、あそこまで追い詰められていたら、ああいう行動を取ってしまったのも分からないでもないかなとも思いました。妊娠から出産までは、あんなに愛しんでいた我が子なんだけど、それを脅迫のネタに使うほどに追い詰められてしまった母親に、同情というかね、なんとも切ない気持ちになりました。

脅迫された夫婦がどういう行動を取るのかと不安になったんですが、そこはまさかの展開でした。このご夫婦のスタンスにはすごく共感出来たし、素直にすごいなぁと思いました。当事者になったことのない私が言うのもなんなんですけどね;;;


ラストは「ここで終わるのーっ!?」と思ったんですけど。確かにようやく”朝が来る”かな、と思えるラストではありましたが、もうちょっと先まで読みたかったなぁというのが正直なところ。

でも、読めて良かった。結婚する予定も子供を産む予定もない私ですが、色々と考えさせられたお話でもありました。





(2014.09.09 読了)






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ラベル:著者(た) 読書
posted by すずな at 11:47| Comment(4) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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