江戸中期に活躍した絵師たちの人間模様やそれぞれの生き様を描いた1冊。
丸山応挙の弟子である吉村胡雪こと彦太郎と深山箏白こと豊蔵という二人の天才絵師が主人公。本書では実在の名前とはちょっと変えてあったのかな。「丸山応挙」という名前は母が某お宝鑑定のTV番組が大好きで、よーく見てるお陰で私もぼんやりとは知ってましたが、あまり詳しいことは知らず。知ってたらもっと楽しめたかなと思いましたが、知らなかったからこそ楽しめた部分も大きかったような気がします。・・・負け惜しみじゃないですよ。・・・たぶん(笑)
とにかく面白かった。二人が葛藤しつつも絵師として成長していく姿に一喜一憂させられました。江戸時代の絵師たちについて知らなかったからこそ、この後どうなるの?どうするの?というワクワク感も半端無くて、そういう部分も楽しめました。
芸術家というのは、どんな分野にしろ”変わり者”と呼ばれる人が多いんでしょうね。そうじゃないと、誰にも真似できないモノは作れないだろうし、何かを極めるのは難しいのだろうなぁと、そんなことを改めて思いました。そして、天才同士はいがみ合っていても惹かれあい、自分が持ってない部分を妬み、だからこそ認め合えるんだろうなぁとも思いました。
それにしても、最後は呆気ないもので・・・。でも、それが余計に強い印象を残したのかなぁと思いました。ネットで検索したら、何点もの絵を見ることができたんですが、いつか実際に見に行きたいなぁと思いました。いつになるかは分からないけど、ね(笑)
(2015.06.11 読了)