禁断の魔術 ガリレオ8に掲載されていた短編「猛射つ」を長編として文庫化した作品。
相変わらずの記憶力の弱さを発揮して、「猛射つ」ってどんなお話だっけ?と思い出せないまま読み始めたんですが、読みだしたら「あ、これは覚えが・・・」とぼんやりとながら思い出せました。思い出せたのはいいけど、ラストが分かっちゃったのはね、ちょっと残念だったかな(笑)どうせなら、ラストは思い出せなかった方が面白く読めたんだけどなぁ。本当にツカエナイ私の記憶力。。。
とまぁ、このシリーズで展開が読めてると、ちょっと面白みに欠ける部分もあったりして、びみょーな気持ちで読みました。ワクワク感が半減しちゃうんだよねー。それにしても、そういう部分があるってことは分かってるだろうに、なんで東野さんはリメイクしてまで、このお話を単品で出したかったんでしょうね。
そんな訳で、ミステリー的にはちょっと残念でしたが、人情味というかね、そういう部分ではガッツリはまって読めたので良かったかな。長編になると、人間模様とかが詳しく描かれるので、様々な人々の心の動きなどがより深く理解出来て、それはいいなぁと思いました。政治家の先生の葛藤とか、ね。でも、あの行動を「仕方ないよ」とは、到底思えないけど。気持ちがあったのなら、余計に「許せない」という気持ちが大きくなったのは事実です。
それにしても、物理とか科学とかね、使う人、使い方によって随分と変わってしまうというのを改めて感じました。歴史の中でもそういうことが多々あって、発明者の意図に関わらず、というか、不本意ながら武器として使われているものもあるんですよね。発明者としては忸怩たる思いもあるだろうなぁと思うところもありました。姉を亡くした伸吾の父親にしたって同じような思いを抱えていたのだろうと思うし。
最後は短編と同じように(当たり前と言えば当たり前なんだけど)湯川が海外へ行ってしまいました。これは、シリーズも一区切りということなんでしょうか。出来れば、また湯川に再会したいなぁと思うんですけど・・・。
(2015.08.)