待ちに待ってた毛玉たちの物語。三部作の二作目。ようやく読めて本当に嬉しかった!
あいかわらずのモリミー節。森見作品を読む時は、最初からすんなり読めることはなくて、この文体に馴染むのに時間がかかるんですよね。最初はなかなか入り込めないんだけど、そこを我慢(?)して読み進めていくと、だんだんとのめり込んでいく・・・という感じで。ところが、今回は最初からスッと物語に入れました。読みながら自分でびっくりした(笑)ボリュームもなかなかのものだったから、結構、不安もあったんだけど、そういう訳で最初から最後まで楽しく読めました。
とはいえ、前作からかなりの時間が過ぎてしまっているので、登場人物や前作のお話などの細かいところはうろ覚えでして;;;読みながら思い出せるところは思い出し、思い出せないところは・・・まぁ、それなりに読んでいきました(笑)でもね、覚えてなくても、ちゃーーーんと楽しめたから良し!
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ちょっとネタバレ気味な感想になっちゃいました。
未読の方はご注意を。
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今作は、副題にもなっている通り、赤玉先生の跡継ぎである”二代目”が英国より帰朝して、というのがメイン。どんな人物かと思っていたら、これがなかなか。イヤなヤツかと思っていたら、なんだか良い感じで個人的には好きでしたねぇ。弁天との争いもありましたが、これは、実はお互いに・・・って感じじゃなかろうか?と、そんな気がしてなりませんが。どうかな。次巻が最終巻ということなので、どういう展開になるのか楽しみです。
今回は矢一郎と玉瀾にヤキモキさせられ、矢三郎と海星にはニマニマさせられました。それにしても、海星が矢三郎の前に姿を現さなかったのは、そんな訳があったのか!と驚きました。驚きつつ、うほほーとテンションがあがったんだけどね(笑)いや、本当に可愛いなぁ。いいなぁ。とほっこり。良いカップルになるんじゃないかなと、今後が楽しみです。
海星のお兄ちゃんである夷川家の長男の呉一郎は、登場したときから何だか胡散臭いヤツ!と思ってたんですよね。やっぱりね、って展開でしたねー。でも、正体にはビックリだったけど。シブトイなぁ・・・としみじみしちゃいましたよ。これは、三作目で全面対決!って感じになるんでしょうかね。なんにしろ、次作が最終巻。どんな展開が待ち受けているのか楽しみです。
早く読みたいけれど、森見さんの無理の無いペースで書いてもらえれば。。。
(2015.05.19 読了)
2015年05月29日
2015年05月11日
ばけもの好む中将 平安不思議めぐり(瀬川貴次)
平安時代、怪異を愛する変わり者の近衛中将とひょんなことから知り合った中級貴族の宗孝が遭遇する怪異とは・・・。
昨秋、母と福岡を旅した時に購入したまま積読していた本。タイトルに惹かれて手に取ったんですが、ようやく読めました。他人様からお借りしてる本だけじゃなく、自分で購入した本にもなんとか手を伸ばすことが出来るようになってホント良かった!このイキオイで積読本を制覇していきたいんですが・・・どうかなぁ(笑)
タイトルとあらすじだけで手にした初読み作家さん。旅の雰囲気に流されて買ったので、どうかなぁとちょっとドキドキしながら読み始めましたが、なかなか読みやすかったです。印象的には氷室冴子さんの平安時代を舞台にした物語を彷彿させるような感じで、ラノベっぽかった。てか、集英社文庫だからコバルト文庫の流れなのかな、もしかして(笑)舞台は平安だけど、会話とかは現代風でちょっと軽めな感じ。内容は、タイトルまんまで、ばけものを好む中将が怪異の噂を聞きつけると宗孝を巻き込んでの謎解きに。そこに宗孝の12人の姉たちも絡んできて・・・というもの。
ばけものと言っても、全く怖くない。それよりも、やっぱり人間が一番怖いよね、ということにはなるかな。個人的には、中将の妹君が気になる存在でした。文字を「文字」として認識できず、色が見えたり書いた人の性別や人となりを感じ取ったり出来る少女。出来れば、もっと出番を多くして欲しかったなぁと思いました。あと、全員は登場しなかった宗孝の姉たちも気になります。既に登場した姉たちはみな個性的だったので、他の姉たちがどんな人なのか楽しみであり、ちょっと怖くもあり(笑)続編が何冊か出てるみたいなので、徐々に登場してくるのかな。誰が誰やら分からなくならないようにガンバロウ。。。
短編集のような体裁だったので、読み進んでいくと似たようなお話が続いて、だんだん飽きてきたなぁという感じでしたが、最後にその短編たちが一つに繋がっていって、おぉっ!となりました。途中までは続編が出てるみたいだけど、それには手を出さないかも・・・と思ってたんですよね。でも、最後まで読んだら続編が読みたくなりました(笑)
積読本の山が減ったら読んでみようと思います。
(2015.05.09 読了)
昨秋、母と福岡を旅した時に購入したまま積読していた本。タイトルに惹かれて手に取ったんですが、ようやく読めました。他人様からお借りしてる本だけじゃなく、自分で購入した本にもなんとか手を伸ばすことが出来るようになってホント良かった!このイキオイで積読本を制覇していきたいんですが・・・どうかなぁ(笑)
タイトルとあらすじだけで手にした初読み作家さん。旅の雰囲気に流されて買ったので、どうかなぁとちょっとドキドキしながら読み始めましたが、なかなか読みやすかったです。印象的には氷室冴子さんの平安時代を舞台にした物語を彷彿させるような感じで、ラノベっぽかった。てか、集英社文庫だからコバルト文庫の流れなのかな、もしかして(笑)舞台は平安だけど、会話とかは現代風でちょっと軽めな感じ。内容は、タイトルまんまで、ばけものを好む中将が怪異の噂を聞きつけると宗孝を巻き込んでの謎解きに。そこに宗孝の12人の姉たちも絡んできて・・・というもの。
ばけものと言っても、全く怖くない。それよりも、やっぱり人間が一番怖いよね、ということにはなるかな。個人的には、中将の妹君が気になる存在でした。文字を「文字」として認識できず、色が見えたり書いた人の性別や人となりを感じ取ったり出来る少女。出来れば、もっと出番を多くして欲しかったなぁと思いました。あと、全員は登場しなかった宗孝の姉たちも気になります。既に登場した姉たちはみな個性的だったので、他の姉たちがどんな人なのか楽しみであり、ちょっと怖くもあり(笑)続編が何冊か出てるみたいなので、徐々に登場してくるのかな。誰が誰やら分からなくならないようにガンバロウ。。。
短編集のような体裁だったので、読み進んでいくと似たようなお話が続いて、だんだん飽きてきたなぁという感じでしたが、最後にその短編たちが一つに繋がっていって、おぉっ!となりました。途中までは続編が出てるみたいだけど、それには手を出さないかも・・・と思ってたんですよね。でも、最後まで読んだら続編が読みたくなりました(笑)
積読本の山が減ったら読んでみようと思います。
(2015.05.09 読了)
2015年05月10日
砂子のなかより青き草(宮木あや子)
宮木さんが描く清少納言。
「源氏物語」や「あさきゆめみし」に親しんだ私としては、紫式部と同じ時代に生きていて、何やら”エッセイ”らしきものを残した人、という印象でしかなかった清少納言。元々、エッセイが苦手でもっぱら物語しか読んでこなかった私にとっては、歴史の教科書に紫式部と一緒に出てくる女性というくらいの認識しかありませんでした。でも、だからこそ、宮木さんの描く清少納言という女性がどういう人なのかと、興味津々で読み進めることが出来たのではないかと思います。
清少納言が中宮定子に仕えた経緯や、枕草子を書き始めた経緯など、そういう部分も書かれていて「そうだったのかー!」と面白く読みました。元々、好きで書き始めた訳ではなかったんですねぇ。まぁ、事実がどうなのかはわかりませんけどね(笑)でも、そういうことだったんだろうなぁという説得力は十分にありました。
それにしても、時の権力者であるはずの帝であっても、ままならないことというは多かったんですねぇ。廷臣の思惑や策略のお蔭で、自分の思う通りに行動することが出来ない。もちろん、国を動かす、人を動かすということは、それなりの駆け引きが必要で、全てが思うままに出来なかったという面もあるんでしょうけど。なんとも切ないものです。
あと、ちょっと引いちゃったのが、紫式部と彼女が使える彰子の底意地の悪さ!紫式部が好きだった私としては、こういう描かれ方にはちょっと不快感も感じつつ、実際はやはりこういうものだったのかもしれないなぁとも思ったり。宮中って、特に女性同士のあれこれになると・・・ね。同じ女性の私が言うのもなんなんだけど、陰鬱で情け容赦なさそうですもんねぇ・・・。
この物語は中宮定子の死までしか描かれてないんですが、その後の、清少納言の晩年はどういうものだったんでしょう。いつか、それを知る機会があればいいなぁと思ったのでした。
・・・自分で調べろ!という突込みは無しでお願いします(笑)
(2015.05.05 読了)
「源氏物語」や「あさきゆめみし」に親しんだ私としては、紫式部と同じ時代に生きていて、何やら”エッセイ”らしきものを残した人、という印象でしかなかった清少納言。元々、エッセイが苦手でもっぱら物語しか読んでこなかった私にとっては、歴史の教科書に紫式部と一緒に出てくる女性というくらいの認識しかありませんでした。でも、だからこそ、宮木さんの描く清少納言という女性がどういう人なのかと、興味津々で読み進めることが出来たのではないかと思います。
清少納言が中宮定子に仕えた経緯や、枕草子を書き始めた経緯など、そういう部分も書かれていて「そうだったのかー!」と面白く読みました。元々、好きで書き始めた訳ではなかったんですねぇ。まぁ、事実がどうなのかはわかりませんけどね(笑)でも、そういうことだったんだろうなぁという説得力は十分にありました。
それにしても、時の権力者であるはずの帝であっても、ままならないことというは多かったんですねぇ。廷臣の思惑や策略のお蔭で、自分の思う通りに行動することが出来ない。もちろん、国を動かす、人を動かすということは、それなりの駆け引きが必要で、全てが思うままに出来なかったという面もあるんでしょうけど。なんとも切ないものです。
あと、ちょっと引いちゃったのが、紫式部と彼女が使える彰子の底意地の悪さ!紫式部が好きだった私としては、こういう描かれ方にはちょっと不快感も感じつつ、実際はやはりこういうものだったのかもしれないなぁとも思ったり。宮中って、特に女性同士のあれこれになると・・・ね。同じ女性の私が言うのもなんなんだけど、陰鬱で情け容赦なさそうですもんねぇ・・・。
この物語は中宮定子の死までしか描かれてないんですが、その後の、清少納言の晩年はどういうものだったんでしょう。いつか、それを知る機会があればいいなぁと思ったのでした。
・・・自分で調べろ!という突込みは無しでお願いします(笑)
(2015.05.05 読了)