今までの万城目作品とはちょっと趣が違った感のある短編集。
「西遊記」「三国志」「史記」など、中国の古典文学を元に描かれた万城目ワールド。万城目さんの「愛」がたっぷり感じられて、あぁ、万城目さんはこういうジャンルがお好きなんだなぁと思った1冊でした。万城作品の特徴でもあるユーモア溢れる文体ではなく、それを期待して読むと「あれ?」と思っちゃうかもしれませんが、個人的にはこちらも好きな分野なので興味深く、面白く読みました。面白く・・・と言っても、うはうは笑いながら読んだ訳ではなく、どっちかというと切なさに満たされたお話の方が多かったけどね。
「西遊記」は大丈夫。大体のお話も分かるし、登場人物たちの関係もほぼ理解出来てる。ということで、余裕~で読みました。ところが、その後は・・・。「三国志」は、以前、途中で断念してるし、司馬遷に関しては「史記」を編纂したということしか知らなくって・・・。あ、始皇帝は、まぁ、いくつかの作品を読んだことがあって、割合、馴染みの皇帝ではあったかな。でも、中国の歴史物は結構好きでそれなりに関係する物語を読んではいるものの、時系列やら登場人物が膨大過ぎて、私の頭の中でキチンと整理されてないんですよねぇ。なので、まぁ、ぼんやりとは分かるかなぁ~程度。そんな訳で、もうちょっとシッカリ頭の中で整理できている状態で読んだら、もっとこの作品を楽しめたのかなぁと思いました。そういう意味では、ちょっと残念。
どのお話も、いわゆる「主人公」ではなく、脇役にスポットを当てて描かれていて、それも良かった。特に好きだったのは、四面楚歌や虞美人草のエピソードが描かれた「虞姫寂静」かな。最期の時になって誰かの代わりであったと知った虞美人の行動にグッときました。まさに天晴れ!と心の中で拍手。でも・・・とっても切なくやるせない物語でした。
それから、最後の司馬遷の娘を主人公にした「父司馬遷」も良かった。人は居なくなっても書は後世まで残る。書を残してくれた人たちのお蔭で、私もその恩恵の一端を受けているんですよね。
それにしても、一番驚いたのは「司馬遷って宦官だったのーっ!?」だったんだけどね。全く知らなかったので、ビックリの事実でした。ていうか、このお話では宦官って何かマイナスのイメージで、そこが個人的には「あれ?」」って感じでして。後宮で働くためには宦官にならなければならず、宮中での出世の為にわざわざ自ら切り落としたりした・・・ってことだったような。そして、皇帝たちに信頼された者は重用され、臣としてはかなりの出世をしたんじゃなかったかな。違ったかな。まぁ、それを蔑む人がいたというのも知ってたけど、ここまで忌み嫌うものだとは思っていなかった。おまけに、罰としての意味もあったのだというのを知って、自分の無知っぷりに・・・。
この作品を読んだら、その昔挫折した「三国志」に再挑戦したくなってきました。でも、今年はちょっと無理そうなので、来年あたりからボチボチと読んでいけたらいいなぁ・・・。
そして、いつもの万城目作品とは違ったけれど、こういうのも好きなので、次は是非ともオリジナルで長編を書いてもらいたいものです。読んでみたい!
・悟浄出立
・趙雲西航
・虞姫寂静
・法家孤憤
・父司馬遷
(2015.05.05 読了)
2015年05月10日
2015年05月08日
the SIX(井上夢人)
特殊な力を持った少年少女たち6人を主人公とした連作短編集。
お馴染の予知能力やテレパシー、癒しの力以外にも、虫を集めることが出来る少女や剃刀のような力を持ち相手を傷つけてしまう少年なども登場する。自分の力を受け入れている者もいれば、逆に持て余している者もいたり、社会から阻害されている者もいる。
最初はそれぞれ独立したお話かと思っていたんですが、読み進めていくとそれぞれが繋がっていく。そして、最後は彼らの力をひとつにして・・・という、なんだかヒーローものの展開になってしまった。まぁ、それは読んでる途中で予想は出来たけど、ちょっと安易なというかね、もうちょっと違った展開にして欲しかったなぁとは思ってしまいます。彼らの力を発揮する場を設けるのはいいとしても、そこに「そうきたか!」と思わせるような、もう少し何かしらの捻りが欲しかったなぁ・・・。井上さんということで、期待が大きすぎちゃったのかな。ちょっとありきたりすぎて、ガッカリしちゃったような、そんな感じでした。
でも、最初はどうなることかと思った彼らも、それぞれに自分の力を受け入れて、一歩を踏み出していくラストは良かったです。ホッとしたし、ほっこり優しい気持ちにもなれました。
・あした絵
・鬼の声
・空気剃刀
・虫あそび
・魔王の手
・聖なる子
(2015.05.05 読了)
お馴染の予知能力やテレパシー、癒しの力以外にも、虫を集めることが出来る少女や剃刀のような力を持ち相手を傷つけてしまう少年なども登場する。自分の力を受け入れている者もいれば、逆に持て余している者もいたり、社会から阻害されている者もいる。
最初はそれぞれ独立したお話かと思っていたんですが、読み進めていくとそれぞれが繋がっていく。そして、最後は彼らの力をひとつにして・・・という、なんだかヒーローものの展開になってしまった。まぁ、それは読んでる途中で予想は出来たけど、ちょっと安易なというかね、もうちょっと違った展開にして欲しかったなぁとは思ってしまいます。彼らの力を発揮する場を設けるのはいいとしても、そこに「そうきたか!」と思わせるような、もう少し何かしらの捻りが欲しかったなぁ・・・。井上さんということで、期待が大きすぎちゃったのかな。ちょっとありきたりすぎて、ガッカリしちゃったような、そんな感じでした。
でも、最初はどうなることかと思った彼らも、それぞれに自分の力を受け入れて、一歩を踏み出していくラストは良かったです。ホッとしたし、ほっこり優しい気持ちにもなれました。
・あした絵
・鬼の声
・空気剃刀
・虫あそび
・魔王の手
・聖なる子
(2015.05.05 読了)
2015年05月06日
◆2015年4月の読書
GWが終わるという日にようやく4月のまとめです。
5月分の記事もたまってきてるので、ちょっと焦っているところです。。。
1.ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ(三上延) ★★★
2.少年探偵(小路幸也)★★★★
3.冷蔵庫を抱きしめて(荻原浩)★★★
4.桜の下で待っている(彩瀬まる)★★★★
5.太宰治の辞書(北村薫)★★★★
6.コンビニたそがれ堂セレクション(村山早紀) ★★★
7.虚ろな十字架(東野圭吾)★★★★
8.9.居酒屋ぼったくり・居酒屋ぼったくり②(秋川滝美)★★★
10.火花(又吉直樹)★
11.手のひらの幻獣(三崎亜記)★★★★
2015年4月の読書は11冊。5つ★はありませんでした。
2015年合計48冊。月平均12冊。
そして、読了数には入ってませんが、記事にした短編が一つ。雑誌掲載の有川作品でした。
◆特別読み切り 三匹のおっさん(有川浩)雑誌「小説新潮」2015年5月号掲載短編。
なかなか読めませんねぇ(^^;どうも、そういうペースが出来上がってしまっているようです。ということで、図書館の予約を思い切って断捨離しました。20冊の枠いっぱいに予約を入れてたんですが、借りて帰っても読まずに返却・・・ということが続いていて。おまけに、他人様にお借りした本が部屋で山積みなってる状態も気になっていて・・・。ここは、エイッと思いきってキャンセルしてみました。お蔭で、このGW中に、お借りしてる本はなんとか制覇出来たかなという感じであります。あ、あと2冊ほど残ってるような気がするけど・・・そこは今週末までには読めるはず!ということで(笑)人間、思い切りは大事ということを学んだ春でした。
ここで、気を抜いて、また予約枠いっぱいにしちゃわないように気を付けます。。。
で。読書以外では、何かな。あ、卒業があれば入学があるということで、姪っ子がめでたく中学校に入学いたしました。部活は吹奏楽部に入るそうで、すでに仮入部して頑張っているみたいです。おばちゃんは、大会の度にカメラを持って出没しちゃいそうでーす。嫌われないようにほどほどにしときます(笑)
あ、そうそう。毎年恒例行事と化した感のなる「スターダスト・レビュー」のコンサートにも行ってきました。ちょっと遠い席でしたが、笑って聴き惚れて楽しい時間を過ごすことができました。それにしても、要さんの喉ってどうなってるんでしょうね。3時間強、歌いっぱなししゃべりっぱなし。それでも素敵な歌声を聞かせてくれました。おまけに、LIVE終了後にはラジオの収録があるって言ってましたが・・・凄すぎ。また、来年も行けたらいいな。
そして、そして。フィギュアスケートでは国別対抗戦が行われました。国際試合とはいえ、ある意味お祭り騒ぎのような大会なので、そこまで期待してなかったんですが、各国からトップ選手たちが来日してくれまして。ワールドが終わっての試合だったのに、みなさん素晴らしい演技を見せてくれました。興奮したり感動したり。楽しい時間を過ごせました。まぁ、TV放映には物申したいことはたんまりありますけどね。
もう、テレビ朝日のフィギュア放送はリアルタイムでは観ないかなと思いました。どうせ、LIVE放送じゃないしね。余計な映像が多すぎてイライラ。こんな振り返り映像や過去映像を流すよりも、LIVEで一人でも多くの選手の演技を流してくれよー!と、TVに向かってクレームつけま利でした。
・・・愚痴ってしまった。この辺で。
それにしても、一年って早いですね。真央ちゃんが休養宣言して1年が過ぎました。大ちゃんは引退して、すでにアメリカに留学してしまったし。なんでもスケート靴は置いていったそうで、それを聞いて寂しく感じるともに、彼の覚悟も感じたのでした。鈴木さんや織田くんも、すっかりプロ選手としてスケートはもちろん、他の分野でも活躍されてて。あっという間だったけど、織田くんが家を買えちゃうくらいの時間が過ぎたんだなぁと思うと・・・しみじみ。
もう少ししたら、真央ちゃんの進退も発表されるでしょうし。ドキドキしながら、その時を待ちたいと思います。個人的希望としては、現役を続けて欲しい。もう一度、真剣勝負の真央ちゃんの姿を観たいと思いますが、笑顔いっぱいにすべるアイスショーの姿を観ると、それも嬉しいなぁともおもっちゃうんですよね。どっちにしても、彼女の進む道を心から応援したいとは思っています。。。
5月は、もうちょっと読書も出来ますように。
(2015.05.06)
5月分の記事もたまってきてるので、ちょっと焦っているところです。。。
1.ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ(三上延) ★★★
2.少年探偵(小路幸也)★★★★
3.冷蔵庫を抱きしめて(荻原浩)★★★
4.桜の下で待っている(彩瀬まる)★★★★
5.太宰治の辞書(北村薫)★★★★
6.コンビニたそがれ堂セレクション(村山早紀) ★★★
7.虚ろな十字架(東野圭吾)★★★★
8.9.居酒屋ぼったくり・居酒屋ぼったくり②(秋川滝美)★★★
10.火花(又吉直樹)★
11.手のひらの幻獣(三崎亜記)★★★★
2015年4月の読書は11冊。5つ★はありませんでした。
2015年合計48冊。月平均12冊。
そして、読了数には入ってませんが、記事にした短編が一つ。雑誌掲載の有川作品でした。
◆特別読み切り 三匹のおっさん(有川浩)雑誌「小説新潮」2015年5月号掲載短編。
なかなか読めませんねぇ(^^;どうも、そういうペースが出来上がってしまっているようです。ということで、図書館の予約を思い切って断捨離しました。20冊の枠いっぱいに予約を入れてたんですが、借りて帰っても読まずに返却・・・ということが続いていて。おまけに、他人様にお借りした本が部屋で山積みなってる状態も気になっていて・・・。ここは、エイッと思いきってキャンセルしてみました。お蔭で、このGW中に、お借りしてる本はなんとか制覇出来たかなという感じであります。あ、あと2冊ほど残ってるような気がするけど・・・そこは今週末までには読めるはず!ということで(笑)人間、思い切りは大事ということを学んだ春でした。
ここで、気を抜いて、また予約枠いっぱいにしちゃわないように気を付けます。。。
で。読書以外では、何かな。あ、卒業があれば入学があるということで、姪っ子がめでたく中学校に入学いたしました。部活は吹奏楽部に入るそうで、すでに仮入部して頑張っているみたいです。おばちゃんは、大会の度にカメラを持って出没しちゃいそうでーす。嫌われないようにほどほどにしときます(笑)
あ、そうそう。毎年恒例行事と化した感のなる「スターダスト・レビュー」のコンサートにも行ってきました。ちょっと遠い席でしたが、笑って聴き惚れて楽しい時間を過ごすことができました。それにしても、要さんの喉ってどうなってるんでしょうね。3時間強、歌いっぱなししゃべりっぱなし。それでも素敵な歌声を聞かせてくれました。おまけに、LIVE終了後にはラジオの収録があるって言ってましたが・・・凄すぎ。また、来年も行けたらいいな。
そして、そして。フィギュアスケートでは国別対抗戦が行われました。国際試合とはいえ、ある意味お祭り騒ぎのような大会なので、そこまで期待してなかったんですが、各国からトップ選手たちが来日してくれまして。ワールドが終わっての試合だったのに、みなさん素晴らしい演技を見せてくれました。興奮したり感動したり。楽しい時間を過ごせました。まぁ、TV放映には物申したいことはたんまりありますけどね。
もう、テレビ朝日のフィギュア放送はリアルタイムでは観ないかなと思いました。どうせ、LIVE放送じゃないしね。余計な映像が多すぎてイライラ。こんな振り返り映像や過去映像を流すよりも、LIVEで一人でも多くの選手の演技を流してくれよー!と、TVに向かってクレームつけま利でした。
・・・愚痴ってしまった。この辺で。
それにしても、一年って早いですね。真央ちゃんが休養宣言して1年が過ぎました。大ちゃんは引退して、すでにアメリカに留学してしまったし。なんでもスケート靴は置いていったそうで、それを聞いて寂しく感じるともに、彼の覚悟も感じたのでした。鈴木さんや織田くんも、すっかりプロ選手としてスケートはもちろん、他の分野でも活躍されてて。あっという間だったけど、織田くんが家を買えちゃうくらいの時間が過ぎたんだなぁと思うと・・・しみじみ。
もう少ししたら、真央ちゃんの進退も発表されるでしょうし。ドキドキしながら、その時を待ちたいと思います。個人的希望としては、現役を続けて欲しい。もう一度、真剣勝負の真央ちゃんの姿を観たいと思いますが、笑顔いっぱいにすべるアイスショーの姿を観ると、それも嬉しいなぁともおもっちゃうんですよね。どっちにしても、彼女の進む道を心から応援したいとは思っています。。。
5月は、もうちょっと読書も出来ますように。
(2015.05.06)
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