2015年03月24日

火星に住むつもりかい?(伊坂幸太郎)

うわ、怖い。
なんというか、ちょっとこれは・・・。と、言葉が出ない、そんな感じです。


伊坂作品は、例えば国家とかの大きな組織に対抗する一市民というような作品が多いという印象で、読みながら怖いなーと思うことも多かったんですよね。このお話も基本的にはそういう感じなんだけど、今までの伊坂作品のようにスカッとするラストとはちょっと違ってました。読み終わっても、スカッとするより怖いなぁという気持ちの方が大きかった。読みながら、本当にこんな社会になるかもしれない、そんな思いがじわじわと湧き上がってきて・・・。リアリティがあったというんでしょうか。なんとも不安な気持ちになりました。

伊坂作品というと、すっとぼけた感じでユーモアがある文体に魅力を感じてるんですが、その要素が少なかったかなぁという印象です。それよりも、じわじわとやってくる恐怖が・・・。あと、ギロチンでの公開処刑とかね、想像するだけで、かなり引いてしまいます。ましてや、それを一般市民がある意味ワクワクしながら見守る・・・怖いよ。集団心理って本当に怖いなぁと思います。と、今は思ってる私だって、実際にその場に居たらどうなるか分からない。そんな恐怖や不安が湧いてきて、余計にマイナスな気持ちになってしまったのかもしれません。


・・・と、なんだか重い感想になっちゃいましたが。

だからといって、面白くなかった訳ではないんですよ!そこはそれ、伊坂さんですからね。先へ先へと読ませる魅力は健在で、ぐんぐん読んでしまいました。まさかのラストに「あの人がーっ!?」と、思わず叫んでしまったりもしたし、ね。

でもね、そんな風に驚いたけど、同時にあの人には怖さも感じたかな。たしかに、内部から変えなきゃというのはあるけれど、でも、その為なら、変わるまでは目を瞑るのか、彼は瞑れるんだなぁと思ったら、ね。そんな人とは、助けられたら感謝はするかもしれないけれど、極力、お付き合いはしたくないなぁと思いましたです。はい。


あれ、なんだかまた重くなってきたような(笑)

まぁ、なんですかね。今回はスカッという気持ちにはなれず、重い気分のまま読了しちゃって、ちょっと残念だったということですね。
・・・むーーーん。



(2015.03.20 読了)






火星に住むつもりかい?
光文社
伊坂 幸太郎

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ラベル:読書 著者(あ)
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2015年03月19日

保春院義姫 伊達政宗の母(高橋義夫)

伊達政宗の母である義姫を描いた物語。初読み作家さん。

義姫と言えば、某公営放送の大河ドラマ「独眼竜正宗」で熱演された岩下志麻さんが思い浮かびます。というか、それしか思い浮かばないと言った方が正しいかな(笑)私の中のイメージは岩下さんで固まっているので、読んでる間中、かのドラマの義姫の姿がチラチラしまくりました。

そんなこんなで、登場する人物を某ドラマのキャストとタブらせながらの読書。あ、このエピソードは!あ、これは!・・・と、そんなことばかりを思いながら読み進めたので、小説自体を純粋に楽しんだかというと、ちょっと疑問です。なんだか、すごく勿体ない読み方をしてしまったなぁと、今頃になって反省しています。

まぁ、文章自体にはそんなに抵抗は感じなかったけれど、そこまでのめり込むこともなく、歴史小説を普通に楽しんだかな、と。


可もなく不可もなく、という感じ。



(2015.03.16 読了)





保春院義姫 - 伊達政宗の母
中央公論新社
高橋 義夫

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ラベル:著者(た) 読書
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2015年03月17日

旅者の旅 中途の王(小路幸也)

旅者の歌 始まりの地」に続くシリーズ2作目。

いよいよ本格的な旅が始まったという感じかな。でも、想像してたような”旅の苦労話”ということではなかったかな。それは、もうね、小路さんらしいというか何というか、ですかね(笑)途中の”辛く険しく苦しい”苦労話みたいなものも読んでみたいなぁともチラッとは思ったけど、そこはそれ・・・え~、小路さん以外の方の小説で堪能したいと思います、はい(笑)

小路さんらしいといえば、中途の王との戦いも思っていたよりあっさりと終わってしまったなぁと思っちゃいました。もっと長くかかるのかと思ったんだけど、あれ、これで終わり?って感じでして。最後なんて、ちょっと拍子抜けしちゃったんですよね。誰かが瀕死の重傷を負うとかね、そんな風になるのかなぁとも思ってたんですが、そうではなかったですね。・・・や、別に誰かの不幸を期待してたって訳ではないんですよ!でも、なんだかちょっと・・・とも思ってしまったのでした。もしかして、まだ旅のさわりで、これからが本番!今から大変なことが待ってるのよーっ!ということなんでしょうか。
・・・いや、そうでもなさそうな気もするなぁ(笑)

今回は何といっても、兄姉たちが変身(?)できる!というがビックリでした。すでに動物に変身してるっていうのに、大きさや形体も自由に変えられるって!思わずそうきたかー!と唸ってしまいました。あと、船にもビックリ。木が生えていて自給自足が出来ちゃうって、何気に凄いんですけど。

そして、新たな出会いもありました。旅を続けていけば新しい出会いがあるのは当然なんだけど、その出会いが旅の道連れまでも増えていくことになるとは・・・。今回は、まさかあの人まで!?という方も旅の仲間となってしまってビックリでした。どんどん仲間が増えるのは嬉しい反面、覚えるのが大変になってきました(笑)3作目を読み始めた時、名前が一致しなくて思い出すのが大変そうです。。。おまけに、まさかの恋の要素もありそうですねぇ。予想外でしたが、それはそれで楽しみたいと思いました。

そんなこんなで、続編が楽しみです。
とはいえ、なんだかそこまで長いシリーズにはならないのかなという印象なんだけど。結構、長く続くのかなと思ってたんだけど、あと1,2冊で終わりそうな、そんな気もします。どうかな。



(2015.03.13 読了)






旅者の歌 中途の王
幻冬舎
小路 幸也

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ラベル:読書 著者(さ)
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