2015年09月30日

その時までサヨナラ(山田悠介)

この作家さんの小説は以前読んで、イマイチだったんですよね。なので、その後は手に取ることはなかったんです。ところが、中学生になった姪が「読め!」とばかりに差し出してきたので、姪に弱いおばちゃんは、それはそれは渋々ながらも借りてきたのでした(笑)で、借りてきたら読まない訳にはいかず・・・。

ということで、辛口感想です。
どうぞご注意を。






なにはさておいて、姪っ子がこういう小説を読むようになったんだなぁということが感慨深い。つい1年位前までは、字が大きく絵がいっぱいついた”子供向け”のいわゆる児童書ばっかり読んでたのにね。文庫本を読むようになったんだなぁとしみじみ。まぁ、自分を振り返ると、小学校高学年くらいでは母が読んでた渡辺淳一作品とか読んでたんだから、別にしみじみすることでもないと思うんだけど(笑)でもでも、おばちゃんとしてはね、やっぱり「おねーちゃんになったんだなぁ」としみじみしちゃいますね~。
えぇ、おばバカ自覚しておりますです、はい。

で、肝心の小説ですが。

・・・うん。
まぁ、なんといいますか、前回読んだ作品と同じような感想かな。ストーリー展開も読めちゃうし、表面だけさらっとなぞっただけ、みたいな印象。もうちょっと深みが欲しいなぁと思ってしまいます。

仕事のことしか頭に無かった主人公の別居中の妻が旅先の列車事故で亡くなり、4歳の息子が残された。子供は妻の両親に引き取ってもらおうと思うのだが、妻の親友だと言う女がやってきて・・・。

タイトルからも分かるように、泣かせようというのはすごーく伝わってくるんだけど、なにせ登場人物たちに感情移入ができないのでムリ。こういうストーリーなら、涙腺の弱いワタシはキッカケさえあれば泣けるんだけどなぁ・・・と思いながら読んだのでした。

せっかく姪っ子が貸してくれたんだけどね。ちょっと残念な読書となってしまいました。




(2015.08.22)




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2015年09月29日

ラプラスの魔女(東野圭吾)

2つの温泉地で起こった硫化水素による死亡事故。その事故を追う、研究者、刑事、不思議な力を持つ少女。事故の真相とは・・・。


なんというかね、なんとも感想が書き難いお話でした。いろんなことがごちゃごちゃと詰め込まれていて、あれもこれもとなってしまうような。ある意味、詰め込まれすぎてるといってもいいかもしれません。死亡事故のこと、ボディーガードの彼、不思議な力を持つ少女、その少女が探す少年、少年の父親、研究者に刑事。主な登場人物を挙げただけでもこれだけの人々が絡み合っているんですよねぇ。そして、それぞれがガッツリと絡み合っていて、どれかひとつをクローズアップすると全く違ったお話のようになってしまうようで、ものすごく難しい・・・。

という感じで、感想を書こうと思うと難しさに文章を打つ手が止まるんですが、読んでる時はね、するする~っとそれはそれはスムーズに、ある意味、夢中になって読みました。読みなれた東野さんの文章というのもあるのかもしれませんが、すごく面白かったし、先が気になってしょうがなかったんですよねー。

ただ、面白く読んだ割には読了後の感想としては、ちょっとねーと、微妙な感じです。どうしても、「え?こんなもん?」っていう気持ちが残ってしまいます。東野作品ということでハードルが高いのかもしれませんが、もうちょっと何とかならなかったのかなぁという気分が残ってしまいました。最後のオチもねぇ。そうきたかぁ・・・という感じでして。少年のことはどうにかならなかったのかなと、どうしても思ってしまいます。

うーーん。もやもや。



(2015.08.22)




ラプラスの魔女
KADOKAWA/角川書店
2015-05-15
東野 圭吾

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ラベル:著者(は) 読書
posted by すずな at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月22日

禁断の魔術(東野圭吾)

禁断の魔術 ガリレオ8に掲載されていた短編「猛射つ」を長編として文庫化した作品。

相変わらずの記憶力の弱さを発揮して、「猛射つ」ってどんなお話だっけ?と思い出せないまま読み始めたんですが、読みだしたら「あ、これは覚えが・・・」とぼんやりとながら思い出せました。思い出せたのはいいけど、ラストが分かっちゃったのはね、ちょっと残念だったかな(笑)どうせなら、ラストは思い出せなかった方が面白く読めたんだけどなぁ。本当にツカエナイ私の記憶力。。。

とまぁ、このシリーズで展開が読めてると、ちょっと面白みに欠ける部分もあったりして、びみょーな気持ちで読みました。ワクワク感が半減しちゃうんだよねー。それにしても、そういう部分があるってことは分かってるだろうに、なんで東野さんはリメイクしてまで、このお話を単品で出したかったんでしょうね。

そんな訳で、ミステリー的にはちょっと残念でしたが、人情味というかね、そういう部分ではガッツリはまって読めたので良かったかな。長編になると、人間模様とかが詳しく描かれるので、様々な人々の心の動きなどがより深く理解出来て、それはいいなぁと思いました。政治家の先生の葛藤とか、ね。でも、あの行動を「仕方ないよ」とは、到底思えないけど。気持ちがあったのなら、余計に「許せない」という気持ちが大きくなったのは事実です。

それにしても、物理とか科学とかね、使う人、使い方によって随分と変わってしまうというのを改めて感じました。歴史の中でもそういうことが多々あって、発明者の意図に関わらず、というか、不本意ながら武器として使われているものもあるんですよね。発明者としては忸怩たる思いもあるだろうなぁと思うところもありました。姉を亡くした伸吾の父親にしたって同じような思いを抱えていたのだろうと思うし。


最後は短編と同じように(当たり前と言えば当たり前なんだけど)湯川が海外へ行ってしまいました。これは、シリーズも一区切りということなんでしょうか。出来れば、また湯川に再会したいなぁと思うんですけど・・・。



(2015.08.)




禁断の魔術 (文春文庫)
文藝春秋
2015-06-10
東野 圭吾

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ラベル:著者(は) 読書
posted by すずな at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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